2021.07.03 ON AIR
【ジョアン・ジルベルト Part2】Port of Notes 畠山美由紀さん、 シンガーソングライターのSaigenjiさん登場!

今週はジョアン・ジルベルトのPart2!ゲストには引き続きPort of Notes 畠山美由紀さん、シンガーソングライターのSaigenjiさんをお迎えしました。

■ライブの魅力

グローバー:今週はライブの話から行きたいんですが、もちろんご覧になったことは?
畠山:ありまーす!
Saigenji:ありまーす!
グローバー:来日公演Saigenjiさんは何回ぐらい?
Saigenji:俺3回行きましたね。
グローバー:畠山さんは?
畠山:2回行きましたね。
グローバー:結構お年を召してから来てくれたジョアン・ジルベルトでしたけれども、Saigenjiさん初めて日本でプレーしたジョアンを観た時の第一印象はいかがでした?
Saigenji:あのね、ずっとなんか魔法にかかったみたいな時間でしたね。
グローバー:畠山さんはいかがですか?ジョアンジルベルトのライブで印象に残ってること。
畠山:やっぱりね、出てきた時に本物?本当に?っていうのと、あとね思ってたよりも若かったしダンディな感じだったし、すっごい神経質って話だからあれだけど“この人すごいユーモアのセンスもありそう”みたいないろんな魅力一気に感じましたね。
グローバー:最初日本に来てくれた時、ジョアンは70代とかですか?
Saigenji:最初が72だから、美由紀さんが観てるのが2006年ぐらいだとしたら75近くとかかな。
グローバー:なんか若々しいしユーモアのセンスを感じるような雰囲気だったんだ?
畠山:そんな神経質って感じじゃなかった。
Saigenji:うん、全然全然ね。
グローバー:楽曲でこれが印象残ってるなぁっていうのはありますか?
畠山:“うわぁ、本当にEstateやったよぉ”とかさ“歌まで聴けちゃうのこれ!”とかぁ。
グローバー:生で聴いて改めて“音源と違うな”って思った事とかってありました?
畠山:それがですね、全く音源から受ける感動感激と一緒でしたね。
グローバー:それもまた凄いですね。
畠山:あんなに大きな国際フォーラムでしたけどね、一気に本当にジョアンの目の前に居るような感じっていうかね。凄い至近距離で一緒にいるような感じがした。不思議でしたね。
グローバー: Saigenjiさんもそういう気持ちになりました?
Saigenji:そう、なんかね全然近寄り難い感じとか無くてむしろCDの方が神経質なんじゃないかっていうぐらい柔らかい感じで、もうただ訥々と歌ってて“なんか気分いいね”って感じ。本人もそういう風に見えたし。
グローバー: Saigenjiさんはこの話するのにギターも持ってきてくれてますけど、そのギターのプレイとかタッチとか生で見て何か思ったことありました?
Saigenji:やっぱりね音は全然大きくない。本当にちっちゃい声でちっちゃい音のギターなんだけどバランスが完璧と言うか。
グローバー:バランスというのは手元のギターの音と歌のバランスということ?
Saigenji:そう。あとねそれがもちろん核にありつつ、そのジョアン・ジルベルトとしてのサイズ感が完璧。わーって大きく歌う時にその人が描いてる箱の大きさっていうのがあると思うんだけどジョアンが歌ってるのはやっぱりおそらくバイーヤの家のトイレで弾いてたサイズと多分同じような。
グローバー:ボサノバが生まれたそのバスルーム。
Saigenji:そうそう、その同じサイズで歌ってるように感じました。
グローバー:自分の頭の中にある完璧な自分の音楽を箱がどうなろうがそれをやるんだ。
Saigenji:そうそうそう。そんなこと気にしてないっていうか箱がどこだろうと気持ちよく歌うためにやってるんだからという感じかなぁ。

■シンガーソングライター、そしてギタリストのSaigenjiが選ぶ、
  「ジョアン・ジルベルト、珠玉のギターソングTOP3」!!!


3位:ELA E CARIOCA(彼女はカリオカ)<Album『Ela E Carioca』1970年>

Saigenji:これはとろけますよ本当に。もうね何だろうね。あとコードとかすごい音楽的です。最初の音イントロからね。
グローバー:出だしのコードワークでとろけさせてくれる。
Saigenji:まあやっぱり声もいいしね。蒸気みたいな声ですよね。紅茶を蒸らした感じ。
グローバー:香ってくるし温もりもあるし。
Saigenji:そうそうそう。やっぱり研ぎ澄まされてるんだけど柔らかいですよねー。

2位:Eu sambo mesmo(僕のサンバ)<Album『Joao』1991年>

Saigenji:これはね、キャッチーだよね。パッと聴いて“おぉ!カッケー”って感じ。そこがいいな。
グローバー:ボサノヴァだからサンバっていう言葉がありますけど踊らせてくれる。
Saigenji:そうそうダンサブルだよねー。
グローバー:静かなのにこんなに踊れる音楽がある。
Saigenji:そう、俺、なにかで書いたことがあるんですけど“ジョアン・ジルベルトは最小限の音のハウスだ”って言ったことがある(笑)なんかサンバってね一応2拍子何だけどジョアンのって全部1拍子に聞こえるのね、だからハウスっぽいじゃないですか踊れちゃうよね。

1位:Águas de Março(三月の水)<Album『三月の水(ホワイト・アルバム)』1973年>

Saigenji:これはもう名曲ですね。なんか空気感がもう尋常じゃないですよね。
グローバー:数ある中でもこの曲たくさん聴いてきて、そしてプレイもしてきて色んな気づきがで色んな時代であったと思うんですけど今特にこの曲のここがプレイして堪らないポイントってどこなんですか?
Saigenji:プレイしててね歌いきれてるとは到底思えないんだけど、なんかね永遠の宿題みたいな感じの曲ですね(笑) だからね折に触れて歌うんだけど本当に難しいし自分にとってポルトガル語って母語ではないのでそれもあるんだけど、なんかね本当に永遠の宿題ですね自分にとっては、あはは(笑)
グローバー:今日はSaigenjiさんギターを持ってきてくれてるんで。
畠山:じゃあその宿題を(笑)
グローバー:今日の提出してもらいますか?
Saigenji:でもこれね最近練習してるってぐらいな話で全然クオリティーが高いとは言えないことをとりあえず皆様に言い訳しておきます、OKいいよ。

■音楽シーンに与えた影響

グローバー:ジョアン・ジルベルトが今の音楽シーンに与えた影響というのは畠山美由紀さんどんな風に感じますか?
畠山:私は“歌手はこうでなければならない”っていうような呪縛を解き放ってくれた。
Saigenji:おー、かっこいい。
グローバー: Saigenjiさんはいかがでしょう。
Saigenji:俺はね、自分にとっては守り神の一人みたいな感じですね。なんかこう祖母とか祖父みたいな感じ。
畠山:あー、私もそれはそうかも知れない。
Saigenji: なんかいちばん自分のことを理解してくれそうな感じって言ったら可笑しいんだけど、すごく懐が深くてなんか優しい人だなととにかく思いますよね。
グローバー:そういう気持ちで音楽をプレイできるミュージシャンを世界中に今育てたということかもしれませんね。
Saigenji:あー、本当にそうですね。

■キャッチコピー

畠山:「ジョアン・ジルベルトとは…静寂の灯火」である。
この上なく小さな声とギターで語りかけてきてくれますけれども、そこにははっきりとした進むべき光のようなものを示してくれるなーっていう存在ですね私にとって。

Saigenji:「ジョアン・ジルベルトとは…世界の音楽家達の父」である。
美由紀さんが言ったことにも通じるんだけど、我々の道を作ってくれた人たちだと思います。音楽の幅を本当に極限まで広げたし例えば俺らみたいなミュージシャンがブラジル音楽なりなんなりやるにあたってジョアンが居たって事でできてることって多分いっぱいある。やっぱ道を開いてくれた人達でそして見守られているなという感じもありますね。

2週に渡るレジェンド『ジョアン・ジルベルト』
ラストナンバーは『Corcovado』で締めくくられました。

PLAYLIST

Sem Compromisso / Joao Gilberto

Eclipse / Joao Gilberto

Águas de Março (STUDIO LIVE) / Saigenji

Desde que o samba é samba / Joao Gilberto

夏風の行きつく果て / Port of Notes

Corcovado / Joao Gilberto


♪♪♪Spotifyにもプレイリストを掲載していますぜひお聴きください♪♪♪


■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■畠山美由紀さんの詳しい情報はオフィシャルサイト
■Saigenjiさんの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週のテーマは、ピカチュウと共演したミュージックビデオも話題のケイティ・ペリー!お楽しみに。