今週は、レイ・ハラカミのPart2!
ゲストには引き続き、蓮沼執太さん、パソコン音楽クラブ 柴田さんをお迎えしました
■アルバム『lust』
グローバー:事前アンケートにお答え頂いているんですが蓮沼さんは「一番好きなアルバム」柴田さんは「音楽史に残る名曲揃い」ということでハラカミさんが2005年に発表したアルバム『lust』をあげて下さいました。蓮沼さん、『lust』の魅力ってなんですか?
蓮沼:山を登ってると言うかですね旅してるような感覚になるんですよね。で、その旅に出ている感覚っていうものが一周聴き終わると見たことない景色が広がるようなそんなニュアンスを感じるんですよね。あまりアルバム一枚通して感じれる読後感じゃないですけども、読後感と言うと読んだ後ですけれども聴いた後の感じっていうのはすごいお勧めしたいなと思って。
グローバー:柴田さんはいかがですか?
柴田:ハラカミさんは広島ご出身で京都にずっと住まれてたんですけど京都っていうハラカミさんが愛着のある場所で8 ProっていうRoland の愛着のある機材を使ってもうその場所とその愛着のあるもので自分の語法を確立したっていうのがすごいなと思って。それでずっとキャリアを通してハラカミさんの語法っていうのが非常に高い洗練に達してるのがこのアルバムだなって思ってて。かつ、これジャケットがめちゃくちゃ良いなって思ってて、ハラカミさんの曲って聴き方によってはすごく難しく聞こえることもあるのかなと思うんですけど本人のインタビューとか見てるとすごい自然体の方なのかなって思ってそれがジャケットのあの民家みたいな感じにすごい出てるなと。そこがジャケットも含めてすごい好きなアルバムですね。
グローバー:もう日本で生まれ育ったら誰もが“おばあちゃん家かな?”と思うような心の中にある自分の故郷のちょっとした家みたいなものがジャケットになってますけど、この音像との距離が離れてるようでピッタリくるという。蓮沼さんは“ポップ”っていう言葉を何度も出してくれてますけど蓮沼さんの言ってる“ポップ”の意味ってまた深いところにありそうですね。
蓮沼:とにかく一つの機材を使いこなして使い倒して新しい表情を作っていくって言うどんどん深く掘ってく。本当だったら新しい音を作りたいと思うんだったら下手したら新しいシンセサイザー買って“新しいじゃん!”ってなるところを真逆で同じ機材でどんどん掘ってく。で、その時に多分失敗だったりエラーだったり成功だったりたくさん積み重ねて“これいいな”と思ったきらめきみたいなものを取り入れて楽曲にしていってると思うんで、その汗水たらして発見したんだぜっていう手垢と言うか人間味みたいなものがすごい詰まっているのか“ポップ”って感じです。
■yanokami
グローバー:矢野顕子さんもレイ・ハラカミさんの音が大好きで『yanokami』というユニットが生まれますよね、大人気を博しました。どういうところ好きですか?
蓮沼:矢野顕子さんのあのオリジナリティと言うか素晴らしいアプローチも大好きですし、そこにハラカミさんの音が乗ってくるとどういう事になっちゃうんだろう?っていうワクワク度がまずありますよね。
グローバー:矢野顕子さんの声はものすごく記号として強いじゃないですか、もうそれが出たらもう“矢野顕子”。蓮沼さんがおっしゃってたのはレイさんの音もそう。音がポンときたらもうレイ・ハラカミ。それが上手くいくのかどうなのか。初めて聴いた時どう思いました?
蓮沼:かっこいいなって思いました。これはファン心理かもしれないんですけどインディーズで応援してたバンドとかがメジャーに行っちゃうみたいな時にやっぱり“今までと音楽性変わっちゃったらどうしよう”とか思ったりするんですけどそんな不安は一切なく“かっこいい”みたいな。“yanokamiもかっこいい!すごい!”っていう風に思った記憶があります。
グローバー:柴田さんはいかがですか?
柴田:蓮沼さんがおっしゃったのが全てなんですけれども、ハラカミさんも矢野顕子さんもまあその声の記号性とか記名性って言うんですかね、それとダイナミックスとかうねりが二人とも独特じゃないですか、それが合わさった時にどうなるんだろう?と思ったらなんかも知らない重力生み出しちゃったみたいな、それがもうびっくりしましたね。
グローバー:矢野顕子さんは自分のフローにここまで合う音があって嬉しいっていうか喜びを感じますよね、レイさんとやってるときってね。特に「おおきいあい」の英語バージョン「Big Love」柴田さんすごく思い出あるんですって?
柴田:そうですね、なんかこの時ってまだ『Myspace』っていうのがあってたぶんSoundCloudが出たか出てないとかでまだ全然そんな有名じゃなかった頃なんですけど自分も中高ぐらいの時にそのMyspaceにしょうもない曲とか作ってあげてたんですけど、なんか同じフィールドでyanokamiがリリースするんだ!っていうのが凄いびっくりしてなんかそういう極々個人的な思い出と結びついてますね。それで当時そのMyspaceにyanokamiが全曲アップロードしてフルで聴けたんですね、それでずっとMyspaceで聴いてたなっていう懐かしい思い出があります。
グローバー:蓮沼さんそれこそさっきおっしゃったメジャー行って何か違うことになったら嫌だなっていう感じがないのはこういうやり方、フィールドもありますよね。
蓮沼:確かにそうですね“俺もやってるところにあげちゃうの?”みたいな事ですよね。
グローバー:こっちの公園来てくれるの?っていう。でも本当大きなフェスに出てももちろん後光がさすプレイを自然とやりますしね。
■多彩なスタイルで活躍する音楽家:蓮沼執太セレクト!
「夏に聴きたいレイ・ハラカミ曲TOP3」!!!
3位:skyline / Suzukiski+harakami
蓮沼:ちょっとコアな曲ですけど、Suzukiskiさんも僕大好きで、ハラカミさんとも交流あるの当時から知ってたんですけどその二人のコラボレーションでいいのかな、楽曲でなんかまあ伸びるような音がすごいいいなぁと思って。12インチかな、レコード化もされてて家のレコード棚にあります。
グローバー:音楽のコレクターとしてレイ・ハラカミがコラボした時に出てくる魅力的な顔ってどんなところですか?
蓮沼:自分の音じゃなくて他人の音をすごい聞いてくれている。話の聞き上手とかじゃないんですけどすごい聞き上手なんじゃないかなぁって。すごい聞いていただいてなんかそっと自分の答えも意見も言ってくれそうなそういう共同作業のように感じます。矢野さんとのコラボレーションもそうですし、リミックスワークもそうですよね。やっぱ聞き上手なんじゃないかと思います。
2位:流星より愛をこめて(rh remix) / イルリメ
蓮沼:これはラップんですよ。イルさんは友達なんですけど割とアッパーなラップをされていてそこにハラカミトラックがこういう感じで乗るんだっていうのは意外、新鮮、で好きっていう流れになってます。
グローバー:これの聞き上手っぷりはどこで感じます?
蓮沼:そうですね、なんかそれこそイルリメさんとハラカミさんはすごい性格も合うんじゃないかなと思いました。そもそも音楽を越えて人間性としてすごいお互いがリスペクトしているからこそ作ってるんじゃないかっていうのがりミックスを聴いて僕も少なからず人隣を少し知っているのでそう感じる部分もあります。
1位: Night Train Home / yanokami
蓮沼:先ほどもyanokamiの話をされてますけど“この曲はかっこいいなー”って初めて聴いた時からもう“いい音だなー、歌も素敵だなー”っていう。
グローバー:じゃあ真夏、夜、車でドライブする時にどういう気分になりますか?
蓮沼:スピードの出し過ぎには注意ですけど、クーラーとかも消しちゃったりして窓を開けてこれを爆音で流しながらこう気持ちいい風を浴びると音の聴き方も変わるんじゃないかなって思ったりしますね。
■キャッチコピー
蓮沼:「レイ・ハラカミとは…生活のお供」である!
やっぱり日常生活にハラカミさんの音は必要だと。ご飯のお供みたいな感じでですね、聴きながらどんどんと生活を引き出してくれる良さがある。人生を彩ってくれるっていう感じがしす。
柴田:「レイ・ハラカミとは…自然体」である!
生活のお供と大体一緒なんですけど、僕、直接お会いしたことないので人柄とかもインタビューとかからしか伺うことできないんですけど、ものすごい自然に曲を作ってたんじゃないのかなって思っててそのメンタルティ的な意味で。そのハラカミさんの生活のお供としてその曲も作ってたんじゃないかなとも思ったりしてそういう意味でものすごい自分の愛情で機材を使い倒したり気持ちいいって思うものを追求するっていうところをものすごく自然体に感じたので自然体にしてみました。
2週にわたってお送りした『レイ・ハラカミ』最後は「last night」で締められました。
PLAYLIST
owari no kisetsu / rei harakami
Big Love / yanokami
Night Train Home -yanokami version- / yanokami
川越ランデヴー / U-zhaan × rei harakami
Ventilation / パソコン音楽クラブ
last night / rei harakami
♪♪♪Spotifyにもプレイリストを掲載していますぜひお聴きください♪♪♪
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
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