今週のレジェンドミュージシャンは『小室哲哉』ゲストには「ぼくの人生を変えた方です」というTRFのDJ KOOさん。「小室さんが居なかったら音楽をやってないと思います」という大森靖子さんをお迎えしました。
■人生を変えた『EZ DO DANCE』
DJ KOO:最初に会ったのは小室さんの作業スタジオ。小室さんのイベントでDJをやることになってご挨拶に行ったんだけど、そしたらレコーディングしててミニムーグっていうシンセを小室さんが波形から弄ってつくってて、それを当たり前にやってる人なんだなって思いましたね。
人生を変えたのはやっぱり『EZ DO DANCE』小室さんがリズムトラックとちょっとしたコードだけ入れてて「これできっともうアンダーグラウンドじゃなくなるからね」ってふと言ったんですよ。歌も入ってないし何も入ってないから全然意味わかんなかったですね。でも25年経った今でも『EZ DO DANCE』を常にアップデートしていけるっていうところで言うと転機となった曲ですよね。
■小室サウンドとの出会い
大森:小室サウンドとの出会いは安室奈美恵さんの『a walk in the park』です。小学生の頃、歌詞を覚えたくて、レンタルショップで借りてきて歌詞を見て“リップクリームってなんだ?”みたいな“なんか可愛いんだろうな”とか“女性がセクシーなんだろうな”とかそういうイメージがあって、そういう背伸びと、女性がちょっと無理して声を出してる背伸び感。小室さんってちょっと無理のあるキーを歌わせるじゃないですか。それがセクシーでいいなぁって思ってました。小室さんきっかけで女性のシンガーが好きになって、歌うことが好きになって、歌うのを真似したいからとにかくメロディと歌詞を覚えてっていうのを一生懸命やってました。ピアノも習ってたんですけど、小室さんのメロディを弾くのが気持ち良かったです。
■寒い夜だから...
DJ KOO:それまで4つ打ち系の王道のダンスミュージックだったんだけど最初『寒い夜だから...』をスタジオで作ってるのを聴いたとき“あれ?これダンスミュージックじゃないかな?いままでと違うな”って感じだった。でもそれ以上に“わぁ良いメロディだなぁ”って思って、これを歌うYU-KIはヴォーカリストとして幸せだなぁって思った。
大森:わかります、この曲がいちばんヴォーカル乗りが良いんですよね。中でも。
DJ KOO:ただ、小室さんのレンジの無理なところを引き出していくところプラス、サビ始まりっていうところで、ライヴなんかでもパッと瞬間に入っていく、でも印象的だからこそ、そこを思いっきり表現しなくちゃいけないっていうとこでは結構大変な曲だったりも(笑)そこを承知でやってくれてるからこそ、そのひとの持ってる以上のものを引き出してくれるんじゃないかな。
■TKサウンドの魅力
大森:始まった瞬間の限界突破してる感。自分がパッと弾けないと歌えない感じ。そしてはじめから限界突破してるのに、さらに転調して上がっていくっていう“もっと限界突破しろ”みたいな“ギアを上げて生きていけ”みたいな感じが、自転車とか乗ってたらほんとにスピードが出そうな感じ。この頃から日本のポップスが16ビートとかになっていったと思うので、16ビートを取り入れたひとのひとりだし、J-POPをつくった人だと思ってます。
DJ KOO:アイドルに提供してる曲のメロディが凄いんですよ。アイドルだけ見てたらTKメロディとは思わないかも知れないんだけど、あとから聴いてみるとしっかりTKメロディになってるんです。そこが小室さんの凄いところだと思うんですよね。そしてキーボーディストなんだけど、キーボードでつくるようなメロディじゃないポップな部分を歌にもっていける移行の凄さがあるかなぁ。そして誰でも好きになれる、お茶の間の人たちを惹き付けられるメロディを作れるキーボーディストはなかなか居ないと思うんだよね。
まだまだ続く『小室哲哉』来週もお聞き逃しなく!
■この収録は大手町パークビル内 三菱地所 新オフィスで行なわれました。
PLAYLIST
EZ DO DANCE / TRF
a walk in the park / 安室奈美恵
GET WILD / TM NETWORK
寒い夜だから...
POSITIVE STRESS / 大森靖子
愛しのリナ / Missオレンジ・ショック
※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。