2021.08.28 ON AIR
【ジブリ音楽 Part2!】声優の梶裕貴さん、豊田エリーさん登場!

今週はジブリ音楽のPart2!
ゲストには引き続き、声優の梶裕貴さん、女優・モデルの豊田エリーさんをお迎えしました。

■シーンと音楽

グローバー:梶さん、このシーンとこの音楽のマッチの仕方ハンパじゃないなと感じる曲どうですか?
梶:いわゆるフィルムスコアリングというか映像に合わせて音楽が作られている、キャラクターの動きに合わせて“ドン!”って言ったり“チャン、チャン”みたいな、どの作品にもあるんですけど自分のいちばん遺伝子として組み込まれているだろう「トトロ」でいうとまっくろくろすけをメイが追いかけ回す音。
グローバー:改めて音から蘇るものが凄いですよね。
梶:緩急もそうだし盛り上がりの大きい小さいも全部表現されてて1回観た人だったら音楽を聴くともうそのシーンが蘇るぐらい耳だけで伝わるって凄くないすかこれ!ま、同じような表現が他にもありますけど「ラピュタ」でいうと殴り合いするシーンでグッとチカラ入れると服が筋肉で盛り上がったりボタンが弾け飛んだり。
豊田:“これは誰が縫うんだい”って怒られて(笑)
梶:そうですよ、やっぱ映画ならではというか時間をかけて作っている作品だからこそのこのマッチ度。
豊田:私もまさにシーンと音楽が合わさって曲調が変わってくっていうのが「ラピュタ」のロボット兵が覚醒して要塞の上の塔にシータと登って、その後ドーラとパズー達が羽の飛行機がトゥトゥトゥトゥってそこではまた曲調が変わって、今度シータとロボット兵のちょっと心の通いってなった時にまた曲が変わる。ポンポン曲が変わってもうドキドキしちゃう。あそこのシーンめちゃくちゃ好きで“最後のチャンスだ!すり抜けながらかっさらえ!”って言って逆さキャッチして助け出していくところまで何回も巻き戻して観ちゃうんですよ今だに。
グローバー:音と場面とセリフが全部出てきますね!
豊田:聴いてると全部思い出しちゃう。
梶:観返したくなりますよね!

■久石譲が描くジブリの音世界

梶:作品に触れたことのある方は音楽を聴くと物語が当然蘇ってくるし、1曲の中に色んな起承転結、ドラマが詰まってるのが凄いですし、曲を聴くとその頃の記憶思い出だったりとか匂いとか温度感とかそういうものが蘇るって本当に名曲ばかりなんだなと。作品によってもね全然印象が違うっていうのも凄いなと思います。
グローバー:「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」もうそれこそカラーは全然違うけど、タイトル言うと“あっ!”と浮かんでくるもの、豊田さんもありますか?
豊田:私は「ハウルの動く城」の時に、高校生ぐらいの頃だったかな、その時にはっきり思ったのが“ジブリを映画館に観に行くって音楽を聴きにいくっていう意味合いも凄い強いんだなって思ったんです。こんな大画面で高音質で本当「ハウル」もオープニングから素敵な曲なのでなんかそういう震える感動みたいなのをちょっと子供より大きくなって改めて感じましたね。家で観てももちろんいいんですけど、劇場のあの音質で久石譲さんの曲聴くとね。
梶:本当にジブリに染まると言うかジブリに浸かると言うか。
豊田:世界に入れてくれる。もう素晴らしい。
グローバー:アンケートにもう一つ「千と千尋の神隠し」からも1曲大変お好きなのを書いていただけてますが。
梶:はい、そうなんですよ。いやぁこれも何度も繰り返しになってしまいますけど観るタイミングによって感じるものが本当に違うなと思う作品のひとつで、「千と千尋」って言うと冒頭でかかる「あの夏へ」という曲のイメージがあると思うんですけども、ちょっと不思議な世界に迷い込んだところから千尋の孤独も表現されてるような印象があってすごく印象深くて好きなんですけど、このメロディーラインが組み込まれつつ途中で出てくる「あの日の川」という楽曲、これはハクが千におにぎりを…印象的ですよね。やっぱ食と安心って繋がってるんだなっていうのを改めて感じました。おむすびをねこう千がパクッと一口食べて涙をボロボロこぼす。
豊田:あそこで千はあの世界に行ってから初めて泣けるんですよ。
梶:そうなんですよね、その直前に親が豚になってしまったのを改めて確認したり、ずっと張り詰めた空気の中で、景色は綺麗なお花がいっぱい咲いてる庭なんですけどそこにハクが呼んでくれて二人でしゃがみながらおにぎり頬張るっていうハクのあの優しさ。見た目の年齢感は近いものがありますけどまあそのハクのドラマっていうのも別にありつつ。
豊田:ね、あそこは好きだなぁ。千尋が涙を流すシーンってそこか最後ハクが自分の名前を取り戻して二人でふわぁーって空から降りてくところ、凄い素敵なんですよね。さすが本当おにぎりのところは良い!
グローバー:豊田さん、他にも自分が成長してみたら印象が変わったって作品ありますか?
豊田:「おもひでぽろぽろ」です、高畑勲監督。まさに小学生ぐらいの時に友達の家にお泊まりしてこれ観ようみたいな感じで観たんですけど子供時代のところはちょっとあるあるの小学生の話ですごく分かるし笑えるんですけど大人パートがどういうことを伝えたい話なのか全然分からなかった記憶が残ってて、大人になってまさに主人公が27歳なんですけど本当その前後ぐらい同じぐらいの歳にテレビでやってて“あの分からなかった映画今観たら分かるのかな?”と思って観たら信じられないぐらい泣いて、もう本当に大傑作。今でも宝物みたいな作品なんですけど。
梶:あれは大人社会に出ないと分からないかもしれないですねー。
グローバー:涙がいっぱい出てくる時ってどんな気持ちかわかんないで涙って出てきますけど今思うと何の涙だったんですかね?
豊田:子供時代を連れたまま生きてていいんだっていう涙かな。なんかそれを肯定してくれてるっていうか子供時代に起きた出来事全部大切でそれは今に繋がっててあの時の自分もいつも居るんだよっていう話なんですよ。だから私もね色んな自分を引き連れて生きてます(笑)
梶:トシオさんにタエ子が子供の頃から無意識的に引っかかってたようなことを話せたっていうのが、それまでそこから切り離して大人になんなきゃって焦った自分全部ひっくるめて肯定できたっていう終わり方なんですよね。

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3位:【天空の城ラピュタ】「君をのせて」(井上あずみ)

豊田:これは外せないです。
グローバー:これはお嬢さんとはどんな話になったんですか?
豊田:私も小学生ぐらいの時に小学校で歌ってますし、娘も今学校の音楽の授業で習っていて本当に世代を超えて愛されてる歌っていうのと歌詞の奥深さ。大人になって分かるすごく奥深い歌詞で、口触りのいい言葉で子供が歌っても楽しい。

2位:【耳をすませば】カントリー・ロード(本名陽子(ほんな ようこ))

豊田:聴くだけでもしみじみしちゃいますね。学生時代の甘酸っぱい気持ちも思い出すけど振り返るとやっぱりそこにはもう戻れない切なさみたいなのも感じつつ、この曲に関しては日本語の歌詞の素晴らしさ。
グローバー:コードワークとかアレンジも含めて原曲とは全然違った美しさがあります。
豊田:そうそう、物語の中で雫が何度も書き直しながら笑われながらこの歌詞にたどり着くみたいな過程も素敵ですし。

1位:【となりのトトロ】「さんぽ」(井上あずみ)

グローバー:先週は梶裕貴さんが選んだ「元気をもらえるジブリ・ソング」でも第1位でした。
豊田:この曲には感謝すらしてるっていうか子供が疲れちゃっても“あるこー♪”って言うとほんとに歩き出すし、駄々こねてても歌ったら歌い出すし。
グローバー:どうやって機嫌取ろうかっていう時にこの曲に助けられて。
梶:みんなそうだと思いますよ、この曲は子供達もそうですけどお母さんお父さんも励ましてくれたんじゃないですかね。

■キャッチコピー

梶:「ジブリ音楽とは…非日常へと続くトンネル」である!
やっぱり「千と千尋」のあの場面っていうのが頭によぎったりして、でももちろん作品を観てもそうですし音楽を聴くと本当にその世界に入ったかのような主人公だったり別のキャラクターだったりその一員になれたような気がしてくる。非日常の世界を体験しつつ現実の日常の自分の背中を押してもらえるようなそんな気がしますね。

豊田:「ジブリ音楽とは…みんなの故郷」である!
ジブリ音楽を聴くとその時代に帰れる。経験してないことなのに懐かしい。ジブリみんな育ってるから日本人ってよりもジブリ人みたいになってる(笑)梶さんと今日は初めてだったのにこんな話すことないですよね(笑)
梶:ね!なかなか無いですよね!本当共通語ですよね。
豊田:そう、共通言語としてあるみんなの心の中にある故郷にいつでもプレイボタン押せば帰れる場所っていう感じがします。

2週に渡る「ジブリ音楽」最後は「千と千尋の神隠し」から『いつも感度でも』で締めくくられました。

PLAYLIST

君をのせて / 井上杏美

あの日の川 / 久石譲

愛は花、君はその種子 / 都はるみ

風の谷のナウシカ 〜オープニング〜 / 久石譲

カントリー・ロード / 本名陽子

いつも何度でも / 木村弓


■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■梶裕貴さんの詳しい情報はオフィシャルサイト
■豊田エリーさんの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週はスペシャル・エディション!日産スタジアムで行われる「Fujii Kaze “Free” Live 2021」の模様をお届けします。お楽しみに!