2019.08.10 ON AIR
【Blue Note Records】Kyoto Jazz Massive沖野修也さん、ジャズ・ドラマー石若駿さん登場!

今週はスペシャル・エディション!
今年、創立80周年を迎えた、老舗ジャズ・レーベル『Blue Note Records』がテーマ。ゲストにはKyoto Jazz Massive沖野修也さん、ジャズ・ドラマー石若駿さんをお迎えしました。

■初めてレーベルとして、ブルーノートを意識したのはいつだったか、覚えていらっしゃいますか?

沖野:初めて買ったジャズのレコードがアート・ブレイキーの『モーニン』とリー・モーガンの『サイドワインダー』だったんです。その時、共にブルーノートだったんで、“あ、これは同じ会社から出てるんだ”っていう風に意識しました。僕、グラフィックデザインも好きなんで、『モーニン』と『サイドワインダー』のジャケットを並べて部屋に飾ってたのをよく覚えてます。
グローバー:ブルーノートの音に触れてみてどうでしたか?
沖野:今、振り返ってみると良く解ってなかったなと。でも大人の気分。僕多分15才だったんですが、その時に覚えてるのが、歌が入ってないじゃないですか。だから演奏するミュージシャンのパワーっていうかエネルギーっていうかね、そういうのをぶつけられたような、そんな感動がありました。
グローバー:いきなりハマりました?
沖野:そうですね、僕、実はイエローマジックオーケストラで音楽に目覚めて、そこから普通ディーヴォとかテクノ方面にいく人多いんですけど、僕、なんとイエローマジックオーケストラをフュージョンのバンドと勘違いしまして、そこから日野さん、渡辺貞夫さん、マイルス・デイビス、チャーリー・パーカーみたいに徐々にジャズにスライドしていったんで、ホント違和感なく馴染むことができました。

グローバー:まだまだお若い27才の石若さんですが、ブルーノートとの出会いっていうのは、いつ?何歳?

石若:僕がジャズに出会ったのは小学校の4年生とかなんですけど、地元札幌に小学生を対象としたジャズのビッグバンドがあって、そこに入ることになってドラムをやって、そのバンドでいろんなジャズフェスティバルとかに出させてもらったり、ライブを観に行ったりっていう中でジャズにどんどん惹かれていって、そうすると、どんどんジャズのことが知りたくなって、雑誌なんかも積極的に買ったりなんかして。で、そこで見つけた“これ絶対聴かなきゃ行けないな”って自分で思ったものを、お小遣いで買ってたのが最初ですかね。その中で出会ったのがアート・ブレイキーの『チュニジアの夜』っていうアルバムなんですけど、かけた瞬間もう“うわっ!”ってなりましたね。“バン!”って打った時の破裂音っていうんですか、それが気持ちいいなぁて思って。自分でも当時、生のドラム叩いてたりしても、こういう音なかなか出せないなって思って。
グローバー:特に好きなブルーノート作品セレクトするとしたら何でしょう?
石若:ハービーハンコックの『maiden voyage』というアルバムですね。ジャケットの印象の景色がそのままイメージできるような音って感じですかね。独特な雰囲気を纏ってるアルバムだと思います。

■お二人にとってブルーノートというレーベルは、どんな存在なんでしょうか?

沖野:僕やっぱりDJなんで、もちろんアーティストをリスペクトした事を前提になんですけれども、“この曲、使える”とか“この曲は耐久性がある”みたいな、そういう意味で見てもジャズレーベルの最高峰にして名曲の宝庫かなと。あくまでミュージシャンをリスペクトした上で、ですけどね。
グローバー:DJとして聴くポイントって普通のリスナーとは違うと思うんですが。
沖野:そうですね、実はどの時代を切っても、すごい先鋭的な事をやってるんです。それはレーベルができた時から今まで。尚且つハイブリッド。従来のジャズとクラシックだったりとか、ソウルミュージックとジャズだったり。70年代にはそこにロックとかファンクとかブラジリアンとか入ってきて。そのハイブリッドなところにすごく惹かれますね。

グローバー:石若さんにとってはどうですか?
石若:神聖で荘厳な神社やお寺のような存在っていう風に思いますね。
沖野:わかる!拝みたくなる。
石若:そうですね、パワースポットであって、いつでもお参りしに行って“ありがとうございます!』っていう気分ですよね。

■「DJ沖野修也が選ぶ、クラブでも盛り上がるブルーノートナンバー」TOP3!

3位:ボビー・ハッチャーソン「Yuyo」
ラテンのリズムで曲自体がダンサブルなんですよ。あとはジャザノヴァっていうドイツのDJチームがコンピレーションに入れた事もあって幅広い人たちに認知されてるっていう、その2つの理由ですね。しかもこのノリですから、これで盛り上がらないわけがない。

2位:グラント・グリーン「Let The Music Take Your Mind」
いわゆるジャズファンだけでなく、ソウルとかファンクが好きな人の間で認知が高いんですよ。しかも、グラント・グリーンはギタリストなんですけど、ホーンのフレーズだけで人の気持ちをアゲるパワーがあるんで、これかけて外したことないですね。それぐらい強力で人気のある曲です。

1位:ハンク・モブレー「Ricade Bossa Nova」
コレしかない!ロンドンのジャズシーンでも聖典と呼ばれています。80年代の中期にジャズで踊るっていうムーヴメントが起こったって言われてるんですけど、そのロンドンのジャズシーンの中でもこの曲が火付け役みたいに言われてるんです。タイトルがボサノヴァなんでボサノヴァかと思いきや、ちょっとラテンのリズムが入ってたりとか、もちろんジャズなんで、そのなんとも摩訶不思議なグルーヴ感というか、ダンスミュージックとしても好きですけど、ある意味ジャズをダンスフロアに持ち込んだ、そこにはDJが居たんですけど、そういう意味で非常に重要な一曲だと認識しています。

まだまだ続くスペシャル・エディション『Blue Note Records』来週もお楽しみに!

PLAYLIST

Lee Morgan / The Sidewinder

Maiden Voyage / Herbie Hancock

Speak No Evil / Wayne Shorter

Butterfly/Robert Glasper Experiment

TOKYO featuring ermhoi / Answer to Remember

Recado Bossa Nova / Hank Mobley


※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。

■沖野修也さんの情報はオフィシャルサイト
■石若駿さんの情報はオフィシャルサイト

次回もスペシャル・エディション!『ブルーノート・レコード』Part2!ゲストには引き続きKyoto Jazz Massive 沖野修也さん、ジャズドラマー 石若駿さんをお迎えします。お聴き逃しなく!