2020.08.15 ON AIR
【マライア・キャリーPart2】May.Jさん、音楽ライターの池城美菜子さん登場!

今週は、マライア・キャリーのPart2!ゲストには引き続き、May.Jさん、音楽ライターの池城美菜子さんをリモートでお迎えしました。

■ライブの魅力

May.J:まだ実は今だに生で観たことが無いんですけれども、1回チケットをゲットして行こうと思った日に熱出ちゃったんですよ。でもライブの映像は勉強のためにすごい観てます。あと自分のライブの前日とかに観るとすごくインスパイアを受けますね。マライアのCD以上の上手さっていうのをライブで出せるっていうのが本当に凄いなと思っていて、特に昔の映像を観るとそう思うんですけれども、先週お話した口笛のような凄い高い音、ホイッスルみたいな感じの音をCDだったらもしかしたらごまかせるかもしれないっていう風に聴いてる人もいると思うんですよ。でもライブを聴くと出してるんですよ。お客さんもそのパートにいくと“うわーっ!”ってなるんですよ。
グローバー:ライブはごまかし効かないですからね、本人もイチカバチカではできないですよね!みんなが期待して待ってるとこにトーンと当ててくってのはもう凄い!
May.J:凄いプレッシャーで歌えなくなるはずなんですよね。それを超えるんですよ。だからすごい強い心を持ってる人だなと思いました。
グローバー:そっか、心の強さ、心の素晴らしさも感じる。池城さんはニューヨークでマライア・キャリーのどんどん出ていく姿ご覧になっていたわけですが、ライブについてはどんなところが魅力だと思いますか?
池城:ライブのチケットを取るのは本当に大変で、ちょっとお仕事柄招待していただくにしてもマライアは大変で、私割と長く居たんですけどアメリカで2回、日本で1回しか観た事無いんですね。だから30年で3回、パーティや何かに行って観たのが2回かな?
グローバー:この姿忘れられないなーっていうシーンありますか?
池城:1999年のアカデミー賞でずっとライバルだという風に目されていたホイットニー・ヒューストンと一緒に『The Prince of Egypt』のタイトル「When You Believe」を歌ったんですけど、見た目がちょっと違うからみんな気がつかないけれどもR & B、ゴスペルをベースにしてポップを歌う、そして露出をあんまり初めのうちはしなかった。ホイットニーは90年代非常にトラブルを抱えてそれもみんな見ていて心配してた時期に、マライアが“一緒に頑張りましょう”みたいな。並んでるのも感動的だしマライアはあの時すごくホイットニーを立ててるんですよ。あれはなんかすごく感動しました。
グローバー:そういう戦友のようなステージがあったわけですね。

■音楽ライター:池城美菜子さんセレクト!
「音楽史に残る、究極のマライア・キャリーLOVE SONG TOP3!』


3位:One Sweet Day with Boyz II Men <from Album「Daydream」(1995)>

池城:95年ですね。私が行ったばかりの時で流行ってましたし、恋愛の始めの方の甘酸っぱい感じが出ていて爽やかだったっていうので、ものすごく流行りました。
グローバー:これはBillboard Hot 100 通算16 週1 位という大ヒットナンバー、この爽やかさが第3位。

2位:Without You <from Album「Music Box」(1993)>

池城:マライアの曲って歌えないんですよ基本的に。だからアメリカン・アイドルとかザ・ヴォイスとかの勝ち抜き番組でマライアの曲を選ぶとみんな“え?!歌っちゃう?”みたいな空気になったり、ホイットニーと2人はそれがあって。
グローバー:オーディションには向かないよ、危ないよ、って言う。
池城:“それは!”みたいな感じになるんですけれども、「Without You」は割とそこまでじゃないから結構歌う方が多いんじゃないかなっていう。あとすごく歌詞がシンプルですね。“あなたなしでは生きていけない”っていうその感情がすごく素敵だと思います。
グローバー: May.Jさんいかがです?この「Without You」。
May.J:オクターブ上で歌うんですよ、途中から。だからね結構キーが難しい(笑)
池城:そうなんですね!
May.J:たぶん男性用の曲なんですよねコレ。
池城:難しいんだぁ、反省しました(笑)
グローバー:原曲が男性が作った曲だからひょっとしたら歌いこなすには女性は本当に難しいということなんですね。。

1位:We Belong Together <from Album「The Emancipation Of MIMI」(2004)>

池城:これは私もすごく好きですし、よくアメリカの音楽媒体で“究極のLOVE SONG”とかって言った時に必ず上位、下手したら1位に入る曲です。歌詞が素晴らしい。失恋の曲なんですけれども、歌詞の中でマライアがラジオをつけてベイビー・フェイスの曲が流れてきて、それで泣いちゃうみたいな。“今これ聴けない…”みたいな歌詞があって、それでみんなやられるっていう。要するに曲中に劇があって、たぶんみんなベビーフェイスの曲を聴いて“今無理”って思った事ってあると思うんですよ。初めて聴いた時“この歌詞は凄いなー”って思いました。
グローバー:このラブソングの中でオーバーラップして聴こえてくるまたスペシャルなベビーフェイスのラブソングとかがレイヤーであるんだ。
池城:そうです。なんか2重構造のような。

■マライア・キャリーの影響

グローバー:今の音楽シーンを見た時にやっぱりマライア・キャリーが居たからかなぁって思うような最大のもの何だと思います?
May.J:私は世代的にはマライアのデビューとかはもちろん知らなかったんですけど、後々マライアの声をすごい聴くようになって、たぶん私と同じくらいの世代、あるいはもう少し若い世代の子達はすごく影響を受けていると思うんですね。例えばポスト・マライアって呼ばれているアリアナ・グランデも“もうマライアにすごい影響受けた”っていう風に公言してますし、他にもきっと言ってないけどすごく影響を受けてるんだなって思うアーティストの方がたくさん居て、マライアっぽいフェイクってちょっと歌い回しがインプロヴァイゼーションって言うんですけど、ちょっとこう遊ぶ時の歌のその感じがマライアに似てるなーっていう人はたくさん居ますね。
グローバー:あーそれはもうひょっとしたら気づかないうちになってるようなところもあるかもしれないですよね。
May.J:あると思います。やっぱり私も凄い影響を受けたのでフェイクをする時はマライアから受けたものを自分なりに表現することはありますね。
グローバー:フェイクをする時は自分の感情をこうパッと出す時にマライアがやってた表現のやり方で自分の気持ちも出せるとかそういう風に思うんですか。
May.J:そうです。その音階の音の選び方とか結構細かいんですけれども癖があるんですよねマライアのフェイクのやり方って。曲の始まりとか曲の終わりとかにフェイクでちょっと飾り付けをすることがマライアはあるのでそういう部分は結構影響受けましたね。
グローバー:池城さんはいかがですか?
池城:やっぱりポップからスタートして、でも自分の居場所がR & B寄りだっていうことを打ち出しつつ、その後ずっとヒップホップが強い時代に入った時も彼女がヒップホップと R & Bとホップの橋渡しをしてきたっていうところでどちらからも愛されて分け隔てるのではなくひとつにする。自分のキャリアを築きながらアメリカの音楽をずっとこうまとめてきたという意味ではみんなのお手本になってる人だと思います。
グローバー:これはなかなかやろうと思っても本当に難しいことですからね。 彼女の存在キャラクター一歩一歩がそうやっていろんな音楽の橋を架けてきた。まとめて大きく大きくしてきた。

■キャッチコピー

May.J:マライア・キャリーとは『真のディーヴァ』である!
最近いろんな歌手の方を簡単にディーヴァっていう時代になってるじゃないですか。でも私はやっぱりディーヴァの元になる人っていうのはマライアだと思うんですね。もう本当のディーヴァだと思います。マライアの凄いところっていうのは50代ですよね。いつまでたっても“今がベスト”っていう生き方をしてるんですね。今付き合っている彼氏がすごいカッコイイんですよ、バックダンサーで日本人の血も入ってるブライアン・タナカっていう人なんですけど、すごい若いし、カッコイイし、なんかそんな人をゲットできる(笑)年齢差もあるけど。今になっても常にキラキラしてるマライアって本当に凄いなと思います。

池城:マライア・キャリーとは『全世界の歌姫、からのラスボス』である!
もう誰も倒せないですよ(笑)倒せないし、アリアナ・グランデとか本人も倒したくないと思ってると思う。マライアはマライアとして君臨してて欲しいってビヨンセであってもアリシア・キーズであっても誰でもみんなそう思ってると思う。
グローバー:そうかそれってまさにいろんなディーヴァって呼ばれる人出てきたんだけど、やっぱご本尊はみんなで守ろうよという感じなんですかね?
May.J:きっとそうだと思います(笑)
グローバー:倒す相手じゃないんですね!

ラストはMay.Jさんのいちばん好きな曲『My All』で2週に渡るレジェンド『マライア・キャリー』は締めくくられました。

PLAYLIST

When You Believe / Mariah Carey & Whitney Houston

I know what you want / Busta Rhymes and Mariah Carey feat. The Flipmode Squad

We Belong Together / Mariah Carey

Through The Rain / Mariah Carey

Smile At Me / May J.

My All / Mariah Carey


■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。

次週のテーマは「ケツノポリス」リリースから20年!ヒップホップ・グループ ケツメイシ!ゲストには、ベリーグッドマン MOCAさん、俳優の稲葉友さんをお迎えします。お聴き逃しなく!