今週のテーマは、まもなく最後の来日公演を開催するKISS!
ゲストには、野宮真貴さん、雑誌「BURRN!」編集長:広瀬和生さんをお迎えしました。
■KISSとの出会い
野宮:ミュージック・ライフっていう音楽雑誌の一枚の写真なんですけれど、3枚目のアルバム『地獄への接吻』のジャケットのモノクロ写真のアザーカットがグラビアに載っていて“なんだろう?この人たち”っていうのが第一印象。
広瀬:スーツ姿ですよね。
野宮:そう、ニューヨークの街角で、このメイキャップしてビジネススーツを着た4人がニューヨークの街角に立ってるモノクロの写真だったんですけど、それが結構衝撃で。
グローバー:衝撃ですよね(笑)
広瀬:いやぁインパクト強かったですよ。
野宮:だけど、“オシャレだな”とも思ったの。モノクロだしビジネススーツにあのメイクっていうのはオシャレだなっていう風に10代の女子には思えたんですね。結構カワイイんですよ、ジーン・シモンズが白いサボ履いてたりね。オシャレに着こなしてた。それで早速アルバムを買い求めて聴いたところ、15才の少女にも解る単純明快なポップなロックだったんで、すぐ好きになって。それが3枚目だと分かったので、すぐに1枚目と2枚目を輸入盤屋さんに買いに行きました。
グローバー:結構ハマりましたね。
野宮:はい、ハマりました。もっと凄いハードなヘビメタみたいなそういう感じかな?って思ってたら、想像してたよりポップで聴きやすかったんですね。それが女子には良かったんです。
グローバー:そこからファン街道まっしぐらという感じですか?
野宮:ファンクラブにも入ってました(笑)やっぱりミーハーなんですよね、女の子だったから。初来日の時はメイクして行きました。2回目の来日の時はメイク+衣装も全部作ってコスプレで行きました。
広瀬:え!それは気合が入ってますね。
グローバー:誰推しとかあったんですか?
野宮:私はエース・フレーリー。
広瀬:あー多いですね、女子多いですよ。
野宮:そうですよね、エースの内股でギターを弾く姿とかがね、いいんですよね。
グローバー:ニューヨークも行かれたとか
野宮:あ、そう。エアロスミスとキッスが共演するという時に、一度ニューヨークで観て観たいなって思いがあったので、エアロスミスも好きだし、マジソンスクエアガーデンに行きました。
グローバー:広瀬さんは一音楽ファンとしてキッスと出会ったのはいつですか?
広瀬:僕もカーペンターズとかビートルズから洋楽に入って、そこからですね、当時男子はディープパープルからレッドツェッペリンというようなコースを辿っていて、大体音楽評論家の方々がブリティッシュ寄りだったんですね。だからアメリカにまでお小遣いが回らなくて(笑)ただ、僕は男子校だったんで、男子校だとブリティッシュ寄りが激しくなりすぎるんですよね。プログレとかも聴くし。ただお金かけなくても聴ける番組がNHKにあった。それが“ヤング・ミュージック・ショー”聴けるというか観れるんですね。これが高校2年の時かな、1977年なんですけども、“これがキッスか!”と。当時日本人はあれでみんなショックを受けたと思うんですけども、結局評論家寄りな感性から言うと、” キッスは子供騙し、エアロはストーンズの2番煎じ、クイーンは女子供が聴くもの“みたいな。
野宮:ありましたね(笑)キッス、エアロスミス、クイーンは3大アイドルだったんですよ。
広瀬:それがね、実際、曲を聴いてみるとですね、非常に硬派なんですよね。“思ったよりヘヴィじゃなかった”という感想を持たれる方も居る一方、僕は“思ったよりヘヴィだった。尚且つキャッチー。その音楽性は凄いですよ、キャッチーでありヘヴィっていうのが他にはあんまり無かったと思いますね。
■KISSのメイクは歌舞伎?
グローバー:野宮さん、このアルバムは聴き込んだなっていうのは?
野宮:私はね『地獄の軍団』っていう『DESTROYER』
グローバー:野宮真貴さんが“地獄の軍団”とか言ってるのだけで面白いんですけど。
野宮:(笑)キッスの邦題は全部“地獄”が付くんですね。それというのもセカンドアルバムにね、日本語が書いてあるんですよ。メンバーの名前もカタカナで書いてあったり、そこに確かアルバムタイトルも既に付いてたのね。
広瀬:結局そのキッスのメイクのヒントが歌舞伎だっていうことをジーン・シモンズなんかが言ってましたよね。日本には最初から結構親しみがあるバンドではあるんですよね。
■エジーン・シモンズは高所恐怖症!
野宮:尊敬してます。これだけ長いことやって、ノーメイク時代もありましたけど、その時にLAメタルの若いバンドとかにリスペクトされて、そういう時代もあったし、またメイクに戻って私が高校生の時に好きだったまんまのことを今もやってくれてるっていう、そのファン心理を解ってくれてるというか、そこが素晴らしいと思います。
広瀬:プロフェッショナルなんですよね。ジーン・シモンズって高所恐怖症なんですよね。
野宮:え!そうなんですか?
広瀬:なのにあんな高いとこに居るんですよ。普通の人が立っても怖いところに。あれね、毎回やってるのが凄いですよ。また、あのジーン・シモンズのフル装備をすると、戦国武将の甲冑だってもっと軽いぐらい。動くことさえままならないような。これ着てプレイすることって凄いことだなって。ポールなんかも軽々と動いてますけど、実は高いの履いてるし。
野宮: 20センチぐらいのブーツ履いて。あれ無理です。
広瀬:演奏技術が伴わなければあれはできない。
■「野宮真貴、KISSを歌う。」TOP3!!
グローバー:野宮さんにカバーしてみたい曲をお聞きしようと思ったんですが、なんと!実は既に何曲もKISSのカバーをされていらっしゃるんですよね。
野宮:はい、そうなんです。
第3位 Christine Sixteen
野宮:この曲は本当にポップで、私がKISSの曲、何をカバーしようかなって思ったら渋谷系の私にも凄くしっくりきた。これはある企画でトライセラトップスの3人とほとんど完コピに近い感じで一緒にセッションした事があります。本当にキレイなメロディだし、大好きな曲です。
第2位 Lovin’You BNaby
野宮:これはフランスのDJ、ディミトリー・フロム・パリスと一緒にKISSのトリビュートアルバムに参加した時にカバーした曲なんですけど、クラブでかけられるようなアレンジにして歌いました。
第1位 Hard Luck Woman
野宮:これは自分で歌ってみて改めて曲の良さを感じましたけれども、私がまだピチカート・ファイブに在籍してた頃にソロアルバムを出してるんですけども、その中でイエローモンキーのヒーセにプロデュースしてもらってレコーディングしました。ヒーセもKISSの大ファンでジーン・シモンズが神様って言ってる方なので、敬意を込めてオリジナルを崩さない完コピに近い形で、でもヒーセなりのアイディアを入れてくれて、凄く素敵な出来栄えになってます。
グローバー:KISSはミュージシャンズ ミュージシャンという感じもしますね。
広瀬:そうですね。本当にリスペクトされてますね。
まだまだ続くレジェンド『KISS』来週もお楽しみに!
※この収録は大手町パークビル内、三菱地所の新オフィスで行なわれました。
PLAYLIST
Room Service / KISS
Rock And Roll All Nite / KISS
Do You Love Me / KISS
I Stole Your Love / KISS
I Was Made For Lovin’You / KISS
Hard Luck Woman / KISS
※放送後1週間は右のタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■野宮真貴さんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■雑誌「BURRN!」の詳しい情報はこちら。