今週のレジェンドは、ライブドキュメンタリーも話題の歌姫『ビヨンセ』ゲストには、音楽プロデューサー STYさん、R&Bシンガー RIRIさんをお迎えしました。
■ビヨンセとの出会い
STY:大学生の19才の頃に、デスティニーチャイルドのセカンドアルバムが発売されまして、その頃、よくクラブとかでよく遊んでて、このアルバムからの曲がすごい流れてて、DJの人に“この曲何ですか?”って聞きまくって、先にクラブで何回も聴いて覚えちゃってから買ったって感じです。
グローバー:この曲なんですか?って聞きたくなったポイントは何だったんですか?
STY:踊りやすい曲がすごい好きなんで「Jumpin’ Jumpin’」とか、こういう曲って今まであんまり聴いたことなかったって感じだったので、楽しくて(笑)
グローバー:踊ってて感じる新しさってどこだったんでしょうね?
STY:やっぱり家で聴いてる感覚と、クラブに行ってみんなで楽しみながら聴いてるときの感覚って同じ音楽でも全然違ったりして“こうやって聴く音楽の世界観ってあるんだな”って思って、特にこのセカンドアルバムの曲はそういう曲が多かった。当時、ヒップホップが流行ってたんですけど、歌モノでみんなで踊るみたいな曲ってダンスクラシック以外あんまり無かった。しかもポップでキャッチーだったので大好きでした。ビヨンセって踊りながら歌うっていう曲がすごく好きなんですけど「Single Ladies」とか「Run The World」とかヴォーカルだけで引っ張っていく曲って、並のシンガーでは不可能だと思っていて、そのスタイルを最初にやった曲が『Get Me Bodied』。この曲を最初に聴いたとき“こんな曲が成立するひと他に居ないな”って思って衝撃的だったんですよね。
グローバー:RIRIさんはまだ19才です、好きになったのはいつ?覚えてます?
RIRI:母が洋楽が大好きで、特にR&Bが好きで家でよく流してたらしくて、そのうちに私もデスチャが大好きになって、本当に小さい頃からずっと聴いてた感じだったので、ここで好きになったっていうハッキリとした記憶は無いですね。でも母から聞いた話しで、保育園に行ってたとき、アンパンマンとかを流してみんなで歌うじゃないですか、その時“これじゃない!”ってめっちゃ否定してたらしくて(笑)それで保育園の先生から“なに聞かせてるんですか?”って母が聞かれたらしくて“もしかしたらコレかも知れません”ってデスチャのCDを渡したら“絶対コレだ!”って言われて、すごく話しが盛り上がったらしいです(笑)
グローバー:改めて物心がついて好きだなって思った瞬間、記憶ありますか?
RIRI:最初に「I Am World Tour」のライヴ映像を観た時、どハマりして一年ぐらいそのCDとかDVDをずっと流しまくっていて、全部完コピできるぐらい大好きです。ライヴだと最前列の20人ぐらいが倒れちゃうのでレスキューを用意してるらしいんですね、それほど凄いエネルギーというかそういうものがあるんだなって感じて、本当にやばいですね。
グローバー:STYさん、いちばん聴いたアルバムは?
STY:「Dangerously in Love」がエピックって感じのアルバムだなって思うんですけど、ほんとすべての曲のクオリティが高いし、それまでにやったことのないような挑戦的な曲が多いというのと、今みたいな黒人女性としての“インディペンデント・ウーマン”みたいな感じをあんまり出してなくて、ちゃんとポップスとしても耐久力があるっていうところも、よく考えられて練られたアルバムだなって思います。デスティニーズ・チャイルドは黒人文化っていうフォーマットの中でR&B,ヒップホップをやってたけど、ビヨンセになってからは一般の人、白人の若い子たちとかも聴けるようなポップスとしても素晴らしいものに仕上がっているなって思います。
グローバー:「Dangerously in Love」以降、世界中の音楽のサウンドプロダクションもどんどん移り変わってきましたけど、ビヨンセが波に消されず飲まれず,ずっと居るっていうのはどこなんでしょうね?
STY:2010年前後ってEDMが凄く流行って、R&Bのアーティストもそっちに寄っちゃった人も結構多く居た中、ビヨンセはそういうことを安易にやらずに自分のスタイルを大事にしてるところに音楽的な説得力があるなって思いますし、そこに魅力があると思います。トレンドを意識しないことが彼女の個性になってる、カッコいいなって思います。
グローバー:RIRIさんも影響はもらってますか?
RIRI:かなり貰っていて、特にライヴのパフォーマンスの時のアレンジだったりとか、彼女にしかない世界観を音で創り出すのが素晴らしくて、ダンスとか歌声、音、映像すべてがパーフェクトで、自分がお客さんから観られたときにどう見えるかっていうのを凄く解ってる。そういうセルフプロデュースも素晴らしいビヨンセのポイントだなって感じますね。
■「大ヒットメイカー STYが選ぶ、ビヨンセの神トラックTOP3!!」
3位 Halo
マイケル・ジャクソンのトリビュートで歌ってたんですけど、映像も本人も曲も後光がもう“ファー”って射してて、なんかもう立ってるだけで人類の宝みたいな(笑)凄すぎてちょっと感動しちゃったんですね。サウンドに後光が見えたのは初めてです!サウンドも細かく分解して聴いてるんですけど、凄く空間を感じるなっていう意味で後光を感じたなっていう。
2位:Get Me Bodied
トラックがドラムと男に人の声だけ、そこにビヨンセのヴォーカルが乗っていくスタイルに度肝を抜かれました。コーラスとかハーモニーも全部自分でやっていて、そこで展開を作っていくという他のシンガーには絶対に真似できない唯一無二の個性。 本人もソングライティングに参加してるらしく、それも凄く才能を感じて素晴らしいなと思いました。
1位:Sorry
信じられないほど緩いトラックが最高にクール、ビヨンセの声じゃないと、このトラックでこの曲は成立しません!トラックと歌が合わさって初めて完成していく世界観っていうのが素敵だなぁって思いました。
グローバー:とにかく今まで聴いた事のないものを聴かせてくれるというのがビヨンセですね。
STY:醍醐味ですね。
まだまだ続く、レジェンド『ビヨンセ』来週もお楽しみに!
※この収録は大手町パークビル内、三菱地所の新オフィスで行なわれました。
PLAYLIST
Get Me Bodied / Beyoncé
Crazy In Love / Beyoncé
Love On Top / Beyoncé
Be With You / Beyoncé
Summertime / RIRI, KEIJU, 小袋成彬
Sorry / Beyoncé
※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。
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