今週のレジェンドは、類まれなる個性で世界を魅了する歌姫、自身が呼びかけたチャリティ・バーチャル・コンサートも話題のLADY GAGA!ゲストには、音楽プロデューサー 今井了介さん、音楽ライター 新谷洋子さんをお迎えしました。
■レディー・ガガとの出会い
グローバー:レディー・ガガの楽曲最初に聞いた時覚えてますか?
今井:デビュー曲からいきなりぶっ飛ばされた感じはしましたよね。この頃ちょうどエレクトロダンスというものが EDM ちょい前か、もうまさにキテるという頃にですね、少しゆったりとしたこのエレクトロなビートの上に歌ってる彼女の声を聴いた時に、やっぱりなんかもう月並みな言葉で本当にレディー・ガガを愛してる皆さんにはほんとゴメンナサイなんですけど、マドンナの再来とか、そういう本当にクリエイティブに長けた凄い人が出てきたんだなと感じました。
グローバー:他の人とここが違うって最初に思ったポイントなんだったんですか?
今井:ポップミュージックの宿命というか圧倒的に曲の解りやすさはありながらも、なにかこう圧倒的な歌唱力とか表現力の強さとか押し出しの強さとか、圧倒的に歌の実力というか地力が凄いじゃないですか。これだけ歌える人がこれだけポップに作るというのがグローバル・ポップミュージックの強さだなぁってすごく思いましたね。
グローバー:周りの音楽仲間もそういう反応をみんなしてました?
今井:そうですね、かなり皆さんもう完全に掴まれてましたよね、「JUST DANCE」って今ちゃんと聴くとリリックとか結構シンプルなんですよね、なんですけどサウンドで踊らせるビートがホントできてるなぁっていうのと、R&BとかHIP HOPとかのその先の世代にあるダンスミュージックだなっていうのは凄く、、要は白人的なカントリーミュージックからくるようなポップソングでもなく、HIP HOP、R&Bとかそういうアーバンなものだけでもなく、ただエレクトロでもなく、色んな人種に刺さる曲なんだなというのは凄い思いましたね。
グローバー:新谷さんは音楽ライターとしてこれまでレディー・ガガのアルバムのライナーノーツも手がけてらっしゃいますし、様々な場面でお仕事でも取材も重ねてきてると思いますが、リスナーとしてパッと最初に聞いた時のレディー・ガガ「JUST DANCE」だったんですよね?
新谷:そうですね、やっぱりヨーロッパのアーティストではなくアメリカ人がやってることに当時はすごく驚きましたね。ダンスポップってヨーロッパではメジャーな世界なんですけど、アメリカってちょっと馬鹿にしてるところがあって、当時はそれに真剣に取り組んでるなということを感じて。あと、凄くヘビーでダークなところもアメリカっぽくないなって思ったんですよね。この手の音でちょっと怪しさがあるポップソング、曲のポップ感メジャー感と映像のアングラ感のアンバランスさがもう強烈で。
グローバー:それからどんどん調べたり聴いていったりして、自分はここに惹かれてくなっていうポイントをどんなところがありました?
新谷:やっぱり新曲がどんどん出てきて、曲のクオリティももちろん高かったんですけど、ミュージックビデオもどんどん凝ったものになって、いろんな DNA が見て取れて誰かに作られたのではなく本人の美意識に乗っ取って作っているなっていうところがすごく伝わってきたんですね、誰にも似てないし。“この人ちょっとスペシャルだな"っていうのはもう最初の3曲くらいで分かった気がしました。
グローバー:新谷さん、今までいっぱい曲聴いてきた中で、今一番好きな曲なんでしょう?
新谷:今言った事とほとんど関係ないんですけれども、最近の曲ということで、主演もした映画「アリー/スター誕生」のために作った「Shallow」ですね。こういうタイムレスな曲を書けて、これだけ歌える。でも映像とかファッションとかどんなエキセントリックでもこういう揺るぎない基本がある、そういうところにガガの本質を再確認させられたなと思いました。
■女優レディ・ガガの魅力
グローバー:映画も大変な話題になりましたけれども、女優レディー・ガガの魅力ってどんなところだと思います?
今井:ガガっていちばん最初ソングライターとして契約してるんですよね、だからなんか音楽の地力がある人がちゃんと成功していってるんだみたいな筋書きに対してすごく何か合点が行くと言うか、なんかパブとかクラブでまだアンダーグラウンドな、まだ全然メジャーになる前に歌ってるシーンからどメジャーになるとこまでの彼女が描かれてると思うんですけど、安定してずっとガガ様なんですよね。どこを切ってもやっぱり本当にエンターテイナーなんだなーっていうのはすごく思いました。
グローバー:新谷さんはいかがですか?
新谷:そうですね現時点で本格的な出演作はあの2本だけで、もう1本がテレビドラマの「アメリカン・ホラー・ストーリー」という作品なんですけれども、「スター誕生」とはまた全然異なるタイプの作品なんですけれどもそれぞれ見事に演じ分けていて、たった2本しか出ていないのにもうすでに女優としての幅を見せつけたなという気がします。
グローバー:そうなると彼女の登場っていうのはエンターテイメントシーン、音楽シーンに限らず全体を変えていったところありますか?
今井:もう総合芸術なんじゃないですかね。ポップスターとアーティストって厳密に言うと違って、芸術の域まで昇華できる人のことをアーティストとあえて定義するならば本当にアーティストなんですよね、きっとね。
新谷:やっぱりポップミュージックの価値を高めたなと思います。大量に消費されるものではあるんですけれども、だからといって軽く見るのではなくて“アート"として捉えてスリーミーツポップソングの枠内で音楽とビジュアルでも最大限にこだわり表現する、そういうことの価値を彼女を見せつけてくれたし、あと当時プロデューサー主導と言われた時代の中でアーティストの主導権みたいなものを取り戻したのかなという印象もあります。
■音楽プロデューサー、今井了介さんが選ぶ『Lady Gaga 最高のダンスナンバーTOP3!!』
3位:Stupid Love
今井:これ、ビートとしても80’sを感じるシンセ使いとかベースラインとかがすごい際立っててですね、僕1971年生まれなので、やっぱり80’sって無条件にすごい影響受けてるんだなーって思わされます。当時は海外の洋楽を取り上げてくださる番組とかでマドンナとかマイケルとかを知って、だんだんこうニューロマンティックとかいろんな音楽があったと思うんですけど、そんな中でいちばんダンスポップのキラキラした時期をこの人がこうやって体現してくれるのは凄く素晴らしいなと思いました。
2位:Just Dance
今井:これはですね、だって最高のダンスナンバーって言われて JUST DANCE を選ばない理由がないじゃないですか。だって“ダンスしかない、ダンスしなさい"っていう曲なので、本当は1位なってもおかしくないはずなんですが、それを越える大好きな曲がどうしてもあったので涙をのんで2位です。
1位:Telephone feat. Beyoncé
今井:やっぱりビヨンセ好きなんですよね。このビッグコラボを最初知った時“どうにかしてこういうビッグコラボの曲を自分が書けないものだろうか"と本当に何度も思いましたしね。安室奈美恵ちゃんとDOUBLEさんのコラボで「BLACK DIAMOND」って曲を書かせていただいた時も、やっぱりこういう少しエレクトリカルなポップスを作ろうって言うのをどこか意識してたところもあったと思うんで、クリエイティブとか時代感とかいろんな意味で影響を与えてくれてるんだなとか、やっぱり音楽家ってたった12個の音でいろんなを旋律を紡ぐので、なにかしらインフルエンスを必ず与えてる強大な二人のコラボだなという風に思いました。それでもちろん踊れるしね。
まだまだ続くレジェンド『Lady Gaga』来週もお聴き逃しなく!
PLAYLIST
Just Dance / Lady Gaga ft. Colby O'Donis
Shallow / Lady Gaga, Bradley Cooper
Bad Romance / Lady Gaga
Born This Way / Lady Gaga
Til It Happens To You / Lady Gaga
Telephone ft. Beyoncé / Lady Gaga
■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
丸の内エリアでは、今日5 月2 日から、5 月4 日までの期間中、
「丸の内GW ミュージックフェスティバル2020」と題し、ピアノ、室内楽、オーケストラまでバラエティ豊かに、本格クラシックの音楽コンテンツを、YouTube にて配信しています。
毎年ゴールデンウィーク期間中は、音楽を身近に楽しむことが出来るイベントを開催していましたが、今の状況を踏まえ、すべてオンラインでの配信へ切り替えてお届け!
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて音楽コンサートが相次中止となる中、この企画では、アーティストの演奏機会創出を目指し、若手アーティストが、自宅からスマートフォン1台でライブ配信する生演奏企画や、小原孝さんによる弾き語り、国内外のコンクールで受賞し最近はYouTuber Cateenとしても活躍する角野隼斗さんのコラボ企画も。そして、子供に大人気のガチャピン・ムックも登場。
有名アニメのテーマ曲をタンバリンとピアノで楽しく奏でるほか、動画総再生回数が2億6千万回を超える人気YouTuber ピアニストよみぃをスペシャルゲストに迎え、コラボレーション演奏も披露します!
配信は、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会の公式YouTube チャンネルピティナで行います。是非ご覧ください。
また、期間中の配信スケジュールは、丸の内エリアの情報発信サイト、“丸の内ドットコム”にも掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。
今年のゴールデンウィークは、子どもから大人まで、音楽に気軽に触れ合えるミュージックフェスティバルを、ご自宅でぜひお楽しみください!