今週はスペシャル・エディション!『Blue Note Records』のPart2!ゲストには引き続きKyoto Jazz Massive沖野修也さん、ジャズ・ドラマー石若駿さんをお迎えしました。
■ジャズといえば、ライブセッションも大きな魅力の1つ!もちろん、ブルーノート・レコードのアーカイブにも、素晴らしいライブ録音がたくさん残されています。ブルーノート作品から『ライブ録音』にこだわって名盤を選ぶなら?
沖野:まずはマリーナ・ショウの『Live At Montreux』(1973)。ブルーノート
は色々とモントルージャズフェスティバルの音源を出してるんですが、その中でもいちばん好きなのがこれです。ライヴならではのアドリブ感。マリーナショウの脱線具合がめちゃくちゃリアルなんです(笑)全部さらけ出して、しかもそれを全部録音して。聴くともうその会場に居るみたいな。演奏もいいんですけど、なんかちょっと可愛かったり、面白かったり、マリーナショウの人柄が出ているという意味でも大好きなライブアルバムです。
グローバー:また音もいいんだよなー、他にもありますか?
沖野:オルガン奏者ロニー・スミスの『Move Your Hand』(1969)なんですけども、何回DJでかけたかわかんないですね。僕ね、ライブ盤が好きで、自分の1セット全部ライブ音源で構成することもあるんですが、よくこの曲で始めました。スローでグルーヴィーで、そこから掴んでアゲていくぞ、みたいな。そういうセットにはピッタリなんです。
グローバー:石若さんは自らが叩いて叩いて、いろんなセッション、ライブやってきてフロアも見てきて、改めてブルーノートのライブ録音、これが最高だなというのは何ですか?
石若:リーモーガンの『Live at the Lighthouse』(1970)です。これはミュージシャンみんなのテンションが最初から最後までもの凄く高いんですよね、もう凄いです。特にこのアルバムの中で好きな曲が『The Beehive』っていう曲なんですけど、プレイヤーがみんなアドリブソロをしてて、楽器ごとに凄いバトンを渡していくんですけど、最後にドラマーのミッキー・ローカーにバトンが回ってくる。その時のドラムソロが本当にもの凄い。こういう風になりたいなって思いますね。っていうか、何でこういう風になったんだろう?って思うぐらいミラクルが起きてる。なんでみんな一緒に入れるんだろう?って思うし、とにかくテンションが高いですよね。凄いことが起きてますね。絶対聴いた人は“フォー!”って叫ぶ。
■「ジャズドラマー石若駿が選ぶ、このドラムプレイは凄い!曲」TOP3
石若:3位:リーモーガン「Live at the Lighthouse」(1970)の『beehive』ミッキー・ローカーのドラムソロです。
グローバー:ジャズのドラムソロ、ここが肝だっていうのはどんなところなんですか?
石若:メロディとハーモニーになってない楽器なんですけど、一つの楽器でいろんな景色を見せるというところですよね。ドラムソロを演奏してる時って、考えてるように見えて考えてないと思うんです。もう野生の心って言うんですかね。勝手にそうなっちゃうって言うか。それがこのドラムソロにも見受けられますし、そういうところが僕は好きなんですよね。
石若:2位:ウェインショーターの「juju」(1965)
僕はドラマーのエルヴィン・ジョーンズが大好きで、彼の特徴である3拍子のビートはこれで凄く勉強しました。シンバルとスネアのリムの“カッ”っていう音、そしてタムのコンビネーション。これはエルヴィン・ジョーンズの得意技ですね。
グローバー:この上をいく第1位は?
石若:アートブレイキーの「A Night in Tunisia(1961)です。もう出だしですね。カッコいいですよね。そしてこのグルーヴですよね。カッコよくないすか?
グローバー:もう理屈じゃないってことがよくわかります(笑)
■音楽史にブルーノート・レコードが刻んで来たものは、どんな点にあると思いますか?
沖野:JAZZが時代と共に変化する姿を作品として残してきたことが大きいかなと。そして、そのリリースがジャズの歴史そのものだと思うんですよ。本当にその功績は計り知れないものがありますよね。
石若 :そうですね、当時若くて素晴らしいミュジージャンをどんどん交差させて、コラボさせて、今の時代とも変わってないような気がしますね。自然とミュージシャン同士が集まってレコードができたり、レーベルとして混合させたりとか、そうやってずっと新しい音楽が生み出されていって凄いなと思いますよね。
■キャッチコピー
沖野:ブルーノートとは・・・「コミュニケーション」である。
まず、ジャズミュージシャン同士の会話だと思うんです。そしてジャズミュージシャンと聴衆のコミュニケーション。しかも、僕たちブルーノートを肴にしてこうやって語ってるでしょ、これだけ語れる、コミュニケーションが取れるという意味で。
石若 :ブルーノートとは・・・「パワースポット」である。
先週も言ったんですけど、お参りしたくなるような気分にさせてくれますよね。ほんとに今、こうやって久しぶりにブルーノートの音源をたくさん聴かせてもらって、やっぱり救われる気分になりましたね。
ラストは3人の共通点、Art Blakeyから『Split Kick』で2週に渡るスペシャル・エディション!『Blue Note Records』は締めくくられました。
PLAYLIST
Move Your Hand / Lonnie Smith
The Beehive / Lee Morgan
Passion Dance / McCoy Tyner
A Night In Tunisia / Art Blakey & the Jazz Messengers
Eclipse / Kyoto Jazz Sextet
Split Kick / Art Blakey Quintet
※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■プレゼントのお知らせ!
ドキュメンタリー映画『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』のキービジュアルをフィーチャーしたオリジナル・トートバッグを3名の方にプレゼント致します!
「欲しい!」という方は、番組サイトのメッセージフォームからご応募下さい。
締め切りは、8月23日、当選者の発表は発送をもって代えさせて頂きます。
今年の夏は、東京・丸の内エリアでジャズを堪能しませんか?
注目は、昨年9月にオープンした、ジャズクラブBLUE NOTE JAPANが手掛けるカフェレストランバー「Lady Blue」へ音楽と食が融合した、上質な空間では、インストアDJプレイや、スペシャルライブも行われています。詳しくはこちら!
そしてライブといえば、やっぱり『COTTON CLUB』ジャズをベースに様々なサウンドを楽しめる、こちらのライブベニュー。ぜひ、スケジュールをチェックしてみてください。詳しくはこちら
■沖野修也さんの情報はオフィシャルサイトへ
■石若駿さんの情報はオフィシャルサイトへ