2021.01.09 ON AIR
【The Weeknd】Seihoさん、クリエイティブ ユニットAmPm登場!

今週のレジェンドは、インターネット時代のNewカリスマ、The Weeknd
ゲストには、Seihoさん、クリエイティブ ユニットAmPmをお迎えしました。

■The Weekndとの出会い

グローバー:まずSeihoさんはウィークエンド初めて聴いた時、どの部分にぐっと持ってかれましたか?
Seiho:当時2011年とか、ちょうど9年前とか8年前とかにインターネットで聴いたのが最初なんですけど、その当時って例えばSoundCloud でいろんなアーティストが発表してて、その前にミックステープカルチャーとかもあってウィークエンドも最初はそういうミックステープでリリースしてたんですよね。その時はジェイムス・ブレイクも居たしフランク・オーシャンも居たし、ジャンルでいうとバンドやってる人たちはチルウェイヴになってたり、ヒップホップやってる人たちはトリルウェイヴっていうジャンルになったり、電子音楽で言うとウィッチハウスって言うジャンルが流行ってたりとか、そういうのがすごい入り混じってた時代にポンと出てきて僕の中ではそんなに深い印象が無いんですよね。
グローバー:飛び抜けて入ってきた訳じゃなくてワンノブゼムとして聴いていたと。
Seiho:そう。
グローバー:そうするとじゃあここまで出てきて驚いたって感じですか?
Seiho:そうですね、結論みたいなことを言っちゃうけどアメリカンドリーム代表みたいなところは結構あるんかなみたいな。
グローバー:そうか、そのザワザワうごめいてた中から何がどうしてか分からないけど彼が夢を勝ち取っている姿含めてみんな惹かれると。周りの音楽作ってる仲間たちもそんなに最初からケアしてはいなかったですか?
Seiho:そうだと思いますよ。現状今もウィークエンドはミュージシャンの中でも意見が分かれるアーティストだと思います。
グローバー:これはAmPmさんも頷いてますけど。
AmPm:もうSeihoさん本当早いなっていうか2011年からって言うとデビュー当時だと思うんで、僕とかは2016年に海外で売れ出してきてるっていうタイミングで丁度LAに行ってる時だったんでカーラジオから流れててめちゃくちゃかかっているっていうので知っていたので。その後やっぱりSeihoさんが言われてた音楽の部分とかを掘ったら結構ヤバイ。ヤバイって言ったらちょっと恐縮なんですけど、その時とはなかなか結びつかないような本当にアンダーグラウンドミュージックって言っても良いくらいのものをやってるなと思ったんで“これなかなか売れづらいな”というのは個人的には感じました。
グローバー:それがこうしてもう今年はこの後スーパーボウルのハーフタイムショーというところですからね、いやぁ驚く展開。
AmPm:ロサンゼルスとトロント。どちらでもかかっていてShazamで早速やってみたらモノクロのアートワークが出てきて。
グローバー:そのShazamしたくなった時っていうのはやっぱり何か引っかかって?
AmPm:引っかかりましたね。今思い返すと僕の中ではすごい新しい音楽と言うかいい塩梅でR & Bなんだけどちょっと今まで聴いたことのないR& B のテイストで全く違う2曲という印象を受けつつも声がとにかく病みつきになるような感じで入ってきたんですよね。その時に“こんなアーティストいたんだ!?”ってちょっとデビューから遅かったんですけど僕としてはそこが初めての出会いですね。
グローバー:周りの人たちはどうでした?
AmPm:僕もDJしたりしてたんですけど、知らない人は全然知らなくて、うちの妻は元々LAに住んでたのでチェックしてたらしいんですけど、日本にいる人はあんまり知らなかったりしたから“あれ?みんなは注目してないんじゃないかな?”っていう風に思ったぐらいです。
グローバー:結構だからこのウィークエンドの存在って知らないうちにいつのまにか浸透してて、いつの間にこんなビックになってたんだろうというようなね。本当にねチェックしてる人でさえそういう感覚ですけれども。じゃあ今に至るまでいろんな曲聴いてきてAmPmさん的にはここの部分がグッとくるなというのは今はいかがですか?
AmPm:相変わらずヴォーカル、声ですね。トラックはいろいろ歴史というかコラボだったりプロデューサーだったりがあると思うんですけど僕はやっぱり元々マイケル・ジャクソンが大好きなんですよ。それもあってまあそこは確実に引き受けてるだろうし、あのハイトーンボイスで歌えるシンガーはあまり居ないから、それでライブも観に行こうと思って幕張のチケット取って自分で確かめに行きました。
グローバー:声はいかがでしたが?
AmPm:やっぱ最高でした。
グローバー:あのトレードマークの声、そしてSeihoさんとお二人とも『Can't Feel My Face』この曲は印象的だということでアンケートでお答えいただいてますがSeihoさんこの『Can't Feel My Face』いかがですか?
Seiho:色んな所に散らばってるジャンルをうまく集めてくるのが本当に得意だなっていう。それはミュージックビデオにも言えることなんですけど、すごいオタクっぽい要素と言うかヒップホップで言うサンプリングみたいなこの部分とこの部分を引用してきて“この部分とこの部分の要素を掛け合わせるの面白いよね”みたいなことがリスナー目線で聴いた時もその文脈が読み取れるようになってるみたいなのはすごくよく出来てるなって。
グローバー:持ってくるとこがまた結構分かりやすいですよね。その上手さがある。
Seiho:そう。

■ウィークエンドが歌うことで新しく感じる

グローバー:ミックステープインターネットの中でワンノブゼムだったところから広がっていった。これはおそらく声だけじゃない部分、新しさがやっぱりあったんだろうと思うんですがいろんな背景踏まえてAmPmさんどんな風に思います?
AmPm:僕もマイケル・ジャクソンはすごい大好きで子供の頃から聴いてたんですけどウィークエンドはどんな音楽聴いてきたのかな?と思うとたぶんマイケル・ジャクソンとは全然違うそれこそさっきSeihoさんも仰られたパンクとかニューウェーブとかなんでしょうね。このロックの感じだったりダンスミュージックの感じをすごい受けるのでどちらかというと結構自分でディレクションっていうかいろんな要素をつむぎ合わせてそこにマイケルとかプリンスへの憧れを歌に乗せてやってるから常に何か新しいことやってたり新しいプロデューサーを探してるのかな?っていうのは作品を追っていったりするとすごい感じますし、読めない部分も一方でありますね。アルバムにストーリーがあるようで無いんじゃないかなって。結構あるのかなと思ってMV観たりとかしてるんですけど、どこでも繋ぎ会わない部分もあったりして。
グローバー:Seihoさんは細かい部分“あ、これあれだな”とか小ネタもニヤッとしながら聴いてるんだと思いますが、そのネタの拾い方今大きく分けてR&Bとロックと別けた時にロックリスナーもものすごく反応する要素っていうのが多いとういうのは特徴かもしれないですよね。
Seiho:多分そこが結構重要だと思ってて本人もピンク・フロイドが好きとかそういうプログレッシブ・ロックから引用してる部分とかそれこそ今回の『After Hours』の「Scared To Live」でエルトンジョンの『Your Song』がサンプリングされてたりとか“そこから持ってくるか!”みたいな。しかもそれ自体がマニアック過ぎないと言うかそこが“ベタベタやけど嫌味じゃなくやれる”って言うのは彼の素質な気がしますね。
グローバー:お二人に一番好きな曲は?という質問したらアンケートで同じ曲『I Feel It Coming feat. Daft Punk』でした。これも大きいところとコラボレーションしてまた素晴らしい曲を作りました。AmPmさんいかがですか?
AmPm:本当に当時を思い返すと僕の中ではグラミー1位になってもおかしくないじゃないかなと思うぐらいに何度も聴き返した覚えはあります。昔のディスコの要素も入ってるんですけどウィークエンドが歌うことでその時はすごい新しく感じたっていうのがあったんで未だに聴いてます。
グローバー:ダフト・パンクってクラシックて言われるような曲を出してきてるからそれこそここと組んで新しい物を作るってまた結構ハードルがあるじゃないですか。それで越えていったっていうのはSeihoさんどんな風に見てます?
Seiho:ダフト・パンクとやるって言うことも踏まえて彼の中でオタク像とアメリカ像みたいのがすごい大きくて、例えばダフト・パンクが松本零士さんに頼んでミュージックビデオを作ってたりとか、あれ自体もすごい引用っていうかそもそもフレンチエレクトロ自体が引用の音楽じゃないですか、そことやるのと、良き時代のアメリカみたいなものを彼は表現しようとしてる部分はあると思ってて、例えばワム!とかホール&オーツって擦られすぎて古くならないじゃないですか、それ自体が向こうのティーンネイジャーからしたらダサカッコイイみたいな文化があると思うんですよ。それって何回も再生産されて古くならない問題みたいなものをウィークエンド自身がどうやって自分たちの懐かしさを取り戻すのかって考えた時に古い音楽をもう1回古いままアップデイトするみたいなやり方が今のアメリカのトレンドなんやなっていうのは凄いこの曲で感じたんですよね。

■AmPm セレクト!「このコラボは秀逸だなぁ?!The Weeknd ナンバー」
TOP3!!!


3位 「Over Now」with Calvin Harris,

AmPm:カルヴィン・ハリス自体は皆さんご存知だと思うんですけど、ウィークエンドの今までの曲の中ではこういったちょっとメロウなダンスホップと言うかそういうものって意外に無かったんじゃないかなって。このコラボレーションというのは個人的にはすごいカルヴィンハリスっぽくもないなって部分もあったりして“誰だろこれ?”って。まあウィークエンドの声があるんで分かるんですけど、それを当時聴いてこのコラボレーションは他の曲の中では何度も聴いていたので3位に入れさせてもらいました。

2位 「Pray For Me 」with Kendrick Lamar

AmPm:これは『ブラックパンサー』っていう映画を観ての影響がすごくあったんですけど、イメージで言うとウィークエンドの中ではポップではないなっていうのがあるんですけど、色んなカルチャーの中で言うと結構昔に戻ってるのかな?いう感じもありつつケンドリック・ラマーが居るからできてるっていう。でもこの『ブラックパンサー』っていう映画になって世界中の色んな人が世界中で観てるっていうのは、それをストーリーみたいなものまで考えちゃっていまだに好きで聴いてます。
1位 「Lust For Life 」with Lana Del Rey

AmPm:この曲はすごい透明感。ウィークエンドの透明感が唯一出てるんじゃないかなと思うぐらいにサウンドとしてももうこれが一番僕の中での良い意味でのバラードって言うか、本当に綺麗なままだったのかな?ラナ・デル・レイのこと好きになっちゃったのかな?って思いつつ本当に初恋的な感覚で作ってるような初々しさを感じちゃったんですよね。
グローバー:ウィークエンドって清濁の濁ってる部分もいっぱい持ってる人だけどでもこの清らかさがあるっていうとこがハッとさせられますよね。
Seiho:ここが多分すごいバランス感覚で彼自身の心の中の矛盾みたいなものが曲になってたり、その逆になってたりして、すごいマッチョなこと言ってるのに実はナヨっとしてたりとか、すごい女性想いの歌詞やと思ってたらめちゃくちゃひどい男の歌出てきたりとか、そのギャップみたいなものが彼自身の中にもあるからでもその矛盾こそが実際はピュアって言うか。

まだまだ続くThe Weeknd来週もお聞き逃しなく!

PLAYLIST

House of Balloons / The Weeknd

Can't Feel My Face / The Weeknd

I Feel It Coming feat. Daft Punk / The Weeknd

False Alarm / The Weeknd

Beyond Dance Music / Seiho

Lust For Life feat. The Weeknd / Lana Del Rey



■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■Seihoさんの詳しい情報はオフィシャルTwitter
■AmPmの詳しい情報はオフィシャルサイト

次週はThe WeekndのPart2!ゲストには、引き続きSeihoさん、クリエイティブ ユニットAmPmをお迎えします。お聞き逃しなく!