今週は、2 年3 か月ぶりとなる日本アルバムをリリースした『BTS』のPart2!ゲストには引き続きトレンディエンジェル 斎藤司さん、K-POP 評論家の古家正亨さんをお迎えしました。
■ライブの魅力
グローバー:お二人ともライブはもちろんご覧になってます。ライブの一番の魅力って言うと?
斎藤:規模ですかね、スケール。ドームもスタジアムも観させてもらったんですけど、とんでもないセットでディズニーランドみたいなのが出てきたんですよ。モンスターみたいなセットんですけど“何だこれ!?他どこでも使い道ねーだろ”ぐらいのそれをこんなデカイ規模で使っちゃうっていうその規模にただただ驚かされるっていうところがありますね最初は。あとめちゃくちゃ覚えてるのが上からベッドが降りてきたんですよ。しかもそのベッドが斜めって出てきてVが寝転がってて“何が始まるんだ?”みたいなドキドキ感。”観たことないこのパターン”みたいな。その演出の感じとかもめちゃくちゃ覚えてますね。
グローバー:歌い出す前、パフォーマンスする前のイントロからドキドキワクワクってことですね。古家さんはどうですか?
古家:僕は逆に裏方目線で言いますと彼らのファンミーティングっていわゆるトークで楽しんだりするパートってのは1時間ぐらいで、あとはライブなんですよ。じゃあ僕何してるかって言うとステージの下にいるんです、待機してるんですよ。そうすると彼らのステージでの動き、足の音、床が揺れる音、それからイヤーモニターから入ってくる彼らの声、全部ライブ中聞こえるんですよ。これ皆さんに言ってもなかなか信じてもらえないんですけど、彼ら生歌なんですよね。生歌でヘッドセットマイクしてK-POPのアイドルのようなパフォーマンスすると大体の人たちは息切れするんですよ。JUNG KOOKくんとかJIMINさんとかは息切れしないんですよ、それほんと不思議で。でもこれは昔聞いたことあるんですけどやっぱり1日平均10時間以上練習するって言うじゃないですか、そうするとやっぱり息切れしない方法があるみたいで、息の音がマイクに入らない歌い方があるみたいで…それを聞いた時“この人たちどんな練習してんだろう?”って。これはやっぱり役得でした。
斎藤:いやぁ本物ですねー。
グローバー:ライブで特にこの曲がきたらアガっちゃうなって曲、何ですか?
斎藤:「IDOL」ですかねー。みんなでジャンプできる感じと言うか、もうテンション上がっちゃいますね。
古家:僕はですね「We Are Bulletproof Pt. 2」デビュー初期の曲なんですけどこの曲のパフォーマンスはまさに『防弾少年団』です。パフォーマンスそのものがあらゆる社会の弾を受けてますからね。それをこう自分たちで跳ね返し自分たちの価値観で表現してくれるって言う熱を見た時“うわ!グループってカッコイイ!”って思ったんですよ。
■K-POP を知り尽くし、BTS を見守り続けて来た古家正亨さんが選ぶ、
『これがBTS のターニングポイントだ!ナンバー TOP3』!
3位:Danger
古家:デビュー当時はちょっとヒップホップ色の強いとんがった楽曲が多い中で、もちろん「Danger」も圧ある楽曲なんですけどもサビに行く前が特にメロディックっていうか何か一瞬爽やかな感じにさせといて、サビでゴリゴリいくっていう今のBTSの楽曲の典型的なパターンだと思うんですけど、そのパターンを垣間見ることのできる楽曲が「Danger」じゃないかなって感じがして、未だに僕のプレイリストの中ではこの曲は結構回ってます。
グローバー:そこで作ったスタイルっていうのは大きかったんですね。
古家:僕は大きかったんだったんじゃないのかなーって思いますけどね。彼らの曲ってサビに行く前一瞬爽やかにさせてくれる曲って結構多いんですよ。その爽やかさが凄く好き。 もちろん全て好きですけどね。
2位:I NEED U
古家:絶対ここで裾野が広がりました。ファン層が広がったと言っていいと思います。
グローバー:それいろんな音楽をケアしてる人?いろんな国の人ってことですか?
古家:K-POPを聴いてる人だけじゃなくて普通に洋楽だったり、アイドルの曲だったり本当に幅広いファン層を開拓した1曲だと思うんですよね。それぞれ見るポイントによってこの楽曲の魅力が違ってたりするんですよね。すごくキャッチーな曲であると同時にBTSらしさもあるし、それからミュージックビデオ観るとこのパフォーマンスの凄さ、特にサビあとの間奏のパフォーマンスが凄いんですよ。これをやりたいカバーダンサーは多いと思う。
斎藤:もちろんやりますよ。
古家:花様年華というアルバムのシリーズの中でも突出した楽曲じゃないかなと思いますね。
1位:IDOL
古家:これはもうダントツです。なぜダントツかって言うと、ターニングポイントっていう点で言うとですね、多分彼らの中ではきっともうビルボードで1位も獲ってるし、夢はグラミーだと思うんですよ、授賞式じゃなくて自分たちが受賞したいって言う。僕はできればこの「IDOL」でなんかの賞獲って欲しかったって言うのがあって。もう過去の曲にはなってしまったんだけどそれだけこの曲には特徴があると思うんですよね。今までK-POPのグループって世界進出を試みて多くのグループ、ソロアーティストが正直良い成果を残して来れなかったってところがあるんですね。その理由っていうのが“あえて韓国らしさを出さない”ところだったんですよ。アジア的韓国的というものを全面的に出したところでなかなか欧米の壁っていうのは崩せない、これはもう日本人アーティストの欧米進出でも分かってるところだと思うんですけども、でもあえて彼らはこの「IDOL」に韓国らしさをぶつけてきたんですよね。しかもその韓国らしさって言うのは伝統楽器だったり、パフォーマンスだったり、衣装だったり、そういうとこでいろいろちりばめてはいるんですけども、でもそれをあえて“韓国のアーティストです、韓国の楽曲です”っていう風に主張はしないんですよ。それをさりげなく取り入れて気づいたら“なんだこの聴き覚えのない音は”言ったらこれは韓国の国楽器だって…そういうところでこれまでなかなか他のグループが欧米の壁を崩せなくってあえて避けてきた道に挑んだというところで僕はいろんな意味でのターニングポイント、K-POPの歴史においてもターニングポイントじゃないかと思いますね。
■キャッチコピー
斎藤:BTS とは…「サザエさんの中島」である!
僕にとってはですよ、もちろん個人的な見方が入ってるんですけど、およそスターとは思えないんですよ一緒に接してると。本当にもう中島とカツオぐらいの関係で喋れるんですよ。
グローバー:自分がカツオの気持ちになるぐらい“オイッ”って?
斎藤:そうですそうです、アタマが波平なんでややこしいですけどね(笑)でもほんとそれぐらいの“あれ?この人スターだったよな”と忘れさせてくれるぐらいの人達なんだけど、でも“俺と喋ってるのはとんでもないスターなんだ“ってふと気づくいう。
古家: BTS とは…って言うより僕はもう「BTS Makes One」ってあえて言いたいですね。欧米では第2のビートルズじゃないかって言われてるわけですよ、そうするとそれに対してビートルズのファンが怒るわけですよね。でも僕はそうだと思うんですよビートルズが成し得た事っていうのはある種の音楽革命だったと思うんですね、でも今BTSが時代の寵児として注目をされてるっていうのはやっぱり今聴く音楽から観る音楽へっていう風に時代が変わる中で音楽の価値観も大きく変わってますからビートルズと当然比較なんてできないんですよ。でもその社会的影響力、それから世界の若者を音楽で一つにできるっていう力を持ってるアーティストは今やっぱりもうBTSが一番だと思うんですね。そういう意味ではやっぱり彼らが成し得た事っていうのは凄いことであると思うし、音楽的にって言うよりも社会的に彼らが与えたインパクトというのは大きいと思いますし、僕は逆に日本から将来的にこういうアーティストが出て欲しいっていう風にやっぱり思います。
2週に渡るレジェンド『BTS』ラストは「Not Today」で締めくくられました。
PLAYLIST
We Are Bulletproof Pt. 2 / BTS
Dimple / BTS
Euphoria / BTS
Stay Gold / BTS
IDOL / BTS
Not Today / BTS
■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。