今週のレジェンドは、デビュー25周年を迎えた平井堅!
ゲストには女優でミュージシャンの松下奈緒さん、シンガーソングライターで音楽プロデューサーの川口大輔さんをお迎えしました。
■平井堅との出会い
グローバー:松下さん、大ファンになってもう長いですか?
松下:そうですね、高校生からなんで20年ぐらい。もう思春期真っ只中、平井さんの歌で育ちましたね。
グローバー:初めての出会い覚えてます?
松下:朝通学する本当にバタバタしてる中でもう行かなきゃ行かなきゃって言って靴を履きかけた時にラジオから流れてきた「楽園」という曲を初めて聴いた時に手が止まって“何なんだこの曲は?この歌声は何なんだろうか?”と思ってそのまままたラジオのスピーカーの前に戻って。
グローバー:その時どんな気持ちになったんですか?
松下:なんか胸を鷲掴みにされると言うか一瞬聴いた時にもちろん男性の声なんですけどもなんかきれいなファルセットって言うか“この高音は何なんだろうか?”っていうのとちょっとそのグループ感が洋楽の様な気もしてきて“邦楽?なにか私が思ってたのと違う!”っていう衝撃な出会いでしたね。そしてこれは何だろうか?と思っていろいろ調べたら平井堅さんという方で写真を見ると日本の方かな?って一瞬思うぐらい端正なお顔立ちでいろんな衝撃を受けた出会いでした。
グローバー:学校行って学校の友達と話題になったりもしました?
松下:当時私が初めて聴いたのは「楽園」でしたけど、やっぱり知ってる子達は平井堅さんという方も知っていて「楽園」と言う曲が今キテるみたいな話題にもなっていて“そうか!なんで私もっと早く知らなかったんだろう?”と思ってそこからその日はずっと頭の中平井さんのことでいっぱいでした(笑)
グローバー:そこから月日経ちますけど、平井堅さんのココが好きって今はどうですか?
松下:そこからR&Bテイストのものから本当にポップなものからもう王道の珠玉のバラードだったりとかも色んな切り口があって“どれが本当の平井さんなんだろうか?”っていつも思うんですけどいつも箱を開ける楽しみみたいなそういう感じを私に届けてくださるアーティストの方だなって。
グローバー:何年たってもドキドキするんですね。
松下:ドキドキします。今度は何を聴かせてくださるんだろうっていう感じがずっとあります。
グローバー:川口大輔さんは楽曲も聴いてきたしご一緒に平井堅さんと楽曲も作ってこられてますが振り返れば初めてリスナーとして聴いたのは何でしたか?
川口:平井さんの最初の曲は「why」これもう僕松下さんとちょっと似ているので先に全部言われちゃったなって言うのもあるんですけど、もうほんとラジオですね。ラジオで聴いた時にその時僕ずっとラテンの音楽をやってまして、ずっとブラジルの音楽をやってて日本の音楽あんまり聴いてなかったんですね。それは別に嫌で聴いてなかったとかそういう訳では無くてラテンに夢中すぎて単純に聴く時間が無かった。そんなある時ラジオで聴いてビックリする。
グローバー:何にビックリしたんですか?
川口:歌い方ですね。僕ブラックミュージックもすごく好きでそれまで聴いてたんですけどそれまでのブラックミュージックって割とソウルフルであるとか、あとまあゴスペル的な力強い歌い方でリズムも煽りが強い上に煽りが強い歌を歌うのが割とメインストリームだった中で、こういう歌い方でシングルで看板を出すっていうことを僕それまで見たことなかったんですよ。言うならも両手を振ってガンガンライブで歌うようなのもをシングルと呼ぶのかと思っていたらそれを一から覆された感じと言うか“なるほど”っていう感じはありましたね。
グローバー:そこから作り手として刺激も受けながら
川口:刺激どころかもう“こういうものをインストールしていいんですね!”って。インストール許可証みたいな感じが..平井堅さんの存在というのはおそらく音楽をやっていた人は横並びでみんなが同じようなこと思ったんじゃないかなというのは思いますね。
グローバー:おそらく洋楽とかが好きであっちでマックスウェルが居てどうとかの時にじゃあ日本でね、好きでも日本じゃできないよねっていうのが、こうやれば凄いカッコイイんじゃんっていうインストールの仕方を教わった。
川口:ですね。その一曲が「why」。
■新曲「1995」
グローバー:ニューアルバム「あなたになりたかった」から「1995」こちらは平井堅さんのデビューした年がタイトルになってますが、まず聴いてみてどんな感想ですか?
松下:色んな平井さんを20年間見て聴かせて頂いてきましたけれども、これまた新しい平井堅さんだなって。“これは何が始まるの?”っていう印象をすごく受けましたね。だって最初“で?は?”から始まるんですよ!“一体この曲にはどんなメッセージが!?”ってすごい興味津々になる1曲でしたけれども、でも最後はちゃんとやっぱメロディアスになっていって最初の印象と聴き終えた時の印象がこうも違うのかと思って。それがちょっとやっぱまた新しい平井さんだなって思ったのがこの曲でしたね。
グローバー:川口さんはいかがですか?
川口:僕はもう平井さん一の大問題作!単純に一聴めでこんなにヒントをいただけない曲って無いなと。“こういうつもりで聴いていいんだ”ってのが最初から全部否定された状態でこの曲を聴き始めた、分かんないですよね。で、これはもしかしたらミュージックビデオの中にヒントがあるのでは?と思って開いたミュージックビデオが更なる問題作。で何度か拝見させて頂いて徐々に“なるほどなー”って思ってきた感じがあって、1995年にデビューされて阿波踊りの時の“踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損!”ってあるじゃないですか、ああいう感じ。なんかやっぱりもうみんながみんなお互いを印象で見ながら生きている中で何か責任を持って踊る人と踊らない人といる中で平井さんはこの年に踊ることを選んだんだなって。あのMVの中で平井さんの分身のように見えるあの物体Xを男の方が色んなお洋服の上にこうやって合う合わないみたいな。あ、確かにもしかしたら芸能のお仕事って本人がやりたい事ってのもあるんだけれど周りから見た“何か”というのを演じるような部分というか、その中で正解はきっと無くてみんながそれをストラグルしているような事は、確かに僕も平井さんには取るに足らないような事をやってますけれどそこの中で“なるほどなー、俺はもっと演じちゃってもいいんだな”とか“もっと素直でいいんだな”とかっていうことを繰り返してきたので平井さんはそれをおっしゃりたかったのかなぁという結論にヒントの無い中で思ってみたんですがどうでしょう?
松下:あのMVを見た時にずっと何かを模索している、答えっていうものはまだ見つかってない?っていうような感じはありましたよね。25周年、25年経って“こうなんです!”ってことではなく。
川口:おっしゃる通りで“こうなんです!”っていうのを本当に否定したんだなと思ったんですよ!
松下:そうなんです、私が思ってる平井堅さんも違うし、平井さんがこれからやっていきたいと思われてる事は“なんなんだろうな?”っていうその楽しみの方が多かったし、だから常に模索っていう。なんか迷うんじゃなくていろんな可能性を常に探してらっしゃるんだなっていう感じはありましたよ。
川口:はい、そうですね。
グローバー:そういう気持ちって平井さんのインタビューとか読むと川口さんがおっしゃったみたいな音楽のキャリアを重ねてく中で、芸能とどっちも引き受けてくっていうのを自分で自分に課して戦ってるような事をおっしゃってるインタビューもありますけど、松下さんはそういう気持ちってミュージシャン、そして女優さんもされてきて何か感じることありますか?
松下:そうですね、自分のやりたい事っていうのと求められる事っていうのは必ずしも一致することでもないと思うし、そればっかりでも面白くないし自分もやりたい事をどうやってやりたいって思えることに変えていくかみたいな所もあると思うし、だから常にその何かを探し続けて同じことを同じように楽しむっていうことをしない、次の楽しみはまた違った楽しみ方ができる。と言うようなこと本人がそう思ってないと楽しくないのかな?っていうのは常にこういうお仕事をさせていただく中で次は違う楽しみ方をしよう、その次はもっと違う楽しみ方をしようみたいなところはありますけども。
グローバー:それがアニバーサリーとかいろんな節目で改めて出てくるっていうのは平井さんは本質になんかそういう事が好きな人なんですかね?
松下:だからどこに向かっていくのか私たちにも分からないっていうところがまたアーティストとしての魅力になっていくのかなって。
川口:絶対教えてくれないですよね、曲の中でしか教えてくれないですよね。
松下:しかもその曲の答えも聴く側が自分で考えなきゃいけないじゃないですか。
川口:今回特にそれでした!
松下:ね、このアルバム特にそうですよね。
■音楽プロデューサーとしても活躍するシンガーソングライター川口大輔が選ぶ
「この歌声は凄いよ!ボーカル力に思わず唸る平井堅ナンバー」TOP3!!!
3位:「グロテスク」(2014)
川口:歌い方も数多あると思ってるんですけど凄くグルービーには歌っているんですがなんだかちょっと引っかかりみたいなものを声の中に作っってるんですね。そう思って聴くと歌詞がとんでもなく引っかかりのみでできてるんですけど、更にこれはコラボ曲で、声色の合わせ方。
松下:あぁほんと安室さんが行った時にまたスッってなだらか。一本に聴こえる。
川口:そうなんですよ。一瞬安室さんがあれ?って何かそのまま歌ってるようにも聞こえながらでも違うんだっていう。同じ赤色の中でもいろんな赤があるみたいな。
松下:分かる、わかります。
2位:「GREEN CHRISTMAS」(from single『even if』2000)
川口:これはレイドバックで歌うっていう中に、ポップスでこういうことができるんだっていう最初にも言いましたがインストールですね。
グローバー:この時期特にアメリカのブラックミュージックの中でどれだけリズムを後ろに引っ張って気持ち良いポイントを探す合戦みたいなのが繰り広げられてましたよね。
川口:そうなんです、ミュージック・ソウルチャイルドやらディアンジェロやら。
グローバー:素晴らしい楽曲がたくさん生まれてきた中でこの平井堅が見せてくれた“これインストールしよう”っていう凄さはどこだったんですか?
川口:リズム感はそういう価値観の上で、平井さんの声ってもう世界のどこにも存在しない声だと思うので“その声でそれをやるんだ”っていう、もう30ぐらいのビックリがぎゅっと詰まってますね。
1位:「Tomorrow」
(映画『ANNIE/アニー』主題歌カバー、from single『ソレデモシタイ/おんなじさみしさ』2014)
川口:基本的には何か音楽でスケール感のあるものっていうのが大好きなんですね。でもなんかそのスケール感の入り口はもう小さくてもなんでもいいんです。その向こうに見えるスケール感。何かこの曲はもう一聴してもう平井さんが歌い出した瞬間に感情を歌声が全部許してくれるというか、もうこの歌声に身を任せれば大丈夫なんだっていうことを教えていただいた一曲ですね。
松下:これ私もどこかで語りたいなと思って曲だったんですね。もちろんカバーと言ってしまえばそうなんですけども、もうこの曲に関しては平井さんの曲みたいでした。イントロからトップギアなんですよね、歌声もストリングスも全てが。
川口:これは総合芸術のって感じがしますよね。
PLAYLIST
楽園 / 平井堅
WHY / 平井堅
LIFE is... 〜another story〜 / 平井堅
1995 / 平井堅
Jazz chocolat / 松下奈緒
Tomorrow / 平井堅
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
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