今週のレジェンド・ミュージシャンは『松任谷由実』。ゲストには”あまりに一緒の時間を過ごしてきたので、戦友みたいな気持ちが強い”という武部 聡志さん、”勝手に姉のように思っている”という一青窈さんをお迎えしました。
1983年から松任谷由実コンサートの音楽監督を務めている武部さん。ユーミンの楽曲との出逢いは高校生のころの荒井由実時代。
「中高時代はアマチュアバンドでハードロックみたいな攻撃的な音楽ばっかり嗜好してたんですね。それがユーミンの音楽を聴いて“映像的で私小説的なそんな音楽に初めて触れた気がしました。それまでの音楽と違ってたのは、歌詞の世界。歌詞のすばらしさを語らせたら何時間あっても足りないんですけど...荒井由実時代のアルバムはどのアルバムも愛聴盤だったんですけど、それはユーミンの曲、詞にプラス松任谷正隆さんのサウンドメイク、アレンジメントに強く惹かれましたね。編曲、松任谷正隆っていうのを見てアレンジャーを目指そうと思った訳ですから」と。
青窈さんがユーミンの音楽と出逢ったのは12〜13才頃。
「まず、姉の部屋から変わった声が聞こえてくるなっていう印象で、やっぱすごい耳を持っていかれるんですよね。で、聴いてみればみるほどウキウキしてくるというか。ちょうど英語とかも勉強しだして“ホームワーク”っていう言葉が自分の中で刺さってて、それを“恋のホームワーク”って変えるところが“ちょっとオシャレだな”って子供ながらに思ってたんです。ちょっと背伸びしたい頃にお姉さんっぽいことを教えてくれたのが私の中でこのアルバム『LOVE WARS』。繰り返し聴いてました。あと格好が奇抜ですごいなって。普通のひとには着こなせない服を着こなすだけのナイスレッグですよね。ウェーブヘアで真っ赤なルージュで…ちょうどお化粧に目覚める頃だったんで純粋な少女として、素敵!ユーミンと思ってました」と。
武部さんが初めて参加されたコンサートツアーは1980年の『ブラウンズ・ホテル・ツアー』まだ23才だったそう。ユーミンと初めて会ったときはあまりにカジュアルで衝撃を受けたそう。
「リハーサルの現場で初めて会ったとき、レオタードだったんです、思いっきり動くから。それで初日のリハが終わった帰りにロイヤルホストに一緒に行ったんです。で、”武部くんどんな音楽聴いてきたの?とかイギリスのこういうの良いよね”とかそんな話しをチョコレートパフェ食べながら。こっちの緊張とかぜんぜん関係なくすごくカジュアルでした」と。
ツアーをまわってみての印象は?
「楽曲を聴かせるだけじゃなくて、すごく視覚的におもしろいライブでした。やっぱりね、パフォーマーとして優れてると思うんです。優れたシンガーソングライターってたくさん居るかも知れないですけど、パフォーマーとして人に観せるということで凄い秀でたものを持ってる人だなぁって思いましたね」とおっしゃっていました。
一青窈さんがいちばん好きな曲は『ふってあげる』。「女性の恋の終わらせ方として、とても上品でかつ潔いというか、どうしても日本人的な湿度感の高さからいうと恨みつらみ節になっちゃうんです。でも、そこにはいかず“私からふってあげる”っていうのがカッコイイ大人の女だなってやはり勉強させられました。ほんとカッコイイなって思わせるんですよユーミンさんは。“今夜わたし死んでしまおうかな”これ私が歌うと相当怖いですよね(笑)そこをやっぱ爽やかなコバルトブルーかなんかの背景をバックにさっとヒールを履いて去ってゆくユーミンさん。それがやっぱり私にはできないなって思っちゃうんですよねー」とおっしゃっていました。
「松任谷夫妻は、曲が出来てから歌詞を書く。曲ができてメロディが呼んでる言葉っていうのが松任谷正隆の頭の中にもあってアレンジするんでしょうね。で、アレンジされたサウンドからまたインスパイヤされてユーミンが言葉をつくっていく。そこのキャッチボールがすごく面白い関係だなっていつも思うんです」と武部さん。
貴重なお話ありがとうございます!
まだまだ続く『松任谷由実』来週もお聞き逃しなく!
■この収録は「丸ビル コンファレンススクエアGlass Room」で行なわれました。
■松任谷由実 45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』は2018年4月11日発売!9月からはユーミン史上初のベスト選曲によるアリーナツアーを開催。詳しくはオフィシャルサイトへ
PLAYLIST
コバルト・アワー / 荒井由実
ホームワーク / 松任谷由実
セシルの週末 / 松任谷由実
中央フリーウェイ / 荒井由実
ふってあげる / 松任谷由実
NIGHT WALKER / 松任谷由実
※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。
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