2021.03.20 ON AIR
【DAFT PUNK】SOIL&"PIMP"SESSIONS 社長、80KIDZ ALI&さん登場!

今週のテーマは先日、解散を発表したDAFT PUNK!
ゲストにはSOIL&"PIMP"SESSIONS 社長、80KIDZ ALI&さんをお迎えしました。

■ダフト・パンクとの出会い

グローバー:僕は社長がダフト・パンクを語るって結構意外だったんですよ。やっぱジャズの人っていうイメージがね。色々ミックスはしてるけどダフト・パンク特集にソイルの社長が来る?って思って。
社長:まあ僕はいろんな音楽聴いてきてて、それこそ昔僕が育った西麻布のYellowというクラブ、そこを考えるとJazzin'っていうパーティもやってたけどハウスのWORLD CONNECTIONっていうパーティにも行っててDISCO BABYっていうディスコのパーティにも行ってて、その辺が含めて僕の血となった訳で、そうなってくるとむしろドンズバなんですね。
グローバー:そうなんですね、じゃあまずちょっと振り返って、出会いはクラブのフロアー?
社長:最初は多分テレビで「DA FUNK」がかかってて。その当時はいわゆるオーガニックなハウスとかテクノが好きであんまりブリブリしすぎてるエレクトロはそこまで興味がなかったんだけど“なんかこれ違うなぁ”と思って“なんだろうな?”とずっと耳にこびりついていて、それが最初の出会い。
グローバー:ちゃんとダフト・パンク、こういう曲って認識したのはいつでした?
社長:でもこれで“DA FUNKって曲なんだ”って。それで最初のアルバム。“こういうのがあるんだね”って出会って。DJっていろんな曲聴いて覚えるんだけどダフト・パンクの楽曲ってその浸透度が半端なく早かった、かけないけど頭で流れるみたいな。その印象がやっぱ凄く強くて。で、そのうちに僕がよく遊びに行ってた青山にMIXっていうクラブがあって本当にコアなDJがたくさん居てむしろ生音のDJが多かったと思うんだけど、そのレアグルーヴとかファンクとかディスコをかけてるすごいカッコイイ憧れてた先輩のDJがそのプレーの中に「One More Time」を入れたの。そこ。あの瞬間今でも覚えてるんだけど“あ!なるほど!”っていうね。そこでこのいろんな回路が繋がっていってなぜこのダフトパンクが好きなのかっていうところを僕もそこで気が付いて。なんかJazz DJの中でのエレクトロ蔑視みたいなのがちょっとあった時もあるんですよ実は。僕は“めっちゃカッコイイじゃん”って思ってたけど胸を張ってめっちゃカッコイイぞって言えなかった自分も居た。だけどそこでも初めて自信が持てた。その先輩DJのおかげで。深みがあるんですよね。中でもいちばん僕がグッときたのが「Giorgio by Moroder」。エレクトロミュージック、シンセサイザーミュージックの中では本当にもう外すことができない”この人が居たから今がある”みたいな方のモノローグから始まる曲ですね。
グローバー: ALI&さんは思い出すといつどんな時でした?
ALI&:僕その当時ギターキッズからエレクトロミュージックに興味を持ち出してDTMという今は DAWとか普通に制作環境であるんですけどDTMというワードをここで自分で色々調べて知ってしまうっていう。
グローバー:今すごい当たり前に音楽の普通の作り方になりましたけど、その当時は楽器持ってみんなで合わせるのが普通だったけど一人デスクトップで音楽を作ろうと。
ALI&:そうですね、もう衝撃的で。もう“これはギターなのかシンセなのか何なんだ?もうわかんないけどとりあえずギターで弾いてみよう、んーなんか違うぞ”みたいな。そこからどんどんエレクトロニックミュージックに興味を持つんですけど、おそらくアルバム 『Discovery』は僕のような少年がたくさん誕生したアルバムなんだろうなと。楽器以外にいろんな表現の仕方があるんだよっていうのを分からせて頂いたっていう感じがあります。
グローバー:そこからこの曲好きだな、この曲研究して探したっていうのありますか?
ALI&:僕はこのアルバムの時はまだ初期衝動だったんですよ。ちょっとずつDJ をやり始めたぐらいから「DA FUNK」が本当に全てが最高だなって後から分かってきたという。もう無駄がない。象徴的なリフもそうですし、ビートのグルーヴ感もそうですし、そういう部分で“これがダンスミュージックなんだな”ってすごくキャッチーな意味で分かったっていう感じですよね。

■ミュージックビデオ

グローバー:ミュージックビデオも印象に残るもの多いです。ダフト・パンクと言うとこれが好きっていうのは?
社長:アルバム『Discovery』 に関しては全曲にアニメーションが付いていてしかも通してみたら一つの長編アニメですよ。
グローバー:当時どう受け止めてました?
社長:まず松本零士先生が動いたっていうところで、すいませんちょっとまたそこでダフト・パンク舐めてました、、、と思った。“松本零士先生動かせるんだ!”っていう。もちろん凄い数字も出してるアーティストだって分かってたけど“いや、そこ動かしたか!”っていう。しかもあの物語、もう…
ALI&:なんかダフトがまだ仮面を被る前、日本に来た時にすごい懇願しに直接会いに行ったというのを聞きました。そういう経緯があって次のアルバムは全部松本先生にお願いしたいっていうのをその時から言ってたみたいですね。
社長:そうなんだ。結構音楽的な仕掛けというか音楽のヒストリーから“あ、そこに紐付くんだ”みたいな仕掛けもあるからどちらの発案なのか。何にしても松本先生の絵作りがすごいオタク心をくすぐるというか。
グローバー:ミュージックビデオの世界でもサンプリングの美学みたいな。
社長:そうそうそう。
グローバー:この松本零士先生もそうだし、他のいろんなビデオにも炸裂してますけど、ALI&さんはお好きなビデオというと何ですか?
ALI&:僕は「Around The World」でミシェル・ゴンドリーが監督してるMVですね。これはもういつの時代観てももやっぱり独特というか、ああいうMVかっこいいなーって思いますね。

■このルーツって、ソウル?ファンク?ジャズ!? ダンスミュージックの枠には収まらない!社長セレクト「ミクスチャーなエッセンス光るダフトパンク曲」TOP3!!!

社長:さっきグローバーくんが言ってた通りサンプリングアートなんですよこれは。過去の名曲たちの一番美味しい部分を抽出してそれをアップデートしていくという。その抽出元が実はジャズのアーティストの曲も多いっていうところからその切り口で3曲選んでみました。

3位:Digital Love

社長:リフがジョージ・デュークの「I love you more」って曲そのままなんですよ。ジョージ・デュークですよ、ジャズレジェンドですよ。こういう形でアップデートされるって。この1ループがまた新しい形で未来を見るみたいなね。

2位:Crecendolls

社長:3位の曲がジョージ・デュークのイントロだけだったのに対してこの曲はインペリアルズの「Can You IMAGINE」のメインメロディそのまんまひたすら繰り返すというある意味サンプリング中で一番怖いというか、もちろん権利問題は置いといて曲を作るにおいて元々あるインペリアルズというグループの曲そのままなんですよ。これがひたすら繰り返されていくだけなのに“なに?この高揚感” それもまたサンプリングの面白さなんじゃないかなと。
グローバー:これってやろうと思ってもなかなか難しいのか、ダフトパンクのマジックはどこにあるんですか?
社長:サンプリング関してはまさにセンスです。どこを切り取って、どうエディットして、どう展開をつけていく、どう別の音を重ねてどんなBPMを設定するか。あらゆる項目においてこの二人は長けてるんですよ。

1位:One More Time

社長:もうほんといろんな意味で偉大な曲で、これは原曲はソウルのエディー・ジョーンズって方の「More Spell On You」って曲が元なんだけど、これが違うのは原曲とは全く違うんですよ。元ネタを切り刻んで再構築してこのリフを作ってるんですよ。元々ホーンとシンセが混ざったようなリフなんだけどその一つのコードごとに全部切っていらないところを取ってガッチャンコして同じボタンを押してるだけみたいな。それで“何?このかっこいいリフ”って感じじゃないですか。
ALI&:これ多分その当時のヒップホップカルチャーからおそらくめちゃめちゃ影響を受けていてダンスミュージックとかそういったヒップホップのカルチャーも全て混ぜてやったのが多分ダフトパンクであって、それ以降のフレンチエレクトロっていう流れになるんだろうなっていうのは今聞いててすごい思いますね。
社長:そうだね、で、さっき言ってたDTMの最後なのかも知れない。多分これってパソコンで波形をエディットしたら生まれないと思う。MPCがあったからこれが生まれたと思う。サンプリングした音を16個のボタンに振り分けてそのボタンを叩くことで演奏できるっていうマシーンなんだけど、多くのHIP HOPはこれで生まれたようにリフの分解したパーツをそのボタンにレイアウトすることによって多分これができたんじゃないかなって。あくまでも予想ねこれは。

まだまだ続く『DAFT PUNK』

PLAYLIST

Giorgio by Moroder / Daft Punk

Da Funk / Daft Punk

Crescendolls / Daft Punk

Get Lucky feat. Pharrell Williams&Nile Rodgers / Daft Punk

Your Closet feat. YonYon / 80KIDZ

One More Time / Daft Punk


■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■SOIL&"PIMP"SESSIONSの詳しい情報はオフィシャルサイト
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来週はダフト・パンクのPart2!ゲストには引き続きSOIL&"PIMP"SESSIONS 社長、80KIDZ ALI&さんをお迎えします。お聴き逃しなく!