2021.11.13 ON AIR
【ゆず】04 Limited Sazabys GENさん、音楽ライター 麦倉正樹さん登場!

今週のテーマは、デビュー25周年に突入した、ゆず!
ゲストには04 Limited Sazabys GENさん、音楽ライター 麦倉正樹さんをお迎えしました。

■ゆずとの出会い

グローバー:まずはGENさん、初めて出会った時、いつ、どんな時、どんな曲、覚えてます?
GEN:メチャクチャちゃんと覚えてます。たぶん小学校3年生か4年生だったんですけど、当時『リング』っていう映画があったじゃないですか、あれを従姉妹の家でみんなで観てたんですよ、それで怖くなり過ぎちゃってもうトイレも行けないと。ほんとにトラウマのようにずっしり心にきちゃって“ちょっと明るい音楽を聴きたい”って従姉妹に言ったらゆずをかけてくれたんですよ「夏色」を。で、当時MDが出始めて従姉妹が持ってるかなりカッコいいケンウッドのコンポがあったんですけど、それでゆずを聴いた時にリングで禍々しくなった心がバーっと晴れていって“何この曲!”みたいな感じになって、そのまま『ゆず一家』のMD を従姉妹に借りたのが最初ですね。
グローバー:それ聴いてどんな気持ちになったんですか?
GEN:当時は普通に「夏色」で“かっこいいな、曲が好きだな”ってなったんですけど、その後ゆずのスタイルとかを知っていくわけじゃないすか“二人なんだ”“てか、ゆずって名前なんだ、ひらがなじゃん”みたいな。それで当時ジャージだったりとかで飾ってない素朴な感じがすごくして、今でこそ国民的なアーティストですけど当時ってもちろんブレイクしてたと思うんですけど僕にとってインディーズっぽいというか、ストリートから出てきてるアーティストって感じがして、なんかちょっと尖ってるって言い方合ってるかどうかわかんないんですけど、メディアも出ないしなんかカッコイイなぁって思わされましたね。
グローバー:そこからどんどん好きな曲も増えていったと思うんですけど、今日この時いちばん好きな曲は?
GEN:それこそ僕、楽器を始めたきっかけが完全にゆずなので、ゆずを弾き語りしたくてギターを始めたんですよ。ちなみにそれは「なにもない」っていうすごい暗めな曲なんですけど。いわゆる“エモい”っていう感覚に初めて触れたのもゆずだったような気がしますね。
グローバー:麦倉さんは音楽ライターですからもちろん今となってはインタビューで聞いた話、横顔、後ろ姿、ステージ以外の部分もたくさんご存知でしょうけれど、初めて曲を聴いた時、ゆずとの出会い、覚えてますか?
麦倉:存在はもちろん知ってたんですけど、ロック村の人間だったので…
グローバー:接点がすごいあった訳ではなかった。
麦倉:そうなんですよね。で、どんどん大きくなっていったけど、昔はそういう細分化じゃないですけどオルタナティブな方ではなかったので縁が無くてここ最近急接近した流れなんです。最初にインタビューしたのがゆずの二人じゃなくって「うたエール」のPVを山田智和さんっていうサカナクションとか水カンとかイケイケの映像監督だったんですけど、その人が「うたエール」で伊勢佐木町にファンを集めて凱旋するっていうのをドローンで上から撮るみたいなすごいPVを撮ったんですよね。それをどうやって撮ったのかっていうのを山田監督に聞くっていうインタビューをCINRAっていうWeb媒体でやったんですけど、そこから山田さんとクリエイティブディレクターの東畑さんっていう方の二人からいかにゆずが凄いかって話を聞いて面白いなーって思って。印象に残ってるのが、山田監督が北川さんに言われた言葉として“僕たちは伝えることを諦めてないんだよ”っていうのを山田監督は“すごくグッときた”と言っていて“それが一番クールだ”って。“オルタナティブで分かる人にしか分からないことをやってる人たちの音楽とか仕事を結構やってたけど、伝えることを諦めてないって言ってるゆずがいちばんカッコイイ”っていう話を聞いてなるほどっていうのがあって、そこから「公園通り」のタイミングから今に至るまでなんとなく追うようになっちゃった。そういう入りなんですよね。
グローバー:いろんなアーティストが伝え方も様々ですけど、ゆずはこれだけダイレクトに伝えたいって気持ちをそのまま伝えたいって言葉で言えるというのは実はなかなか他のアーティストがやってこなかったことかもしれない。
麦倉:ねえ、ロックの人とかって“分かるやつに分かればいい”みたいな。“なんと言われようが別にいいぜ”みたいな感じになるじゃないですか。じゃなくてそう言われてもそこまで届くようにっていうことを北川さんが言っていたというのを聞いて、なるほど確かにそう言われてみればフォークソングだけじゃなくても本当に手を替え品を替えいろんなことをやってきて今に至るわけで、それはいろんな人に届いちゃうんですよね。
グローバー:GENさんもおっしゃってたけど“自分も歌いたい”っていうぐらい人を動かしましたよね。道にたくさんギター持って人が出てきて。
GEN:そうなんですよ、言ったら普通の人っぽいじゃないですか、お二人共。なんか“オレでもできるかも”って思わせてくれるんですよね。普通の人が楽器持ってステージに立ったら“なにこの人たち、めちゃくちゃかっこいいじゃん!”っていうあの感覚にさせてくれるアーティストって意外と居ないんですよね。
麦倉:だからぶっちゃけそれまで路上でひとりでギター弾き語りは尾崎豊さんの熱いものをやってるっていう。だんだんみんな“そういう感じね”って思ってたのが、ゆずが出てきてからやっぱ変わったんですよね。もっとフレッシュなヤングがギター持って路上でっていう風に変わってきたからそこやっぱで大きいですよね。
GEN:ストリートミュージシャンブーム作りましたよね。

■新曲『奇々怪界-KIKIKAIKAI-』

グローバー:今週水曜日に配信リリースになったばかりの新曲「奇々怪界-KIKIKAIKAI-」いかがですか。
GEN:面白かったですねー。まさかゆずがこんな音色使ってくるとはっていう。途中もこんな展開する?!って思いながら、、挑戦しまくってますね。
麦倉:25周年イヤーに突入した一発目がコレってどこに連れてかれるんだって。面白いなと思いましたね。
GEN:でもやっぱ二人のハモは黄金比ですね。そういうリズムで歌ってもビターッと。
グローバー:そうか、これぐらいのアレンジってそれこそ今の色んな楽曲に反応してのゆずからの返事って感じもありましたけど、強いのはこの歌、ハーモニー。
GEN:そうなんですよね。
麦倉:どんな曲でもやっぱゆずだって分かるっていう。
グローバー:じゃあちょっとリリックとかも含めてゆずの持つ“面白いことやってやろう”とか“楽しませよう、笑わせよう”というユニークなこと、ユーモア。こういうものもゆずの大きなずっと芯にある部分だと思うんですけど、GENさん、子供心に思ったこととかありました?
GEN:いっぱいあるんですけど、ライブでラジオ体操するじゃないですか、あれも当時ゆずが好きな女友達がいたんですけど、そこから聞いて面白いなと。
麦倉:度肝抜かれますよね。しかもみんなやってるっていう。武道館でもやってましたもん。
グローバー:世代もなにも超えてみんなを連れてく一個の遊びっていうね。
GEN:そうなんですよね、誰も置いてかない感じがしますよね。
グローバー:麦倉さん楽曲の中でもこの遊び心好きだなぁと思うものありますか?
麦倉:そういうお遊び曲はちょいちょい出してきますよね。で、いまの「奇々怪界-KIKIKAIKAI-」が北川さんじゃなくて岩沢さんが作詞作曲っていうのでちょっと岩沢さんもこのコロナ禍を経て異次元へ行ったのかと(笑)
GEN:たしかに、そうですねー!
麦倉:当然北川さんだろと思っていたのでちょっとびっくりなんですけど。最近驚いたのは「マスカット」ですよね。クレヨンしんちゃんの主題歌ってことで子供向けでちょいちょい出してくるそういう曲かなと思ってたんですけど、だんだん音源とかライブとかで聴いてるうちになんかこれいい曲なんじゃないかな?と思って。で、盛り上がるんですよねライブとかでも。よく聞くと“あれ?なんでこれマスカット目線なんだろ?”とかいろいろ疑問は湧くんですけど、でもね、これいい曲だなっていう(笑)クセになりますよ。

■04 Limited Sazabys のベース・ボーカル、そして作詞担当!
  GENが選ぶ、「クゥ〜ッ!この歌詞が心に響くわ」ゆずソングTOP3!!!


3位:サヨナラバス 

GEN:歌詞って言われてパッと出てきたのはこの曲なんですけど“予定時刻は6時あとわずかで僕らは別々の道〜”じゃないですか。その1文で全て説明してくれてるんですよね。そこでこう大体なんてことないこと歌ってる曲が多いんですけど、ちゃんと登場人物が二人いて、サヨナラバスにもう向かってるのが1行目から分かるので、最初の一文ですべてを説明してくれるのは見事だなと。

2位:くず星

GEN:歌い出しからもうこの岩沢さんの自己肯定感の低さったら(笑)けっこう情けない感じで歌ってくれてる曲がすごい好きなんですけど、くず星は自分に力がない感じをすごく歌ってるんですけど、共感しちゃいますね。
グローバー:自分でも振り返って自分もとことんへこんでた時とかにちょっとこの曲チカラからくれたなとかありました?
GEN:あーでも、こうやって今何度も聴き直した時に大体僕が思ってたことを初期のゆずはもう感じてたんだなと思いますね。当時そこまで深く分かってなかったのでこんなエモイこと歌ってたんだ、みたいな。“これ今見れば、めちゃくちゃ分かれとるやん”みたいな。
麦倉:結構初期とかロックっていうか「なにもない」とかそういうところから始まってる曲ってちょいちょいあるんですよねー。
GEN:なんか情けなさを晒し出してる感じというか。
麦倉:時々そういう毒吐くみたいなところから始まる曲もいいですよね。

1位:朝もやけ

GEN:これは大好きな曲なんですけど、僕の中でゆずのいちばん好きな構成で、岩沢さんの楽曲で歌い出し北川さん、で、Bメロから岩沢さん入ってきてサビでいちばんカツンと高いとこいくんですよ。その構成が特に好きなんですけど、この曲だったら“…悪いけど少しだけ眠らせておくれ…”ってフレーズがあるんですよ。それが朝まで悩んでて寝れなかったんだなという。やさぐれて朝まで悩んでたんですけど、サビで微かな希望をちゃんと感じるんですよね。
麦倉:岩沢さんの高音が入ってくる時のあのゾクゾクする感じはね。
GEN:そうなんですよ、涙腺に刺さるんですよねー。やっぱ歌い方で影響されたアーティスト多いんじゃないですかねぇ。
グローバー:影響されましたか?
GEN:影響されましたね、ファルセットの出し方とか。カラオケでゆずを歌ってたのが本当に僕の音楽体験の最初なので、かなり自然と影響されてると思います。あとこの「朝もやけ」なんですけど、当時ゆずが『歌時記』っていうライヴ音源のCDを出してたんですよ。そのライブ音源のアルバムで知ったんですよ。元々サヨナラバスのカップリングだと思うんですけど、こんな名曲あったんだと。そしてライブだとちょっとテンション高いというかオラオラしてるんですよ(笑)


まだまだ続く『ゆず』来週もお楽しみに!

PLAYLIST

なにもない / ゆず

公園通り / ゆず

境界線 / ゆず

奇々怪界-KIKIKAIKAI- / ゆず

マスカット / ゆず

朝もやけ/ ゆず


◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。

■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■04 Limited Sazabysの詳しい情報はオフィシャルサイト
■麦倉正樹さんの詳しい情報はこちら

来週は、ゆずPart2!ゲストには引き続き04 Limited Sazabys GENさん、音楽ライター 麦倉正樹さんをお迎えします。お聴き逃しなく!