今週のテーマは、
先日9年ぶり、通算10枚目のNewアルバムをリリースしたオフスプリング!
ゲストにはTOTALFAT Shun さん、モデルでDJ のシャウラさんをお迎えしました。
■オフスプリングとの出会い
グローバー: TOTALFAT SHUNさんはこのオフスプリングの来日公演でサポートアクトもやってます。バンド結成自体オフスプリングの影響は大きいですか?
Shun:でかい以前のまず自分が中学2年、98年ですかね。ちょうど『AMERICANA』がリリースされる時で、当時夜中に「ハングアウト!!」っていう番組があってブライアン・バートンルイスさんが司会やったりとかで「warp MAGAZIN」の大野さんとBOUNTY HUNTERのヒカルさんが作ってたんですけどそこがもう俺の唯一のパンクの情報源。ネットも無いし携帯持ってないしそういう時代じゃないですか、そこで流れるMVとかは全チェックだったんですよね。ビデオ録って毎週毎週見まくってそこで流れたのが“間もなく発売される『AMERICANA』から「Pretty Fly」”だったんですよ。“うっわぁやべえ、なんかポップだけどカッコイイ”みたいな。
グローバー:山ほどチェックしてる中でなんかスペシャルに感じた部分ってどこだったんですか?
Shun:たぶん他のパンクのバンドと一線を引いてたのはきっとそのポップさだったのかなって。だからオフスプリングの存在はそれ以前にももちろんある程度知ってたんですけど、友達の兄貴が聴いてるみたいな。でもそれって結構ストレートなパンクだったんで kind of というか他のバンドと似たようなところに居るバンドのかなと思ったらいきなり急ハンドル切って「Pretty Fly」だったから結構度肝抜かれて。
グローバー:シャウラさん、あの抜け方っていうのはバンド界隈でもそこまでやる?というぐらいのね振り切れ方でしたよね。
シャウラ:ホントそうですよね、私も初めて知ったのがその「Pretty Fly」をラジオで聴いてShunさんが言ってたようにあの当時はスマホもないし情報がないからあの曲を聴いてまず“このくだらない歌詞誰?”と思って、そこで私もうドキューンで。あのヒューモアが凄いじゃない、So Funnyなの。
Shun:当時のパンクってまだ男臭くないと認められないようなカルチャーだったのに“uh huh uh huh”入れてくるとか、要はマジものに憧れてるけど結局届かないでニセモノばっかり手にしてるアホな白人のバカみたいな歌詞の内容がもう凄すぎて。でも超シブかった。
シャウラ:いやもう大好きだったな。なんか今になるとあの曲ってすごくベーシックな曲になっちゃったよね。ていうのはある意味聴き過ぎちゃって“あ、アレね”みたいな感じなんだけども、やっぱりあの当時初めて聴いた時の衝撃はもう忘れないよね。
グローバー:ラジオから聴こえてきた彼らの曲の歌詞っていうのはどうだったんですか?
シャウラ:なんか自分達もこれくだらないよねっていう感じで歌ってるところが、あまりにも自分をシリアスに受け止めてないところがすごく魅力的だったなって。それは多分彼らの曲いろいろ聴いてる中でもその感じがあってなんかそこにパンクの魂っていうのを感じましたね。
■言葉の魅力
グローバー:キャッチーって言葉ありますけども本当文字通りオスプリングってプレイしてコンマ何秒でグッと掴まれる、これはどこにあるのか。Shunさんどう思いますか?
Shun:多分もうデクスターの持ってるそもそものポップセンスなんだと思うんですよね。結構やっぱ言ってることが過激だったりするんですけど怒りを怒りのまんま表現しないと言うか、それがいちばん10代20代のあの頃の俺達に刺さる。で言語が違っても先にメロディーとリズムが入ってきちゃって“これ何て言ってんだろう?”って気になって後から調べたら“うっわ、そういうことだったんだ!”みたいな。すげえ事言ってんなみたいな。なんかその段階式で色々刺さってきて。今回新しいアルバムとかもそうなんですけど結構ヒップホップライクというか符割がそこら辺の白人のパンクバンドよりも子音の使い方とかも上手いなって思ってて、結構しっかり構築されて作ってるなーって。バンドマン目線からするとすごい口が気持ちいいっていうのがありますね。
グローバー:シャウラさんも言葉の響きの使い方っていかがですか?
シャウラ:Shunさんが言ってるのと同じだと思いますよ。やっぱりデクスターってすごく頭がいい方で Ph.D.も取ってますし、そんな経歴の持ち主なのに言葉がちゃんと10代に刺さる。若い世代でも大きなストーリーを小さく分かりやすくみんなが共感できるように歌うっていうのは本当のインテリジェンスだなってすごく思うんですよ。あれはやっぱりさすがだなと思いますね。だからやっぱそういうことがあるから今だに彼らは私たちに愛されてるバンドなんだなって思います。
■『Let The Bad Times Roll』
グローバー:今アメリカはほんと国の中が大変じゃないですか、そういう時に出てきたこの歌、メッセージ含めてシャウラさんいかがですか?
シャウラ:んーちょうどデクスターが今回のアルバム、そしてこの曲に関してのインタビューを見てたんですけど、そこでまあストレートに“今回のトランプがどうだとは言わないけども”って彼が言ってたんで本当に今の状況っていうかいろんな国でいろんなことが起きててそしてコロナもあってこれもあってっていうのがずっと続いてるのがもういつまでなんだよ勘弁してくれよっていう気持ちが多分私達今みんな思ってるじゃないですか。もういつんなったら普通の生活に戻るんだと思ってるうちにまた何か違うことが起きてっていう。だからそれは多分みんな共感できるんじゃないかなって。それをなんか代弁してくれてる感じですよ、楽しく。
グローバー:その抜けの良さは変わらないから、コーンってまた届いてきてこういう音楽が気持ちをシリアスにしないで眉間にシワ寄せるんじゃなくて開いてくれる感じがしてそれはすごくいいなって新曲聴いてもオフスプリングの素晴らしさは魅力だなと思います。
■TOTALFAT ベーシスト Shun がセレクト!
「ベースラインがマジでかっこいいオフスプリング・ナンバー」TOP3!!!
Shun:オフスプリングねベースラインのランキング決めるの実は結構難しくて、その理由がグレッグさんのベースラインってほぼほぼルートなんすね。それってベーシストからすると一番それをやるのが怖い。シンプルにそれだけを弾ききるっていう方がカッコイイですよ結局。だから結構そのアップテンポの男一徹ベースラインっていうよりもギターフレーズと一緒にフローしていくベースラインを三つ選びました。
3位:「Hit That」(from Al『Splinter』2003)
Shun:ギターのフレーズに対してステディに一緒に動いていくっていうかなり緩い曲なんでベースが歌とかドラムよりも前に行ってしまうとこの曲ってカッコ良さが成立しないんです。そういうとこでライブでも結構みんなお客さん縦ノリで盛り上がる曲なんでもうベーシストが一番後ろで乗って弾ききるっていうのが大事な曲なんですけど意外とこれ曲自体の難易度高くないけどこれをカッコよく弾くってまあ結構難しい曲です。
2位:「Original Prankster」(from Al『Conspiracy of One』2000)
Shun:まあ「Hit That」と一緒ですね。ただ難易度的に「Hit That」よりこっちの「Original Prankster」の方がちょっと高めかなと。「Hit That」とテーマは一緒でバンドのセッションの中でもかなり後ろで捉えて弾くのは必要なんですけど軽快さが必要なのでそこの駆け引きというか。グローバー:この辺のテンポ感で軽快にスピード感出すって本当に難しいですよね。やってみるとオフスプリングって凄いねっていうのがよく分かる曲ですよね。
Shun:しかも200人のクラブで演奏するのってそんなに難しくないんですけどスタジアムだったりとか何千人何万人っていうホールの中でやるとコンマのズレがいちばん後ろのお客さんには大きく届いてしまうので、そういうところでもグループメイキングってすごい難しいんですよね。速い曲やる方が簡単なんですよ。なのでこの「Original Prankster」の多弦を移動しながら演奏するのはやっぱ難易度が上がります。
1位:「Pretty Fly (For a White Guy)」(from Album『Americana』1998)
Shun:文句なし!でもいちばん手数多いです。ループのサイズが大きいですね。スライドアップとかもグルーヴ作るには結構重要でシンプルなんだけど細かいところにやっぱ技はあります。で、結構グレッグさんのライブ中の動きを見るとわかるんですけど、ノリ方が裏で膝が動いててあの動きを真似してこのフレーズ弾くの結構難しい。
グローバー:そこを含めてやると結構ノリが出るかもね。
Shun:出ます。これが本当に自分たちが演奏して邦楽っぽいアンサンブルになるか洋楽っぽいアンサンブルになるか結構違うんですよ。
シャウラ:面白いそれ。こういうのって本当にミュージシャンじゃないと分かんないポイントですよね。
PLAYLIST
Pretty Fly (For a White Guy) / The Offspring
Self Esteem / The Offspring
Why Don't You Get A Job? / The Offspring
Let The Bad Times Roll / The Offspring
The Kids Aren’t Alright / The Offspring
Original Prankster / The Offspring
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
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