2020.03.21 ON AIR
【アリシア・キーズ】シンガーの福原美穂さん、音楽ジャーナリスト 林剛さん登場!

今週のレジェンドは、春にNewアルバムをリリース!シンガーとしてのみならず、女優、慈善活動家としても活躍するR&B ディーヴァ、アリシア・キーズ!
ゲストには、シンガーの福原美穂さん、音楽ジャーナリスト 林剛さんをお迎えしました。

■アリシア・キーズとの出会い
グローバー:福原さんは初めてアリシア・キーズの歌声を聴いた時って覚えてます?
福原:私、北海道でラジオ番組をやらせていただいてたんですけど、その時にディレクターさんが教えてくれたのがアリシア・キーズの1stアルバムだったんですよね。ほんとオリジナリティがすごいある人で、それまでのR&Bの売れ線というか、ベイビーフェイスの流れとかローリン・ヒルみたいな人がバッと出てきて、その後ノラ・ジョーンズがグラミーを獲って、でアリシア。R&Bなんだけど、クラッシックの音楽もちゃんと勉強してきてる人なので、今まで聴いた事のない唯一無二の凄い人が出てきたなって。聴いたら忘れられない楽曲と声っていうのは残ってますかね。やっぱり「Fallin'」は衝撃的でしたよね。あんなブルースみたいな曲を18歳の新人の子が歌ってるっていうそれだけで注目されるっていうか、当時無かった音楽スタイルでしたよね。
グローバー:林さんは音楽ジャーナリストというお仕事柄いろんな分析とかリサーチもしてると思うんですけど、初めて歌声と出会った時っていうのはどうでした?
林:なんかこう胸を締め付けられるというか、すごいエモーションを込めた歌声、それがグッときましたね。もう声だけで惹きつけられるというか。もちろんピアノのアルペジオとかそういうものもすごくアリシアの特徴的なサウンドだと思うんですけど。
グローバー:グッと掴まれた最初の曲は何でした?
林:それはやっぱり「Fallin'」でしたね。実はその前にアリシアの事は知っていたんです。96年にジャーメイン・デュプリというプロデューサーが監修する「12 Soulful Nights of Christmas」っていうアルバムでクリスマススタンダードの 「Little Drummer Boy」のアリシア版リメイクみたいな「Little Drummer Girl」という曲が入ってるんですね。その時にアリシア・キーズっていう名前を見て“これは誰なんだろう?”って。すごい独創的にカバーしてて、なんとなくメアリー・J.ブライジに影響を受けたような歌い方をしてたんですね。その後に『メン・イン・ブラック』っていう映画がありましたよね、そのサウンドトラックに「Dah Dee Dah 」っていう曲があるんですよ。その曲のビートがメアリー・J.ブライジっぽいヒップホップソウルのビートで歌がエリカ・バドゥみたいな感じがミックスされたようなスタイルで、90年代後半の今っぽい音にちょっと擦り寄っていくような感じがあったんんですけど、「Fallin'」を聴いた時にアリシア・キーズっていう個性がすごく見えたっていう感じでしたね。そのデビューアルバムの『Songs in A Minor」は「Piano & I」っていう曲から始まるんですけど、それがいきなりベートーヴェンの「月光」をベースにした曲で、福原さんがおっしゃったようにクラッシックとR&Bが結びつくことって今ではいろんなジャンルと結びつくことって当たり前だったりするんですけど、当時は珍しい感じでしたよね。
福原:そうですね、彼女しかやってなかったですよね。


■メッセンジャー アリシア・キーズ
グローバー:同じシンガーで自分の道も切り開いてきて、そしてアリシアも福原さんもお母さんにもなってという人生一緒に過ごしてきて、同性としてアリシアに惹かれるところってどんなところですか?
福原:カッコいいですよね。本当にこの一言に尽きるんですけど、やっぱり貫くことって時にできないじゃないですか、いろんな人の調整とか考えた時に。でもやりきる強さって自信もなければできないし、自分の言葉とか活動に対してものすごく責任を持ってやってる人だなっていうのがわかるから友達になりたい、本当に(笑)友達じゃなくても先生みたいな感じで地域のコミュニティにこういう人が居てくれたらいいなぁ。
グローバー:この活動がグッときたなってどんなのがありますか?
福原:ノーメイクアップですかねー。やっぱり多様性みたいなところが出てきてる世の中で“人ひとり”みたいな、そこにすごいフォーカスしてきてるのかな。男女とかいろんなコミュニティを越えて”Be Myself”をちゃんと出す、みたいな活動の一環なんでしょうけどね。
グローバー:林さんはアリシアのメッセンジャーとしての魅力、どんなところに感じてますか?
林:本当に初期からメッセージ性の高い曲というか、ラブソングにも人類愛とか社会的メッセージを含んでいるっていうところがアリシア・キーズの特徴だと思うんですけども、ジングルマザーの問題とかバグダットの空爆の問題に触れたりとか、そういうようなことを曲にしたりしてますよね。『We Are Here』っていう2014年にシングルだけで出された曲だったんですけども、2014年にガザの侵攻とかエボラ熱が流行したりして、そこにアリシアが心を痛めて書いた曲なんですよね。そこでもシングルマザーの問題とかを取り上げながら“みんな心を一つにしよう”っていう風に訴える曲で、これは本当に今まさにコロナウィルスとかで世界がちょっと混乱してるような状況にも残念ながら当てはまってしまうような曲だったりしますよね。なので『We Are Here』を最近ちょっと思い出したりしてますけども。

■福原美穂が選ぶ『カバーしてみたいアリシア・キーズ曲TOP3』!!

3位:Girl on Fire <from Album「Girl on Fire」(2012)>
福原:これね、歌ってるだけでメラメラ元気が出てくるんですよね、私のビタミン!みたいな。歌ってると私もエネルギーが出るし、聴いてる人も“うわーっ”ってなるっていう不思議なパワーのある曲ですね。女性みんなで歌ったら楽しいですよね。

2位:If I Ain't Got You <from Album「The Diary of Alicia Keys」(2003)>
福原:まずこのピアノのアルペジオから練習したんですけど、これを弾きながら歌うの難しいんですよ。これをピアノでパッと弾けてうわーっと魅せられたらR&Bシンガーとして花まるじゃないかなって。

1位:No One <from Album「As I Am」(2007)>
福原:これ実際にいっぱい歌ったんですけど、レゲエバージョンで夏フェスとかで歌ってたんですけど、なんかこの曲になった瞬間にお客さんどんどん来るみたいな。やっぱ曲のパワーと知名度ですかね、売れましたからね。この曲はAメロもBメロも全部サビ、本当にメロディが優れてるので、どこから聴いてもみんな“いい曲!”ってなる。歌ってる方も“いい曲だよね!”ってなるみたいな、そういう曲としてのクオリティがすごいと思います。


まだまだ続くレジェンド『アリシア・キーズ』来週もお楽しみに!

PLAYLIST

Diary / Alicia Keys

Fallin' / Alicia Keys

A Woman's Worth / Alicia Keys

We Are Here / Alicia Keys

Empire State of Mind feat. Alicia Keys / Jay-Z

No One / Alicia Keys

■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。

■福原美穂さんの詳しい情報はオフィシャルサイト

次回のレジェンドは、引き続きR&B ディーヴァ、アリシア・キーズ!ゲストには、シンガーの福原美穂さん、音楽ジャーナリスト 林剛さんをお迎えします。お楽しみに!