今週は『THE BLUE HEARTS』のPart2。ゲストには、引き続き ザ・スターベムズ 日高央さん、Hermann H.&The Pacemakers 岡本洋平さんをお迎えしました。
■ブルーハーツの歌詞
日高:やっぱヒロトさんの歌詞はロマンティック寄りだよね。もちろんストレートに嫌味な事を言うこともあるし、メッセージ性が強い事もあるけど、ひとつ言えるのは愚直なまでにストレートだよね。80年代って結構リベラルな時代だったと思ってて、今よりもアーティストがメッセージとか政治的なことをバンバン言ってもコンプライアンス的な事は一切無かった。そんな中のブルーハーツは逆にインタビューとかでは本当の事を全然言わないくせに、歌詞ではやたらストレートに言うみたいなスタイルにカッコイイなって思ってて、『NO NO NO』なんか戦争批判と取っても全然良い歌詞な訳じゃないですか。こういう事をちゃんと子供でも分かる言葉で歌うって逆に凄いなって。ヒロトさんてオレの中では“質の高い絵本”みたいなイメージ。
岡本:「戦闘機が買えるぐらいのはした金ならいらない」ってね、決め台詞がカッコイイ。常に曲のどこかに忘れられない言葉がある。僕は『リンダ リンダ』。最後の大サビみたいなところなんですが「愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない 決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ」っていう、この「決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ」ってなんだか解んないけど、確かに持ってる気がするんだよね。例えば僕にも家族が居たりとか、仲間が居たりとかする時に、もはや愛なのか恋なのかなんだかわからない。けど、決して負けない強い力を一つだけは持ってる気がする。こんなの小学生レベルの言葉じゃないですか、愛だの恋だの君だの負けないだの、なのに凄い。
日高:発明だよね。リンダって女性に対して歌ってるのかどうかもわからない。しかも歌い出しがドブネズミだしね。そうやって考えるともう発明。ストレートに見せてるけど、すごく寓話的なことをちゃんと歌うっていうのは。
■Hermann H. & The Pacemakers でTHE BLUE HEARTS をカバーするなら?
岡本洋平が選ぶTOP3!
3位:チェインギャング
自分がアレンジしたら、凄いシンプルなアコースティックとか、ピアノとかかなぁ。
メロディと言葉を際立たせたい。
2位:キスしてほしい
この曲って真夜中の公園だったり、真夜中の遊園地みたいなイメージがあって、そういう音にしたい。この世の話じゃ無いみたいな。サーカスのような感じって言うのかなぁ。ちょっとラテンぽかったりとかね。
1位:ナビゲーター
やっぱ言葉が好きで「錨は二度と降ろさない」って歌詞があって、おぉーロックバンドだ!そうだよ!って。錨を降ろすって事は止まるってこと。オレ等ももう20年こんなことをやり続けてるわけで。子供の頃はあんまわかんなかったけど、今になってその言葉が、あの時からそんなこと言ってんだって、なんか沁みます。
■ブルーハーツが残したもの
日高:多様化した音楽シーンにもう一度シンプルさを取り戻した。日本におけるラモーンズ的な立ち位置はやっぱり強烈だったなぁと思いますね。発明だよね、未だにこのスタイルをやる若者はぜんぜん居るもんね。
岡本:ブルーハーツはやさしい。昔はロックバンドって怖い人たちとか、よくわからない人たちとかって思われてた中に、ふっとそよ風みたいな優しさが、あの荒々しいサウンドの中にあって、その後、未だにそんなロックバンドがたくさん出てきてる。本当に日本のロックを優しくしてくれたなって思います。
■キャッチコピー
日高央さんの「THE BLUE HEARTS」とは…『シンプルなロックンロールという発明である』
80年代半ばにあらためてロックンロールを再定義したのがブルーハーツだったなと。
岡本洋平さんの「THE BLUE HEARTS」とは…『三日月である』
ブルーハーツって夜のキレイな月と星がいつも出てくるのね。真っ暗なんだけど、ポツンと夜空に輝いている三日月みたいな存在かな。
最後は『Train Train』で2週に渡る『THE BLUE HEARTS』は締めくくられました。
■この収録は「丸ビル コンファレンススクエアGlass Room」で行なわれました。
PLAYLIST
未来は僕らの手の中 / THE BLUE HEARTS
ラブレター / THE BLUE HEARTS
NO NO NO / THE BLUE HEARTS
ナビゲーター / THE BLUE HEARTS
Wolfman / THE STARBEMS
TRAIN TRAIN / THE BLUE HEARTS
※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。
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■Hermann H.&The Pacemakersの詳しい情報はオフィシャルサイトへ