今週のレジェンドは、HIP HOPレジェンド、Beastie Boys!! ゲストにはRIP SLYME / TERIYAKI BOYZのRYO-Zさん、餓鬼レンジャーのポチョムキンさんをお迎えしました。
■Beastie Boysとの出会い
RYO-Z:僕ね、結構後発なんですよ。意識して聴いたのは『ill communication』。中学から高校に行くときに、いわゆるバンドのギター音をギャンギャン聴いてるのから、いきなりヒップ・ホップにいったから“ギターの音はもうわかった!”って感じる時期があって、ちょっと距離を置きたいなって(笑)最初ちょっと避けてた。でも周りの環境にはあるからさ、パーティに行くとちょっとやんちゃなお兄さんたちは「Fight For Your Right」で大暴れみたいな時期で、耳にはもちろん入ってきてた。
グローバー:そこからよく戻りましたね。
RYO-Z:でもビースティはバッチリなヒップ・ホップをやるから。で『ill communication』の「Get It Together」とかを聴いたときに“うぉ、バリバリヒップ・ホップやるじゃん!”で、カッコイイっていうね。「Get It Together」で言えばQ-Tipがいきなりラップ始めるっていうところもデカイんですよ。
グローバー:Q-Tipが居てくれると何かあるんですか?
RYO-Z:ま、神ですからね(笑)この頃の。そこにしっかりビースティが絡んでくるっていうところがね“あっ、もう間違い無えぞ”っていう風になっていったイメージかな、俺は。
グローバー:そうすると、いちばん好きだなって曲は?
RYO-Z:俺はやっぱヒップホップ軸で、ビースティにコレをやられて“うわ、それ僕らとかがやるべきことだな”って思うようなことを真っ先にやられたのが「Three MC's and One DJ」。あれがねぇ、ターンテーブルのセットがあるのみの、あんな低予算のビデオで(笑)
ポチョムキン:あれも潔くてカッコイイんですよね。
グローバー:ポチョムキンさんは年代で言うとRYO-Zさんの2コ後輩、ビースティボーイズとの出会いどんな感じでした?
ポチョムキン:10代だったと思いますね。でもRYO-Zくんと近くて、自分でラップグループ始めた頃に『ill communication』が出たんですよ。それまではどっちかって言うとミクスチャーとか聴いてる中のひとつみたいな感じで聴いてたんですよ、ミクスチャーロックみたいな感じで。だから、よりヒップホップとして参考にしたり、憧れる存在になったのは『ill communication』とかを聴き始めてって感じだったと思うんですよね。
グローバー:自分でやるようになって、聴こえ方は変わりましたか?
ポチョムキン:そうですね、で、当時は曲だけじゃなくて雑誌作ったり、服作ったり、そういうカルチャー全般がお手本になるっていうか、全部カッコイイ、憧れる感じだったので。
グローバー:センスとか色んなものがちょっと抜けてた感じがあったんですね。
ポチョムキン:やんちゃな感じとかも、ギャングスター的な悪さよりは自分にFeelできたっていうか、格好も含めてちょっと憧れやすかった。
RYO-Z:うん、“悪”じゃなくて、“悪ガキ”な感じが凄いイイ。でもどこからも愛されてるもんね。ヒップホップからもロック、パンクシーンからもミクスチャーからも。
グローバー:何なんでしょうね、その架け橋になってるところは。
ポチョムキン:ヒップホップサイドで言うと、さっきの「Three MC's and One DJ」もそうなんですけど、そういうマナーにちゃんとバシッと沿ってくるときがあるっていうか。
RYO-Z:そうなの、いきなり投げてくんのそういうのを。
ポチョムキン:で、DJもちゃんと超フィーチャーした見せ場もあって、そこが多分やられた要素のひとつではあると思いますね。
グローバー:真面目に音楽は聴いてるんでしょうね?
RYO-Z:どうかなぁ(笑)そのときに好きなことを、ほんと好きだから忠実にやっちゃうみたいなイメージだけどね。
ポチョムキン:たしかに。“好きなもの全部入れ込んじゃっていいんだ”みたいな。
RYO-Z:パンクバンドの一面もあるにも関わらず、ど真ん中のヒップホップとかやってきちゃうから、“やりたくてやってんだな”って伝わってくる。アルバムも結構、ひっちゃかめっちゃかなイメージだから。
■RYO-Zが選ぶ「BEASTIE BOYSのヤンチャ度MAX曲」TOP3!
RYO-Z:3位:Soba Violence
これね、「Beastie Boys Anthology」にも入ってて、ライナーノーツに書いてあったんだけど、これ、渋谷の富士そばでの出来事をMCAが曲にしたらしいよ(笑)クラブの帰りかわかんないけど富士そば食ってたら、隣のおじさんが暴れ出したんだって。「Soba Violence」と思ったって(笑)
ポチョムキン:そのオヤジがいちばんやんちゃなんですけどね。
RYO-Z:そう!そこを見逃さなかったんだよ(笑)
ポチョムキン:ネーミングがやっぱ素晴らしいですよね。
RYO-Z:ね!
グローバー:第2位は!
RYO-Z:2位:Body Movin' (Fatboy Slim Remix)
もうこれは言わずもがなの、いわゆるクラブヒットっていう感じですよね。どんな局面でもこれでとにかくブチ上がるっていうね。アンセムですよね。オリジナルの「Body Movin'」も凄い好きなんだけど、ここでFatboy Slimを起用して、そこでも軽快に余裕しゃくしゃくとできてしまう、ハマってしまうビースティ、それはもうとんでもない。
グローバー:ヤンチャ度MAXナンバーワンは!
RYO-Z:コレしかないです、「Fight for Your Right!」完全にMAXですよ。
これはクラブシーンだけではない。いわゆるロック畑やフェスみたいなところでも、どこでもみんな大騒ぎ。クラブでモッシュを作ったのは彼らじゃん。みんながやんちゃになっちゃう曲。
まだまだ続くレジェンド『Beastie Boys』来週もRIP SLYME / TERIYAKI BOYZのRYO-Zさん、餓鬼レンジャー ポチョムキンさんを迎えてお送りします。お楽しみに!
※この収録は大手町パークビル内、三菱地所の新オフィスで行なわれました。
PLAYLIST
Three MC's and One DJ / Beastie Boys
Shake Your Rump / Beastie Boys
Get It Together / Beastie Boys
Sabotage / Beastie Boys
キューバ・リブレ (feat. Mummy-D, RYO-Z, LIBRO & DABO) / 餓鬼レンジャー
Fight For Your Right / Beastie Boys
※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。