2021.06.05 ON AIR
【Sade Part2】Salyuさん、WONKのボーカリスト 長塚健斗さん登場!

今週はSade Part2!
ゲストには引き続きSalyuさん、WONKのボーカリスト 長塚健斗さんをお迎えしました。

■LIVEの魅力
グローバー:今週はまずライブの素晴らしさっていうの伺いたいんですが、なかなか実際のライブを日本で観た人っていうのはそもそも来日公演も少ないですし、シャーデーっていうバンドの活動ペースがスローだから多くはないんですが、データでは日本公演1993年『The Love Deluxe World Tour』以来まだ叶ってない。
長塚:もうそんななんすね、こりゃ観れないすわ。
グローバー:そんななんですって。なんかシャーデーは不在感が無いと言うかずっと音が常に最前線にいる感じがするからいつでも今ライブ観たいなーって思い続けてる方も多いと思うんですが、お二人はライヴ音源も出てるし今映像でも観る機会ももちろんあると思うんですけど、Salyuさんライブのシャーデーの好きなところは?
Salyu:やっぱりライブだと演出面でも非常にスタイリッシュなものがあったりとか、あとは彼女がどういうビート感で音楽の中で歌声を表現してるのかっていうことが視覚的に目撃することができるので“あぁこういうグルーヴの中に彼女は居るんだ”って言うことを目で確認できるのは嬉しいですね。
グローバー:結構踊ってるんですよね。
Salyu:そうなんですよね、エキゾチックな彼女に魅力っていうのがそういう所作の中にも見ることができますよね。
グローバー:長塚さんはパッと観て”シャーデー・アデューさんがとにかく美しくて”というの先週おっしゃってましたけど。
長塚:YouTubeで動画を観て確認して欲しいんですけど、登場がもう降臨してるんですよ。地に降り立った女神なんです。お客さんの湧き方がマイケル・ジャクソンが登場した時と違うんですよ。マイケルはバーン!出てきてうわーっ!じゃないですか、シャーデーが出てきた時は息を飲む。ちょっと違うんですよね。しかもそこからライブとなるとCD音源とは違って音源よりもテンションが1個2個高いんですよ。バンドも踊らせにかかってくる。その中でライブだとシャーデーがお年を召したとしても昔の野性味を取り戻すんですよ。ちょっと踊りながら歌ったりもされるんでシルキーなだけじゃない生々しいあの野性味が加わった歌をライブ映像では聴けるっていうのはいちばんですね。
グローバー:では今週そのシャーデーのライブから始めたいと思いますがどのライブ音源から行きましょうか?
Salyu:『Bring Me Home:Live 2011』っていうDVDが出てるみたいで、その中から「Love is found」。 映像的に影と光を利用して客席側から見ると背負っているものの逆光ですべてのプレイヤーそしてシャーデー・アデューも影プレイヤーになってて、しかもその人の配置とかも完璧で演出も素晴らしくて凄くスタイリッシュなんですが、もう彼らの音楽にはもう白と黒だけでむしろあのミニマルな情報量でより耳をそばだてて聴けるという素晴らしい演出だなと思った楽曲なんです。

■WONKのボーカリスト、長塚健斗が選ぶ
「このトラックメイキングが、マジでグッとくる! Sadeナンバー」 TOP3!!!


3位:Morning Bird <2010年『Soldier of Love』>

長塚:是非良いヘッドホンか良いスピーカーで聴いて欲しいんですけど、録れ音めっちゃくちゃいいですよね。ピアノってレコーディングの仕方がめちゃくちゃ難しいらしいんですよ。グランドピアノ開いてどこにマイクを向けるかで音の伝わり方が全然違ってくるらしいですよ、僕もその専門じゃないので判りかねる部分結構あるんですけどなんかそれにしても録れ音が綺麗すぎる。このピアノの音もストリングスの音も。そしてそこに乗るアデューの歌声というねぇ…これはもう無駄が全くない。これはすごい新しい方の2010年アルバムなんでアルバム通して聴くとかなりラウドなサウンドとかもたくさん詰まってるアルバムなんですけど、余計なことしないバンドだなっていうのはすごく聴いてて思ったところがあって、そのスタイルそしてその上に乗っかる無駄のない美しさ際立つこのボーカルという何か本来のスタイルをここでもやってきたか!という。

2位:Maureen <1985年『Promise』>

長塚:好きなんですよ。
グローバー:先週WONKの『FLOWERS』頑張ってるあなたに花束をっていう楽曲かけてもらいましたけども、そういう心の中のJOYとかハピネスとか何かシンクロしてますね。
長塚:そうなんですよ、なんか何選ぼうかなと思った時に最後にこの明るい曲が来たんですよね、凄くそれが印象的で。だいたい僕ら結構最後エモく終わるとか多いんですよ。なんかエンディングっぽい感じにしがちなんですけど、これ2曲目とかでもおかしくないサウンド感だと思うんですよ。なんかその感じでそのアルバムを締めくくるっていう姿勢が僕はすごく好きで。軽快で明るい日差しの中で散歩でもしながら気持ちよく聴けるじゃないですか。それがもう大好きなところで。

1位:Soldier of Love <2010年『Soldier of Love』>

グローバー:これはボーカルラインにも惹かれるということなんですね?
長塚:このアルバムはですね本当にこれまでとはガラッと変わる。もうイントロから全然違うんですけど、攻撃的でアグレッシブなんですよ、ギターの歪みもありこの曲は特に発声が全然違うんですよね。力強くて大地を震わせにかかってきてるというか。そういったところも含めてこれまでにない感じなんです。そしてやはり音が良い。本当に凄いですよね、素晴らしいすわ。

■『Love Deluxe』の再発見

グローバー:改めて先週お二人からまず『Love Deluxe』のお話から始まりましたが2週目も最後の方に来てやっぱり一つ金字塔があるんですね『Love Deluxe』に。
長塚:そうすねぇ…改めて感じちゃったな。
グローバー:長塚さんなんて音楽の聴き方がジャンル関係ない、時代関係ない、アンテナに引っかかったものをどんどん聴きながらそれをいま自分の表現にしてっていうことですけどこうやって自分の音楽のキャリアが進んできて今の自分にはどんなところが響きますか?
長塚:ひとつはやはり時代性なんですよね。僕らは常にバンドとしてエクスペリメンタルソウルなんてのを掲げちゃってますから常に実験的な新しいことを追求していこうという姿勢を元に活動してるバンドでもあるので、この楽曲はもう90年に入ってすぐリリースした作品で本当に90年代ぽい音作りになってるんですよね。そういうのはありつつもこのバンドっぽさみたいなものはしっかりと残っている。ここにきてようやくじゃないですけどこのバンドとしてのスタイルがかなり色濃く確立されたんじゃないかなっていうのはすごく感じられる作品だなぁとは思っています。
グローバー:時代を経ても変わらない核がそこに出来上がってるし、でもその時の時代の空気も真空パックされてる。Salyuさんは今の自分に引っかかってくる『Love Deluxe』また再発見どんなとこに惹かれますか
Salyu:やっぱり自分もデビューの頃にこのシャーデーというバンドを知ってそこから少しのキャリアを積んで“名作という物っていうのはこういう感触なんだなー”っていうことを改めてこの機会に聴き込ませて頂いて、巡り合った当時とは違う見えてくるものがありましたね。1曲1曲のクオリティはもちろん、プレイヤーの響かせる歌を始め楽器の響きはもちろん曲の順番、そしてアルバム全体持ってる時間の長さ、いろんなことを含めて素晴らしい一枚だなっていう風に思いました。

■キャッチコピー

Salyu:今日は皆さんの話を伺って自分も今日までに準備をしつつやはり時間っていうかね、地層っていう表現させていただいたりしましたけれども、『時間の中で地層のように美しさを必然的に積み上げていくそういった生き方がシャーデー』なのではないかなという風に感じました。

長塚:彼女はですね自分の生き方、主婦としての自分の本質っていうかまぁ自分のあり方を常に大事にしていて、そしてそれを尊重しながら活動していくその愛に溢れたバンドのスタイルというところ含めてですね、『友達の母ちゃん女神!』これでいきたいと思います。

グローバー:あははは(笑)素晴らしいタイトルがつきました。

ラストは『Love Deluxe』の最後の曲「Mermaid」で締めくくられました。

PLAYLIST

Love is found(Live)/ Sade

Kiss Of Life / Sade

Soldier of Love / Sade

Feel No Pain / Sade

Taxi / Salyu

Mermaid / Sade


♪♪♪Spotifyにもプレイリストを掲載していますぜひお聴きください。


■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■Salyuさんの詳しい情報はオフィシャルサイト
■WONKの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週のテーマは、今年の夏、J-WAVE LIVEに登場!KREVA!お楽しみに。