今週のレジェンドは、今年の夏、再結成を果たしたジャパニーズ・ロックバンド、NUMBER GIRL!ゲストには川谷絵音さん、佐藤千亜妃さんをお迎えしました。
8年ぐらい前にライブハウスで対バンしたとき、それぞれ“どんな音楽に影響受けたの?”みたいな話になって“ナンバーガール好きで”みたいな流れになったというお二人。
■再結成と聞いてどうでした?
川谷:ギターロックみたいなのってほとんど無くなってきてるから、ナンバーガールが復活したことによって、聴いたことのない世代の人たちに聴いてもらえるっていうのはすごくいいなって勝手に思ってます。僕らもリアルタイムじゃなかったから、やっと観れるのかなとか思うとテンション上がりましたね。
佐藤:ライヴ音源というのはありますけど、あの疾走感というか音のうごめきみたいなのって音源だと限界があるというか、やっぱ生で観る音圧とか体感しないとわからないだろうなと思うと、自分はすごいナンバーガールいっぱい聴いたし、好きだし、コピーもしたし、知った気でいるけど、多分8割知れてないというか、本当にライヴを観たことがあるひとに比べたら魅力を全部知ってるわけじゃないんだなって思うと、ライヴ観たいですよね、どうしても。
■ナンバーガールとの出会い
川谷:大学生のとき、先輩がコピーバンドをやってるのを観たのが初めてだったんで、ナンバーガールというよりコピーバンドを観たのが最初だと思うんですけど、“歌詞やべえな、めっちゃ福岡弁だな”と思って、先輩のオリジナルなのかな?って最初思ったんですけど、「ナンバーガール」っていうバンドが居るって知って、そこからですね。で、ライヴ映像とか観てめっちゃカッコイイなって思って聴き始めて、自分でもコピーバンドやって。ちょっと演歌っぽいなって思って。僕、もともと五島列島で小さい頃からおじいちゃん、おばあちゃんに演歌ばっかり聴かされてたんですよ。だからなんか懐かしいなって。新しいけど懐かしいみたいな。コテコテの和の音階とかってあんま好きじゃ無いんだけど、ナンバーガールだとなんか良い。そこが不思議だった。
グローバー:佐藤さんは初めて聴いたとき覚えてます?
佐藤:高校3年生の時、友達から「OMOIDE IN MY HEAD」をイヤホンで聴かせてもらって、その時はなぜかあまりハマらなくてですね、ちょっと時間が経った時にまた同じ友達に今度は動画を見せられたんですよ。それが「TATOOあり」の田淵ひさ子さんのギターソロのライヴシーンを切り貼りした動画で “なんてカッコイイ音を鳴らす女性ギタリストが居るんだ!”って、そこからハマって。「TATOOあり」を聴いてるうちに他の曲も後から良さが分かったりとかっていう感じで、入り口は田渕ひさ子さんのバイオレンスなギターに惹かれて聴き始めました。
■ナンバーガールのサウンドの凄さ、魅力
川谷:あれ以降ナンバーガールみたいな“ギターめっちゃカッコイイな”ってバンド無いですよね。しかも解散して活動してない間にリスナーが増えていったバンドってあんま居ないんじゃないかなって。
佐藤:それぞれのキャラクターが面白いじゃないですか。あれがこだわって作ってるのか、自然発生的なものなのかって怪しいなって思ってて、それぞれ天然で出した音がたまたま噛み合っちゃって、それがムーヴメントになっただけのような気もしていて、それをすり合わせる作業はしたかも知れないですけど、たまたま天然の人がそれぞれやったら、ああなっちゃったって方がバンド的に尊いのかなって思ってて、そのマジックがあるバンドなのかなって勝手に思ってるんですけど。
■「向井さんのリリックとか世界観が何十年も変わってない」という丸の内の街の声を聞いて。
川谷:これ凄いことだと思うんですよ。バンドとか何年もやってたりとか違うバンドを始めたりとかしてると色々やりたくなってくるじゃないですか。音楽性が変わったり、歌詞の世界観が変わったりとか、普通だと思うんですけど、向井さんは一貫して同じというか、このひとずっと同じこと言ってるなっていうのが凄い。そう思われるのも嫌だとか思うけど、向井さんはそれが無いですね。
佐藤:焦燥感みたいな歌詞をずっと書き続けられるっていうのも凄いと思いますよね。
■ナンバーガールからの影響
川谷:“念仏ロック”みたいに言われてたじゃないですか。ラップでもないし、語りでもないみたいなのって僕、凄い影響を受けてて、ゲスの極み乙女が最初始まった時のラップでもないし語りでもないみたいなのはナンバーガールから影響で、それをゼロから造ったっていうのは凄いなぁって。
■キャッチコピー
佐藤:ナンバーガールとは「焦燥と文学」
もちろん焦燥感はあって、私の中で“青いバンド”っていうイメージがある。そしてこのバンドは言葉が文学というのもありつつ、音が文学的だと思っていて、俗っぽくないんですよ。純文学に近いものが音楽の中にあるのだとしたらナンバーガールがそれに近いのかなという意味で付けました。
川谷:ナンバーガールとは「ステーキ」である。
もうこれさっき佐藤が言ってた”向井さんステーキ食ってんだ”が頭の中で凄くて(笑)もうステーキしか思い浮かばなくて、、。上手いこと言おうとすると、ステーキは焼き加減がいっぱいあるじゃないですか(笑)ナンバーガールってどの焼き加減でも旨いじゃないですか、曲調もいろいろあるじゃないですか、どれもナンバーガールなんで、ステーキもどんな焼き方してもステーキじゃないですか。言ってるオレが恥ずかしいんですけど(笑)
佐藤:グローバー:あははは(笑)
ラストは「透明少女」で締めくくられました。
川谷さんのキャッチコピー「ステーキ」の理由について聴き逃した方は右のタイムフリーボタンからお聴きください!
※この収録は大手町パークビル内、三菱地所の新オフィスで行なわれました。
PLAYLIST
TOMBO THE ELECTRIC BLOOD RED / NUMBER GIRL
TATOOあり/ NUMBER GIRL
ZEGEN VS UNDERCOVER / NUMBER GIRL
NUM-AMI-DABUTZ / NUMBER GIRL
OMOIDE IN MY HEAD / NUMBER GIRL
透明少女 / NUMBER GIRL
※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
※川谷絵音さんのゲスの極み乙女、最新デジタルシングル「透明な嵐」リリース中!
indigo la End New Album『濡れゆく私小説』より「結び様」先行配信リリース中!
※佐藤千亜妃さんは9月8日、渋谷LUSHにて、SuiseiNoboAzとのツーマンライブ!
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