2018.01.27 ON AIR
【くるり】Homecomingsの畳野彩加さん、 音楽ジャーナリストの柴那典さん登場!

今週のレジェンド・ミュージシャンは、『くるり』。ゲストには京都を拠点に活動するHomecomingsから畳野彩加さん、そして、音楽ジャーナリストの柴那典さんをゲストにお迎えしました。

畳野さんがくるりと出会ったのは高校一年生の頃。いまのバンドメンバーのギターの福富さんがつくってくれたMDに何曲かくるりの曲が入っていたそう。第一印象は「バンドサウンドに慣れてなかったんですけど、歌として聴き易かったというか、曲がすごく良かったのでスッと聴けたという感じでした。岸田さんの声が好きだったんだと思います」と。そんな畳野さんのベストナンバーは『THANK YOU MY GIRL』「この曲すごい短いんです。もう終わり?みたいな感じでシュッって終わってしまう寂しさと、曲のポップな部分もあって、せつない気持ちになるので、何周かまわってこの曲がいちばん好きだなぁって思います」と。

くるりの岸田さんと同じ歳、1976年生まれで、京都の大学に通っていた柴さん。最初に『東京』を知ったときは、「同い歳の京都の大学生がメジャー・デビューするぞと。聴いてみたらすげえ良い。同じような学生生活を送ってきた人が、突然世に出ている。しかも同じときにぼくも「ロッキング・オン」という雑誌社で働くことが決まっていて、いろんな意味で親近感というか、憧れというよりも共感が大きかったですね」と。「当時のリスナーって洋楽と邦楽を分けて聴いてたんですね。オアシスとかレッド・ホット・チリ・ペッパーズ好きなひとたちは、あんまりミスチルとかスピッツ聴いてないみたいな。そういう世代だったんですけど、くるりは洋楽好きのなかで「これはいいバンドだぞ」っていう風に話題になってた感じでしたね。」と当時を振り返っていました。

「音楽の歴史とか日本のポップスの歴史とかいろいろ調べたり、学んだりして解ったことなんですけど、京都って元々、ボ・ガンボスとかローザ・ルクセンブルクとかどっちかっていうとアングラなロック・バンドっていうのかな、東京に対して反抗精神を持ったり、カウンターの意識を持ってるバンドが多くて、だけど、くるりってオルタナティブっていうのかな、そういう精神を持ちつつずっとポップであり続けてる。だから京都っていう街の音楽シーンがくるり以前、くるり以降でちょっと違ってるイメージ。くるり以降はよりポップで人懐っこいものになったっていう感じがしますね」と柴さん。

「岸田さんの曲は、好きな歌詞がたくさんありすぎて選べないぐらい良い歌詞で溢れてるんです。思ったよりもストレートなのかな?と思うところとか好きだなって思います。『魔法のじゅうたん』は改めて聴いたら、こんな良い曲だったっけ!?って思って、こんな曲調にこんな歌詞をのせて“魔法のじゅうたん”なんてタイトルつけるなんて、って感動しちゃって、歌詞は最初からずっと良いんですけど、最後に「愛し合うことの寂しさと 思いやることのぬくもりをここに置いておけばいいんだ」っていうワードが出てくるんですね。岸田さんの優しさとか暖かさみたいなのを凄く感じてグッっときます。」と畳野さん。

「くるりが出てきたことで、下の世代のバンドたちはより自由に音楽をできるようになった気がするんですよね。くるりって日本の音楽シーンの第一線でちゃんとヒットしながら、どんどん音楽性を変えてるし、誰もやったことがないことをやってみて、それでもヒットしてる。そういう意味では下の世代のバンドたちはくるりを見て凄く勇気づけられる。くるりがこれだけ自由にやってるんだったら、私たちも自分たちの好きなようにやれるんだって。そういう影響はすごく大きいんじゃないかなと思います。そしてくるりが凄いところは、いろんな音楽を知っている。クラシックだけじゃなくワールドミュージック、ロック、ジャズやファンク、いろんな音楽を知ってるからいろんな旨味を抽出した音楽ができる。そういう意味でも下の世代にたくさん音楽を知ろうというモチベーションを与えてるような気がしますね。」と柴さん。


まだまだ続く『くるり』来週もお楽しみに!


■この収録は丸の内にあります「3×3 Lab Future」で行なわれました。

PLAYLIST

THANK YOU MY GIRL / くるり

東京 / くるり

ハイウェイ / くるり

ワンダーフォーゲル / くるり

魔法のじゅうたん / くるり

ロックンロール / くるり


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。


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次回のレジェンド・ミュージシャンは『くるり Part2』ゲストにはHomecomingsの畳野彩加さん、音楽ジャーナリストの柴那典さんをお迎えします。お聞き逃しなく!