今週のレジェンドミュージシャンは、『The Eagles』のPart2。ゲストには引き続き音楽評論家の萩原健太さん、音楽プロデューサーの多保孝一さんをお迎えしました。
■イーグルスのライヴ
-初めて観たのは?
萩原:僕は初来日ですね。1976年かな?武道館です。バーニー・レドンが抜けてジョー・ウォルシュが入ったラインナップで来たんですよ。『呪われた夜』が出た頃ですね。だからバーニー・レドンのカントリーロック的な、乾いた普通のエレクトリック・ギターでスチールギターみたいなフレーズを弾くっていうあれが大好きだったんで、ジョー・ウォルシュじゃ無理だろうと思ってね。観てたら、1曲目の「Take It Easy」でガーンって弾いた瞬間に“弾けてんじゃん!全部出来てんじゃん!」って(笑)もう素晴らしいと思って。でも何よりもね、後ろにドラムのドン・ヘンリーが1人居るんだけど、あとはね、舞台のフロントギリギリの所に等間隔で4つマイクが並んでて、そこに4人ズラリって並んでるんですよ。そこがね、先週も話した彼らの仲の悪さの逆の出かたなんだけど、みんなの力関係っていうのを同じにしないといけない訳ですよ、見え方が。”なんでオレがアイツより後ろなんだ“ってなるから(笑)もう仲悪い。
多保:僕は実は結構最近で、2011年の来日、ドームですね。それまでDVDとかいろいろ観て、凄いのは想像してる訳じゃないですか。だけど、その想像を遥かに超えてきたのはコーラスのハーモニーの素晴らしさ。そこにいちばん感動して、これぐらい各人が歌えないと、こういうコーラスのサウンドにはならないんだ。っていう勉強になったんですよ。いわゆるテンションみたいなのを入れたりとか、ティモシーとかも歌上手いんだなぁって思ったり。みんな歌上手いんだって。圧が凄い。本当にびっくりして衝撃でしたね。
萩原:彼らほぼ全開でしょ、静かな曲で、つい日本人だと声のヴォリュームを抑えて歌いがちだけど、彼らは全開でやってソフトなニュアンスとか優しい感じとかを出せる。出音はデカいからあれが良いんですよ。
■多保孝一が選ぶ「ギターでカバーしたい!カバーすると楽しいイーグルス曲TOP3」
3位「James Dean」
初期メンバーならではの、ちょっとカントリーっぽい良い意味で軽さがあるギターサウンドですかね。曲のラストにツインリードのギターのハモりが入ってるんですけど、あんまハモれてないんですよ(笑)良い意味でのラフさ。ノリでやっちゃったみたいな。それがいい感じがしますね。
2位:「Life In The fast Lane」
やっぱこれはリフですね。イントロはちょっと拍を跨ぐっていうかアクセントがズレてるみたいな。これはこういうのを練習して、拍がズレてもちゃんとリズム取りなさいよっていう(笑)
1位:「Hotel California」
やっぱりこのギターソロじゃないですかね。これに尽きます。緻密さとそれぞれのギタープレイヤーの個性もちゃんと生きてるし、でも最後で重なってドラマチックに終わる。そういうところですかね。
■キャッチコピー
多保孝一さんの「イーグルスとは…アメリカンロックのひとつの到達点」である。
ブルースとかソウルとかカントリーとか、いわゆるアメリカン・ルーツミュージックを当時のポピュラーミュージックに落とし込んで、それを本当に大衆に向けて、最高の状態に混ぜて、進化させて創り上げて到達させたっていうバンドじゃないですかね。
萩原健太さんの「イーグルスとは…ハーモニー」である。
いろんな意味でね、すべてが解け合ってるだけがハーモニーじゃないじゃないですか。不協も含めてハーモニーですよ。彼らは仲が悪いってさんざん話してますけど、人間関係とかも含めた人生のハーモニーみたいなのがね、イーグルスを見てるとそのドラマの中に見えてくる感じがするんですよね。
最後の一曲は「Best of My Love」でした。
■この収録は大手町にあります次世代オフィス「3×3 Lab Future」で行なわれました。
PLAYLIST
Take It To The Limit (Live Millennium Concert Version) / The Eagles
Desperado / The Eagles
Lyin' Eyes / The Eagles
James Dean / The Eagles
Tequila Sunrise / The Eagles
Best of My Love / The Eagles
※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。