2018.07.14 ON AIR
【BOB DYLAN】SING LIKE TALKINGの佐藤竹善さん、尾崎裕哉さん登場

今週のレジェンドミュージシャンは今年、フジロックフェスティバルのヘッドライナーとして登場!『Bob Dylan』ゲストには、SING LIKE TALKINGの佐藤竹善さん、尾崎裕哉さんをお迎えしました。

■ボブ・ディランとの出会い

佐藤竹善さんがはじめてボブ・ディランと出会ったのは、ボブ・ディランが歌ったものじゃないものばっかりたったと言います。「ピーター・ポール&マリーの風に吹かれて、西岡恭蔵さんのアルバム『ディランにて』ディランってなんだろ?って。楽曲だけに限らず、存在とか「風に吹かれて」っていうフレーズがあまりにもあちらこちらで使われるじゃないですか。そのルーツがボブ・ディランだって知ったときの不可思議さとか、その影響力とか」ボブ・ディラン本人の作品と出会ったのは、高校を終わるぐらい。「中学校に入ってからビートルズを聴きはじめて、ずっと聴いてるうちにジョン・レノンの詩がどんどん変化していくわけです。そこにボブ・ディランの存在が大きく居るっていう事を後に知っていくんですが。非常に詩的になっていくわけですよ。ジョンがボブ・ディランを語ることで、より大きくなっていきましたよね。ただね、歌を聴いてても解らないんですよ。最初は正直言って気持ち悪いぐらい。そしてラジオでライブバージョンとか流れたりすると、元の知ってる曲とは全然違うメロディ歌ったり・・・(笑)歌はちゃんとしたメロディをちゃんとした声で歌うものっていう既成概念が子供にはできあがってるじゃないですか。そこに登場した彼の存在と詩の世界が、美しいとかまとまってるとかっていうのの何百倍も越えてものすごく迫ってくる。そこでだんだん気になってくる。子供の僕にとっては“くさや”をはじめて食わされて、だんだんハマり込んでいく、それに近い。でボブ・ディラン聴きながら政治語ってね。何が繋がってるんだろ?とかね」(笑)

もうすぐ29歳になる尾崎裕哉さん。周りにボブ・ディランを聴いてるひとは全く居なかったと言います。「ただ存在は知ってたんです。僕の父親がディランとかジョン・レノンとかから影響を受けていたという話をなにかで読んだりして、そういう人が居るんだなぁということだけだったんですけど。最初聴いたのもジミ・ヘンドリックスが「All Along the Watchtower」をカバーしてるところから。あ、これって実はボブ・ディランの曲だったんだ。ってなって、じゃあオリジナルどんななんだろう?って聴いてみたら、めっちゃショボってなったんです。ロックを求めて聴いたらあれ?みたいな。フォークじゃん!って。ガツンとこないし、ギターソロもないしみたいな。だから最初通らなかったんです。でもジョニ・ミッチェルを聴き始めてそこからジャクソン・ブラウンを聴いて、ようやく落ち着いた音楽を聴けるようになって、そういう耳を持ったから、ボブ・ディランも改めて聴いてみようってなったんです。そしたらAメロだけって曲が多いんですよね。同じフレーズを何回も繰り返す曲、そして間奏を挟むみたいなのが馴染みがなくて…でもその中でも「Knockin' on Heaven's Door」や「Like a Rolling Stone」とかは解りやすいリフレインがあって好きでした。たくさん聴いていくと、まず声に慣れていく。慣れていくとやっぱクセになるもんですね(笑)

■いちばんだと思うアルバム

佐藤さんがいちばんだと思うアルバムは『追憶のハイウェイ61』
「それまでフォークギターでメインをやっていた彼が、エレキギターに持ち替えてロックンロールにいくときですよね。それは彼が時代を非常にナチュラルに感じていた人って言うんですかね。それまではフォークギターを持ってる人がエレキギターを持つなんていうのはちょっと邪道っていうか、え!エレキ持っちゃうんだ!みたいなね。フォークの神様として奉られていく中で、本人は非常に吟遊詩人としてナチュラルにただ思ったことを表現している、別に世の中ひっくり返そうとか、時代を変えようとかいうより淡々と。持ち替えようとした勇気とか自分のスタイルから次に移行する感じ。そういう世界観とか意思もジョン・レノンとかも大きな影響受けけたんだろうなと思いますよね」

尾崎さんがいちばんだと思うアルバムは「Bringing It All Back Home」
エレキを持ちつつある時です。ザ・バンドが後ろでやり始めた時期。サウンドがガラッと変わるんで聴きやすかったってことなんですけど。このアルバムはロックな曲とひとりでやってる曲と両方入っていて、ボブ・ディランのトランジションが解りやすい。そもそも自分はフォークアーティストじゃないって思ってたらしいんですが、フォークの神様みたいなレッテルを壊してしまう。イメージを常に変えつづけるのって勇気がいることなんだけど、自分らしさっていうのをちゃんと持ってるなって。変化しつづける姿勢とか常に新しいものを取り入れるっていうところが、アーティストとしてあるべき姿かなって」

■佐藤さんが思うヴォーカリストとしての魅力

「上手くてもつまらない歌手ってたくさん居るんですよね。音程とかどうでもよくても非常に魅力的な歌手とかもいっぱい居るわけです。歌は味があればいいんだって逃げるやつも嫌いですけど、音程が良いから、リズムが良いからっていうことを評価の対象にするやつも嫌いなんですよ。その両方を超えた先に歌っていうのはあるわけで、そういうものを大きく伝える解りやすい存在として頂点にあると思いますね」

まだまだ続く「ボブ・ディラン」来週もお聴き逃しなく!


■この収録は「丸ビル コンファレンススクエアGlass Room」で行なわれました。

PLAYLIST

Forever Young / Bob Dylan

Like a Rolling Stone / Bob Dylan

Highway 61 Revisited / Bob Dylan

Knockin' on Heaven's Door/ Bob Dylan

Mr. Tambourine Man / Bob Dylan

Vox Humana / SING LIKE TALKING



※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

次回のレジェンドミュージシャンは、ボブ・ディランのPart2!ゲストには引き続きSING LIKE TALKINGの佐藤竹善さん、尾崎裕哉さんをお迎えします。お聞き逃しなく!