今週は、世界史上最も売れたラップ・ゴッド『エミネム』のPart2!
ゲストには引き続きSKY-HIさん、俳優の稲葉友さんをお迎えしました。
■エミネムは真面目な人?
SKY-HI:生でエミネムのライヴを観たのは大阪にフェスで来日してて、フェスの翌日に同じ会場を使ってワンマンをやったんですけど、サマソニとかやる大きな会場だからやっぱパンパンにはなんないんすよね。それでハイプマンがテンション上げようと思ってバーっと早口で煽ったりすると、やっぱ日本のお客さんは英語わかんないから、わかりやすくハイプマンが“ダメだよこいつら”ってやった時にエミネムが制して“みんな楽しみに来てんだから楽しませてやんなきゃダメだろ”って言ってすげえゆっくり”Do You Want More?!”みたいなのを言って“ワーッ!”ってなって「What’s My Name」かけたりとか、サービス精神もすごいあったし、昔からショウとかちゃんとやるっすよね。煌びやかなものとか一切興味ないような顔するけどサービス精神がすごいあるようなとこを見ると“やっぱ真面目な人なのかなぁ”って思うところはあります。
■ラッパー SKY-HIが選ぶ『驚愕のエミネムの超絶ラップ曲』TOP3!!
3位:Rap God <from Album「The Marshall Mathers LP 2」(2013)>
SKY-HI:これの前が『Recovery』なんですけど、それから3年リリースが無くて引退したとかあって“大丈夫かな?“って。そういう時期に突如として曲をバンって出して、それがめちゃくちゃカッコよくて。自分でラップゴッドって言います?これはエミネムっていう人間を象徴してると思いますよ。
2位:Killshot <デジタル配信(2018)>
SKY-HI:もう45歳とかだし“時代が終わったんだね”みたいなテンションで、そこに若手筆頭の同じ白人ラッパーMGKが“お前の娘もDM送ってくるしさ”みたいな話を出したりしてちょっと馬鹿にするんですよね。娘の話だけは触れちゃいけなかった、ボコボコにするんですよ。スリルを味わいたい人はこれの和訳を読んだ方がいいです。しかもMGKが発表してから、もう次の日とか2日後とかには発表されてるんです。
1位:Godzilla feat. Juice Wrld <from Album「Music To Be Murdered By」(2020)>
SKY-HI:最新ナンバーでナンバーワンを獲れる存在っていうのが、今いちばんエミネムがリスペクトされるところだと思うし、今だに第一線でしかも何をもって第一線というかって難しいじゃないですか。なんの数字で昔を超えたかっていうところで言うとエミネムは“言葉数”という(笑)
■エミネムの魅力と影響
稲葉:エミネム自身、自分が反映されちゃってるし、それがこっちに届いちゃってるのがすごい話で、じゃあ曲に音に投影できるかって言われると人間なかなかそこまで剥き出せないし。よくエミネムが言ってるのは“なんやかんや自分にはラップしかない、これがなくなったら..”っていうのはよく言ってるんで、危なっかしいですけど自己投影力みたいなところなのかなっていう風に思いますね。
グローバー:SKY-HIさんはご自身もラッパー、そういう凄さ、そして今のヒップホップシーン、音楽シーンを見回してエミネムに影響受けてるなってところはどこですか?
SKY-HI:確実にゲームチェンジャーでしたからね、いろんな意味で。人種もそうだし、おかげで今、日の目を浴びる人もいっぱい増えたし、ラップの技巧面で圧倒的に変わりましたよね。わかりやすく上手いとか、さらに言葉の使いかたがコミカルだったりストーリーテリングだったり、技術的に与えた影響は計り知れないと思いますね。それを踏まえて取り入れて成長していってるけど、我々はやっぱりエミネムの子世代なので影響されてる部分ていうのは全体的にありますね。
■キャッチコピー
SKY-HI:「エミネムとは業である」
自分の境遇に対しての怒りから生まれたスリム・シェイディが成功していくわけですけど、成功すればするほど娘とも会えなくなっていくとか、周りも危険に晒されてどんどん孤独になっていくと。それで更に大きな怒りが生まれる。だからこそ“全てを忘れて音楽に没頭するんだ”ってまた成功があったりとか、その成功の元はやっぱり怒りからきてるから傷つくことが増えたりする。ただ業って悪いことによく使われるけど、いい事も業だから、全てに打ち込んだのがラップだから、そこにそこまでinto itした人間は最後いったいどういう報いが来るのかなぁっていうのはちょっと楽しみだし、新しいアルバムが前向きにラップミュージックになってて、すごいホッとしてる。
稲葉:「エミネムとは始まりである」
別にエミネムがすべてのスタートって話じゃなくて、先頭を歩いたんですよね。白人としてというか、その文化の中に突っ込んでいったんですけど、その前にエミネムが歩きやすい道は無くて、だからどんどん傷つきながら進んでいくし、そうするしかなかったし、そうならざる負えなかったんだけど、おかげできっと道がめっちゃ開けてて、一人分で歩いてんのにめちゃめちゃ幅広い道を後ろに作ってっていう功労者だし、他の国に届いて日本でラジオで今この番組やってて半端じゃねぇみたいな。
2週に渡りお送りしたレジェンド『エミネム』ラストの一曲は、始まりでもあって、業、キャリアのスタート、怒りのスタートでもあってスタイルのスタートでもあった事実上の一曲目『MY NAME IS』で締めくくられました。
PLAYLIST
Homicide feat. EMINEM / Logic
Say What You Say feat. dr. dre / EMINEM
Those Kinda Nights feat. Ed Sheeran / EMINEM
Godzilla feat. Juice Wrld / Eminem
Don't Worry Baby Be Happy feat. STAMP / SKY-HI
My Name Is / Eminem
■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■SKY-HIさんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■稲葉友さんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ