今週は、パワーポップ・ムーヴメントの立役者!『Weezer』のパート2!ゲストには引き続き、ホフディラン 小宮山雄飛さん、ナードマグネット 須田亮太さんをお迎えしました。
■日本人との親和性
グローバー:お二人に音楽的に分析してもらった時に、日本人との親和性ってどこにあるんでしょうね?
小宮山:やっぱりリヴァースが音楽オタクなんですよね、それで日本人っぽい聴き方をしてるっていうか、明らかに歌謡曲的なものとか、凄く好きなんですよね。だから逆にアメリカでは生きづらかったと思います。周りの同級生がいわゆるロックをガンガン聴いてたりとか、ディスコを聴いてるみたいな時に、多分ひとりで凄いマニアックに曲を聴いてたんじゃないかな。
グローバー:ジャケが浮世絵だったりね。
須田:おっしゃる通りでリヴァースはインタビューで”J-POPはすげえ“って言ってるんですよ。アメリカの音楽っていうのは基本的にワンアイディアの繰り返しで作っていくのが殆どで、日本のJ-POPみたいな複雑なコード進行で綺麗なメロディを紡いでいくのは本当に凄いって言って”BOAのメリクリって曲は本当に凄い!この曲を書いた人と是非会ってみたい!“みたいなことを言ってたり、木村カエラさんのバタフライはカバーしてて”この曲は僕が今まで演奏した中でいちばん難しい“って言ってたり、だからJ-POPとの親和性は元々ある人なんだなっていう風に思いますね。
■「ナードマグネット 須田亮太セレクト!
同世代のWeezer 初心者に聴かせたい!隠れ名曲」TOP3!
3位 King of the World <from Album『ホワイト・アルバム』2016 年>
須田:この『ホワイト・アルバム』と、その2年前に出た『Everything Will Be Alright in the End』っていうアルバムが最高に好きで、原点回帰しつつ、また新しいweezerも出してる2作だったんですね。その中でも特に好きな曲。リズムは横ノリと今までの感じとを上手く合わせてる感じがしますね。
2位:Da Vinci <from Album『Everything Will Be Alright in the End』2014 年>
須田:このアルバムは久しぶりにリック・オケイセックがプロデュースしたってういうので話題になったんですけど、リックさんは亡くなってしまったので、結果的にリックとweezerが最後にやったアルバムになってしまったんですけど、このアルバムで“帰ってきた!”っていう風になったなって。その中で個人的にキュンときた曲。ほんとシンプルなラブソングなんですけど、本当にメロディが良いし、イントロのちょっとすっトボけたフレーズが後半ちょっと感動的に鳴らされるアレンジの妙みたいなのが良いなぁって。
1位:The End Of The Game <from Album『Van Weezer』2020 年5 月発売予定> 先行リリース曲
須田:いちばん新しい曲です。爆笑しましたね(笑)でもね、爆笑の後にちょっと泣けるんですよ。イントロ聴いたら、80年代の産業メタルと言いますか、いきなり早弾きから始まるんですけど、そこから重たいリフに入って、そこからみんな大好きないつものweezeerに戻るっていうその感じが凄く良いんです。
小宮山:weezerっていろんなものを背負ってますよね。weezerがweezerを演じなきゃいけないみたいなところもあるし。そこからまた違うニュアンスも出さなきゃいけないみたいな。
須田:リヴァース・クオモって結構モードが変わる人で、3rd以降はメタルキッズに戻る時と、初期の感じを出す時と、めっちゃチャラくなる時とか色々あって、モードが変わる中、次はメタルで来たっていう。
小宮山:ちょっとね、『Van Weezer』って言わないもんね、自分のアルバムをね。
グローバー:雄飛さんも『ホフ・ディラン』ってつけてますから。
小宮山:そうね人のこと言えないんですけどね、でも自分のバンド名の前にVanって付けるってなかなか思い付かないですよね。新しいよね(笑)
■weezerからの影響
グローバー:いろんな音楽シーンを見回してもweezerの影響って今もありますか?
小宮山:ありますね。こういう良質なポップ・ロックみたいなのを色んな時代があってもずっとやっててくれるっていうのは指針になる感じはね。
グローバー:確かにここへきて新曲なんかはホッとさせてくれる感じはありますね。
須田:ありますね。1コ前の『Black Album』っていうのが結構実験的な作品だったってこともあって、なんか凄い安心したというか。
グローバー:今の音楽シーン、weezerが居なかったら無かったなっていう最大の影響って何ですか?
須田:今の自分ですかね(笑)僕が学生の頃はアジカンとかGoingUndergroundとかバンバン出てきて、ウィーザーチルドレンみたいな感じだったと思うんですけど、そこから段々減っていった感じはしたんですよ。それもあって“自分でやっちゃおう”みたいなので10年後ぐらいに始めたところがあるので。
グローバー:そういうバンドのバトンを貰い続けているバンドは世界中にいっぱい居ますね。小宮山さんはどうですか?
小宮山:僕もねweezerが居なかったらやってないと思います。ホフディランの初期のキーボードの背面にweezerのステッカーを貼って“weezerが好きなんだな”って分かる人には分かるように。服装なんかも普通の格好で出てくるとかっていう学生感みたいなものはweezerから全部学んで影響を受けたんで、weezerが居なかったら無いですね。
■キャッチ・コピー
小宮山:weezerとは・・・『4人組の鏡』である。Weezerってベースだけ何故か何度か変わっていながらずっと4人組なんですよね。で、リヴァースが毎回変なことを考えてきたりして謎なことをやるんだけど、その4人のバランスがずっとちゃんと取れている。ジャケットも多くの場合ただ4人が立ってる。バンドってビートルズ以来4人っていう様式美があって、それを意識して5人にもならず、ベースが抜けても3人にもならず、ずっとこの4を保ってる。恐らく中では喧嘩もあったり、色んなことはあるんだろうけど、ずっと4人を続けていくっていうのはグッとくるところがありますね。
須田:weezerとは・・・『もやしっ子の希望の星』である。僕がweezerと出会う前にに抱いてたロックスター像って、エアロスミスとかレッド・ホット・チリ・ペッパーズとか筋肉ムキムキだったりタトゥーが入ってたり自分には到底目指せないところに居る人たちだったんですけど、weezerに出会って“こっちなら目指せるな”っていう指針を示してくれた。そのまま今まで何十年も変わってないじゃないですか、それが凄いなって思いますね。
ラストは2人が最初に聴いたアルバムの最初の曲『My Name Is Jonas』で締めくくられました。
■この収録は大手町にあります次世代オフィス「3×3 Lab Future」で行なわれました。
PLAYLIST
Buddy Holly / Weezer
Say It Ain’t So / Weezer
Billie Jean / Weezer
The End Of The Game / Weezer
夜 / ホフディラン
My Name Is Jonas / Weezer
■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■ホフディランの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■ナードマグネットの詳しい情報はオフィシャルサイトへ