2019.08.31 ON AIR
【RadioHead Part2】ストレイテナー ホリエアツシさん、androp 内澤崇仁さん登場!

今週はRADIOHEADのPart2! ゲストには引き続き、ストレイテナーのホリエアツシさん、andropの内澤崇仁さんをお迎えしました。

今年は、ボーカルのトム・ヨークがソロアルバム『アニマ』をリリース、さらに、フジロック・フェスティバルではライブパフォーマンスも披露!数多くの伝説を残した彼らのライブ・・・そんなステージパフォーマンスにまつわるお話から。

■RADIOHEAD のライブ、いつご覧になりましたか?
ホリエ:初めて観たのは『OK Computer』のツアーの旧赤坂BLITZ。
内澤:凄い、あそこで観れるって凄いですね。うわぁ。
グローバー:『OK Computer』の時期のレディオヘッド、どうでしたか?
ホリエ:『OK Computer』って深いっていうか、ライヴでどうなるんだろう?っていう曲がたくさん入ってて、正直、地味な曲とかもあって、それを一気に初めて観るっていうので、やっぱり分かんないっていう感覚もありました。やっぱりどこかで前のアルバム『The Bends』の曲を求めてるんですよ、「Creep」とか。トム・ヨークが後ろに下がってエレピを弾きながら歌ってたりとか、僕が求めてるロックバンド像とちょっと違うところに位置してる感じでしたね。まずそこから“『OK Computer』全然聴き込めて無かったわ“って思って、めちゃめちゃ聴いて、そこから更に倍以上好きになっていくっていうのがあって。”追いかけなきゃ“って思わされたライヴですよね。
グローバー:その後の忘れられないライヴはありますか?
ホリエ:やっぱり2003年のサマーソニック。この時、ヘッドライナーで初めてレディオヘッドが出て、大サービスっていうか、アンコールで「Creep」演ったりとか。
内澤:それ伝説になりましたよね。遂に演ったぞ!みたいな。
ホリエ:ほんと伝説。世界的なベストアクトなんじゃないかな、っていうぐらい素晴らしくて。それまで音楽を表現するストイックなバンドっていうイメージだったのが、ショウアップされたスタイルに変わってて、ロックバンドがここまでショウを演っていいんだ、っていう。

グローバー:内澤さんが初めて観たのは?
内澤:幕張メッセでのワンマンライヴ、レディオヘッドジャパンツアー2004。揉みくちゃになりすぎてあんまり観れなかったんですけど、オーディエンスの熱量が凄すぎて..もうエルボー食いまくりの(笑)。
グローバー:そこでの音はどうでした?
内澤:カッコイイんですよね。今思うと、幕張メッセは音もボワンボワンしてて反響も多くて、ちゃんとしないと音はそんなに良いとは言えないはずなんですけど、なんかすげえ感動しました。
グローバー:思い出に残ってる一曲っていうのもあります?
内澤:はい、「Idioteque」なんですけど、電子音から始まっていくんですけど、音源の音質じゃないんですよ。空気を経てボワンボワンしたところで鳴ってる電子音の細かいパッセージの音像が迫ってくるんですよ。それが心地よくて、曲調的にもトリップするような曲調で、揉みくちゃにもなってるし、汗だくだし、前すらちゃんと観れてないし、その波にずっと乗ってるみたいな感じで、凄いトリップした記憶がありますね(笑)
グローバー:なんでもそのライヴの翌日に凄いことが起こった?
内澤:この次の日にバイトに行ってたんですけど、新宿のバイト先でお昼休みに一人でご飯を食べようと思って外に出たら、トム・ヨークらしき人間が僕の目の前を歩いてるんですよ、西新宿の歩道を。ここで声掛けないと一生損する気がしたんです。で、僕英語もろくに喋れないんですけど詰め寄って「アー・ユー・トム・ヨーク?」って聞いたんですよ(笑)
ホリエ:うわー、Excuse meとか無しに?
内澤:無しに、、(笑)
グローバー:お前トム・ヨークか?
内澤:ホリエ:あははは笑
内澤:そしたら「イェ」って言ったんですよ。で、カバンの中にチケット持ってて、それを見せて、昨日ここに行ったんだ、これこれ!って言ったらサインが欲しいんだって思ってくれたらしくてチケットの裏にサイン書いてくれたんですよ。それがきっかけで“俺なんで東京に来てんだっけ?”って思ってバイト辞めたんですよ。 “音楽ちゃんとやらなきゃダメだ、ここでずっとバイトに明け暮れてたらダメだって。
ホリエ:へぇー、凄いすね。トム・ヨークに会えたは凄いな。

■アルバム「KID A」から20年。今年は、この作品が誕生した背景に迫った書籍『レディオヘッド/キッドA』の日本訳版も発売されました。RADIOHEADが生んだ20世紀最後の名盤にして問題作とも言われ、社会問題にも鋭く切り込んだこのアルバム。ホリエさん、内澤さん共に「一番好きなアルバム」としてあげてます。この作品に惹かれる最大の魅力とは、どんなところにあるのでしょうか?

ホリエ:やっぱり“まとまり”ですかね、説得力みたいな。いちばん好きな曲っていうと「KID A」の中からは選ばないと思うんですけど、アルバムとしての完成度というか。
グローバー:ガラッと音としてのジャンプもあったわけでしょ?
ホリエ:そうですね、でも納得はしましたね。裏切られたっていうか付いていけない感じっていうよりは、もう“待ってた!”って感じはしました。振り切ったなって。
グローバー:内澤さんは?
内澤:このアルバムで“時代を変えてくれる人たちなんだ”って思いました。凄い衝撃的でした。このアルバムが無かったら時代が切り替わらなかったんじゃないかな。
グローバー:ギター小僧としてギターにガンガン耳を傾けてた内澤さんがこのアルバムにいちばん惹かれるポイントはどこですか?
内澤:ギターが鳴ってない曲もある、っていう。あれだけギターで面白いことやってたのにそれを放り投げてる。真逆な方向に行ってるっていう。エレクトロニカを取り入れてたりとか。聴いたことのない音楽をやっている。融合させている。
グローバー:ホリエさん、特に好きな曲をあえて選ぶと何ですか?
ホリエ:タイトル曲ですね「Kid A」。2000年頃って大学生でバンドをやってて、その時の自分の気持ちに凄く合わさって記憶に残ってるんです。まだ鳴かず飛ばずで鬱々としてたし、その頃の風景が浮かんじゃうっていうか、そういう記憶と一緒に曲があるんで。
グローバー:内澤さんはこの一曲というと?
内澤:いちばん最後の『Motion Picture Soundtrack』なんですけど、自分が死ぬ時に曲が聴けるなら、どれ聴きますか?と聞かれたらこの曲を選びます。神々しい曲というか、最後にハープと何か “ファーッ”っていう感じで終わるんですけど、その余韻まで素晴らしいんですよね。

■「androp のボーカル/ギター 内澤崇仁が選ぶ、このアレンジ・構成はヤバイ!
唸るRADIOHEAD 曲」TOP3!

3位:The National Anthem (from 4th『Kid A』2000)
内澤:難しいコード進行ではなくて、ループに対して浮遊するものだったり、フリージャズのテイストだったりとか、いろんなものを乗せて展開していって、高揚させていってトリップさせて終わるみたいな。ライヴ映えめちゃめちゃするんですけど、そういうところが肝なのかな、なかなかできないなと思って選びました。

2位:Paranoid Android (from 3rd『OK Computer』1997)
内澤:デモを聴きまして、やっぱり構成を練ってるんですよね。3部とか4部で構成されてるんですけど、デモの段階ではもっと長かったり、飛ぶ場所が変わったりとか色々変わってるんですよね。突き詰めたら正解って無いんじゃ無いかなって思うものが、落とし所としてここに持ってきたってところが凄く腑に落ちるところがあったんです。ここでOKとしたんだっていうのを感じられる曲。

1位:Pyramid Song (from 5th『Amnesiac』2001)
内澤:最初聴いたとき、ずっと拍が掴めないまま終わっちゃって、よくよく調べると、16分の21拍子っていう変拍子なんですよ。4 4 5 4 4聴かないとひと回しにならないっていう構成なんですよ。逆からも4 4 5 4 4だからこれがピラミッドソングっていう所以なんじゃないかとも言われていて、美しい曲だって言われてるんです。

■キャッチコピー
ホリエ:「RADIOHEAD とは… ロックの進化を終わらせたバンド」である。
今のレディオヘッドを聴いても、それこそ『OK Computer』とか、あの頃のレディオヘッドを聴いても、全然古く感じないんですよ、ひとつの到達点に行っちゃってて。そこから新しい若い世代のアーティストがたくさん出てきて、いろんなジャンルがミックスされていってっていうのがあるんですけど、なんかレディオヘッドが90年代から2000年代にかけて成し遂げたロックの進化って、なんかもう“終わったな”っていう感じがするんです。その時々で“今はこの音が面白い”とかあるんですけど、そういうのも全て凌駕しちゃってる。なぜならロックバンドだから生音が基礎にあって、エレクトロニックな音を取り入れた時も、生音も一緒に料理されてるから、時代の音が移り変わっていっても古くならないという意味で“進化を終わらせた”と。

内澤:「RADIOHEAD とは… ロックバンド」である!
僕が思うロックっていうのは、挑戦し続ける姿勢を持ってるミュージシャンがロックなんじゃないかなって思ってて。レディオヘッドとは進化を恐れずにどんどん新しいものを取り入れて、挑戦していくバンドなのでロックバンドだなって思っています。

2週に渡るレジェンド『RadioHead』ラストナンバーは内澤さんの召させれる曲『Motion Picture Soundtrack』で締めくくられました。


※この収録は大手町パークビル内、三菱地所の新オフィスで行なわれました。

LAYLIST

2+2=5 / RADIOHEAD

Idioteque / RADIOHEAD

Kid A / RADIOHEAD

Pyramid Song / RADIOHEAD

Braver / ストレイテナー

Motion Picture Soundtrack / RADIOHEAD


※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。

※ストレイテナーの詳しい情報はオフィシャルサイト
※andropの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週のレジェンドは、7年ぶりのNewアルバムをリリース!矢沢永吉!ゲストには、これまで名曲の数々を手がけてこられた作詞家の売野 雅勇さん、音楽プロデューサー 多保孝一さんをお迎えします。お聴き逃しなく!