2018.08.18 ON AIR
【山下達郎】ゴスペラーズの黒沢薫さん、never young beach 阿南智史さん登場

今週のレジェンド・ミュージシャンは『山下達郎』ゲストにはゴスペラーズの黒沢薫さん、never young beach 阿南智史さんをお迎えしました。

■黒沢さんと山下達郎の出会い

黒沢:決定的にハマったのは高校一年生の時ですね。学校をサボって図書館に行ってたんですよ。そこの視聴覚室でCD聴き放題だったんです。そこで聴いてハマったのが達郎さんだったんです。“うわっなんだこれ!日本語で歌ってるのに英語の曲よりアメリカ”って思ったんですよ。洋楽よりも洋楽っぽい邦楽ってあるんだなって。おれの思ってたアメリカってココだったか!みたいなことですよね。うわ、キラキラしてる!カリフォルニアっていうか西海岸って感じ。とにかく聴き漁ってたんです。そこでアカペラというものもちゃんと認識したんですね。達郎さんが声だけで多重録音でON THE STREET CORNERシリーズを出してた。リッチでゴージャスな音だなって思ったんですよ。それで凄い聴いてたんです。だからその視聴覚室で達郎さんを聴いてなかったら僕はいまここに居ないですから。

■阿南さんと山下達郎の出会い

阿南:小さい頃から実家で母親が『COZY』ってアルバムを流してて聴いてたんです。そこから中高は割とロックだったり洋楽に傾倒して、高校卒業したぐらいに、父親の家が山奥にあって、山奥の凄い広い一軒家の一室にレコードを聴く専用の部屋があって、そこで初めて山下達郎さんの『FOR YOU』っていうアルバムをレコードで聴きまして、その時に衝撃を受けて、なんか目の前が凄い眩しいぐらいに光るみたいな。聴くたびに新しい発見があるというか、いろんなギミックが詰め込まれていて、何層にも音楽としての豊かさみたいなものが詰め込まれてて、一言では言い表せないというか。ぼくはリズムが一番好きなんですけど、グルーヴの出る音をちゃんと創るということに関して凄い長けてるし、いろんなところが見えてくるんですよね。聴くたびに。

■山下達郎のライヴ

黒沢:まずビックリしたのは音の躍動感が半端ない。そしてテレキャスのカッティング。いわゆるギターソロと違うんですよね。“ギターソロってそういうのだったっけ?”みたいな。どこまでストイック何だろうって思って。フォルムは変わらないのに。で、あのひと自体は踊らないんですよね。でも音がグルーヴを出してるから周りは踊ってるんですよ。音は踊ってるしCDと同じ音でくるので。声もあの声ですよ。中でも本編最後に「Your eyes」をアカペラで歌い出すんですよ。途中からコーラスだけが出てくる、もう鳥肌立つじゃないですか。そうすると間奏からサックスだけが入ってくるんです。で終わった後もコーラスの中帰っていくんですよね。達郎さんはもうコーラスがもうオーケストラなんですね。

■「黒沢薫が選ぶ、山下達郎のすごい多重録音曲」TOP3!

第3位「Your eyes」
ライヴの最後に聴いてコレでやられてしまいました。ひとりで多重してるがゆえの混じり合い方の独特さ、そこを最大限に活かしてる。コーラスだけでコード感から雰囲気から全部わかってしまう。

第2位「クリスマス・イブ」
たぶん多重コーラスがなかったらここまでウケなかったと思うんです。間奏のカノンのところですよね。最初聴いたとき衝撃で。それまでシンプルな曲で寂しげな曲だなぁってなった時に、あれが出てくるとスゲエでっかいクリスマスツリーが見えるじゃないですか。あれをあそこに入れ込もうと思ったという発想力だけでもうやられてるんですけど。カノンの部分のコーラスも重層的に使われてるんですね。その前もコーラスはあるんですけど、カノンが終わった後にまたテーマに戻ってくるんですけど、そこはコーラスが3層ぐらいになってるんです。あれねコーラスが抜けるともの凄い寂しい曲なんですよ。あのコーラスがクリスマス感。冬はハーモニーだねっていうのは達郎さんが作ったに近いと思います。

第1位「Alone」
すみません、僕の話になるんですけど、高校一年の時に不登校気味になったけど一応行って、つまんねえなって思ってたんですけど、高校三年のときに村上てつやという男が居たんですよ。その人が下駄箱んとこで“ねえねえこれ歌える?黒沢はハモりができるって聞いたから”って。で一緒に歌って“お、やれるじゃん!じゃあアカペラ一緒にやろうよ”って言ったのがゴスペラーズのスタートなんです。その曲がこの『Alone』それを学園祭の後夜祭みたいなのに出て歌ったんです。体育館で『Alone』の最初の部分をハモったときの“うぉー”っていう歓声が未だに僕が受けた人生の中でいちばん凄い歓声です。

まだまだ続く『山下達郎』
来週は阿南智史さんが選ぶ「山下達郎のすごいギターカッティング曲 TOP3」をお送りします。お楽しみに!


■この収録は「丸ビル コンファレンススクエアGlass Room」で行なわれました。

PLAYLIST

パレード / 山下達郎

LOVE TALKIN’(HONEY IT’S YOU)/ 山下達郎

RIDE ON TIME / 山下達郎

クリスマス・イブ / 山下達郎

海辺の町へ / never young beach

ALONE / 山下達郎


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

次回は『山下達郎』のPart2。ゲストには引き続きゴスペラーズの黒沢 薫さん、never young beachの阿南智史さんをお迎えします。お聞き逃しなく!