今週のテーマはシンガーソングライター 竹内まりや!
ゲストには土岐麻子さん、韓国のプロデューサー 兼 DJのNight Tempoさんをお迎えしました。
■竹内まりやとの出会い
グローバー:土岐さんは初めての出会いって覚えてますか?
土岐:物心ついた時から歌、存在、知っていたのでいつだったかっていうのははっきりと思い出せないんですけれども、でもいちばん最初に知った曲、印象的だった曲っていうのはおそらく「不思議なピーチパイ」。1980年にリリースの曲でおそらく CM もそのぐらいだったんですよね。ということ私は4歳。当時ってCMではかっこいい映像とちょっと文学的なキャッチコピーがどーんときて、まさにそういうCMが粋な文化だった頃の作品ですよね。
グローバー:そこで出会う竹内まりやさんというのもそういうちょっと大人のなにかアーティスティックなかっこいいものというのが子供心にあったんですね。
土岐:そうですね。でも子供心に可愛いってイメージがありましたね。可愛いお姉さんっていうイメージが。やっぱりルックスもあったし「ピーチパイ」っていう言葉も可愛いらしかったので、幼稚園の子でもわかる世界観というか。「不思議な」って言葉も分かるし「ピーチパイ」って言葉も分かるし、なんかすごくポップな存在っていう風に思ってました。
グローバー:そこからどんどん少女から大人になっていって竹内まりやさんの音楽も聴こえ方変わりましたか?
土岐:高校生とか大学生ぐらいの頃にまりやさんの曲がCMでまた聞こえ始めてきて、その時に改めて歌詞の世界に惹かれていったりとか曲のすごく肯定的なパワーに惹かれていったりとか。
グローバー:ポジティブな力。
土岐:そうですね。
グローバー:歌詞とかそのポジティブな空気とかにハマっていって、今いちばん好きな1曲というと?
土岐:今改めて聴くとどの曲も本当にそれぞれの良さがあるんですけど、たった今っていうことで選んでいいですか?(笑)今日朝起きた時に聴きたくなったのが「夢の続き」
グローバー:あー、午前中に聴きますか。グルーヴですか。
土岐:はい、ちょっと今日眠かったのでね(笑)ダンサブルなサウンドっていうのも竹内まりやさんの数ある楽曲の中でも好きなサウンドなんですけれども、それこそNight Tempoさんが世界中に広めた「PLASTIC LOVE」っていう曲がありますけれども、それと対をなすような楽曲なんじゃないかなっていう風に思っています。
グローバー:今日はリモートで韓国とも繋いでおりまして韓国のプロデューサー、DJ、Night Tempoさん。インターネット、オンラインで様々盛り上がったJapanese City POP ムーブメントの中でも竹内まりやさんの「PLASTIC LOVE」というのは大変な代表曲でありますがNight Tempoさんもそういった Japanese City POP ムーブメントどんどん火をつけてってくれた方の中のお一人です。Night Tempoさん、竹内まりや最初に出会った時、覚えてますか?
NT:はい、きっかけは竹内まりやさんの周りではなかったんですけど、日本の音楽に興味を持ったのが角松敏生さん作曲の曲が最初のきっかけになって、角松さんが影響を受けたアーティストの中に山下達郎さんを知ることができて、山下達郎さんの関連アーティストとして竹内まりやさんを知ることができました。
グローバー:そうですか、角松敏生さんから入って山下達郎も素敵だな、今度竹内まりやさんを聴いた時はどんな気持ちになりましたか?
NT:女性の声もこういう使い方があるんだっていうのを知りました。なぜなら日本って女性のかたがハスキーな声で歌うことってあんまりなかったと思います。例えばジャズボーカルとかの真似をするケースはあったと思います。でもちょっと自分も色を持って歌うっていうかたが結構数少なかったと思います。最初の頃は黒人音楽、欧米音楽に近かったんですけど、どんどん竹内まりやさんのプロダクションが彼女の色に染められていってそれが今にも通じるサウンドになって。
グローバー:楽曲色々掘っていくのでも日本だと山ほどCDショップでも聴けますし掘れるんですがNight Tempoさんが竹内まりやさん気になるなって色々ディグっていく時はどうやって聴いていったんですか?
NT:カセットテープを集めるのが元々趣味だったので。
グローバー:マニアックな趣味ですね、カセットテープコレクター。
NT:はい。
グローバー:今リモートで繋いでる回線、部屋の後ろにいっぱい棚に詰まってますよ。すごいいっぱいありますよね何本ぐらい?
NT:多分和モノだと700本ぐらい。
土岐:え、すごい。
グローバー:和モノものだけでそれだけの数ってことは世界中大好きなカセットテープ集めたらもうケタがまた違うますか?1000本以上?
NT:はい、2倍くらいあります。
グローバー:そうなんだ、カセットテープで聴いていった竹内まりやの世界なんですね。じゃあ今この1曲というと?
NT:「OH NO, OH YES!」っていう曲なんですけど、この曲はもともと中森明菜さんに提供した曲なんですけど、後でセルフカバーして出したんですよね。
グローバー:この曲はどういうところが好きですか?
NT:最近はNGな歌詞なんですけど内容自体が不倫についてなんですよね。当時は不倫っていうのが流行りみたいな感じだったらしくて。
グローバー:大人の恋のひとつの形っていうね。それはそれで素敵という場面ですよねこの曲は。
NT:はい。ですので韓国人の考えではあんまりできないんですけど、この雰囲気っていうのと、あとそういう敏感なトピックをこういう風に話したらなぜか納得できそうっていう。 グローバー:なるほどね。でも土岐さん、音楽の力ってありますよね。
土岐:そうですね。ロマンチックに消化できるっていうのが音楽の良いところですよね。
グローバー:学校じゃ教わらないこととか、学校じゃ怒られるようなことでも実は好きとか素敵ってことを音楽の中だとたくさん描かれたりしますね。
■好きなアルバム:
グローバー:お二人ともアルバムで言うと、どの世界観が好きか伺いたいんですがNight Tempoさんはこのアルバムが好き、その中でもこの曲というのは何ですか?
NT:僕は『Miss M』っていうアルバムが好きで、その中でも「Secret Love」っていう曲が好きです。欧米の音楽が好きな人は多分『Miss M』っていうアルバムがいちばん刺さるんじゃないかなって思います。
グローバー:これは参加してるミュージシャン、プレイヤーが名だたる皆さんが演奏してますね。こういうアンサンブルの中で出てくる竹内まりやさんの魅力、この「Secret Love」はどういうところがお好きですか?
NT:日本っぽさがないところに、女性の黒人のヴォーカルではないアジア人のヴォーカルでオシャレに音を加えて作品になってるのがすごく面白いと思いました。同時にピンクレディとかいろんなかたがチャレンジはしたんですけど、今聴いて新鮮に感じるのはこの曲じゃないかなって思います。
グローバー:日本のこの時代のシティポップと呼ばれるモノがインターネットで世界中の音楽好きで色んなネタ探している人たちに広まった時に竹内まりやの声だったていうのは今おっしゃったみたいななんかボーダレスなちょっと国境とか時間も越えてくような魅力があるんですか?
NT:はい。まずはレトロカルチャーっていうのがネットですごく広がっていって、多分2016〜17年あたりにレトロブームっていうのが世界中に広がっていって、その中で色々追っていく中で外国のオタク、まあネットをよく使ってる人たちが好きなのは日本の文化っていうのがあったので、古いアニメとかそういうものからすごくノスタルジアを感じて広がったのが日本のレトロで、その中で音楽の方も独特の日本の解析、日本でいうニューミュージックとかシティポップとかって元々欧米の音楽を持ってきて日本人解析をしたものだったんですけど、その解析っていうのがやはり面白い。言葉が分からなくても海外の人にとっては似てるけど独特な日本の香りがするのでそこで魅力を感じたんだと思います。
グローバー:竹内まりやさんの歌声ってそういうのあるかもしれませんね。英語で歌っててもなんかこう日本の香りもするし、僕も初めて聴いた時からなんか懐かしいというかほっとする歌声でもあるし、不思議な魅力が詰まってますが。土岐さんはアルバムで言うとどの時期の竹内まりやさんの作品お好きですか?
土岐:今回改めて考えてみたらですね『VARIETY』っていうあまりにも有名なアルバムで、それこそ「PLASTIC LOVE」が入ってるアルバムですけれども、このアルバムがやっぱりすごく好きだなーっていう風に思いました。これは確かご結婚されて一度音楽活動休止されて、その後3年ぐらいのブランクを経てこの作品で復帰したということだったと思うんですけれども、全曲が作詞作曲まりやさんで、アレンジとプロデュースが達郎さんということで夫婦で作っていて、本当にそのシンガーソングライターとしてのまりやさんの魅力とか音楽への愛情みたいなものをたっぷりと感じられるアルバムだなぁと改めて思いました。
グローバー:どの曲いきましょうか。
土岐:「マージービートで唄わせて」なんですけれども、この曲はいわゆるビートルズサウンドなんですけども、まりやさんと音楽の話をしたことはないんですけれども、まりやさんの様々な音楽的なルーツっていうか青春時代を垣間見るような気分にさせてくれる楽曲というか。まりやさんご自身の音楽への憧れみたいなものをすごく強く感じられて、それがすごく幸せな気持ちになるそんな曲だなと思っています。
■韓国からジャパニーズ・シティ・ポップ・ムーヴメントを牽引する音楽プロデューサー 兼 DJのNight Tempoセレクト! 「プラスティック・ラブだけじゃない!昭和グルーヴを感じられる竹内まりやソング」TOP3!!!
3位:夢の続き (1987)
NT:僕は80年代末ぐらいのパソコンで打ち込みをしたそういう音がすごく好きなんですけど、この「夢の続き」っていう曲も昔の山下達郎さん竹内まりやさんの音からアップデートされていて、当時ニュージャックスウィングとか欧米とかでよく使われてたデジタル楽器とかを使っていて今聴いてもかっこいいと思えるんですよね。
2位:Secret Love (1980)
NT:これはまりやさんのボーカルのおいしさ。後になるとまりあさんは感情込めて曲を作るようになったのでもうちょっと感情的になるんですよね。以前の声を楽器としての面白さ楽しさ、グルーヴっていうのを感じれるのは前の方だと思います。
1位:Sweetest Music (1980)
NT:2位と同じく竹内まりやを昭和グルーヴって言う文脈で楽しめる曲だと思います。
まだまだ続く『竹内まりや』来週もお楽しみ!
PLAYLIST
夢の続き / 竹内まりや
OH NO, OH YES! / 竹内まりや
マージービートで唄わせて / 竹内まりや
幸せのものさし / 竹内まりや
Sweet Combination (feat. Yurie Kokubu) / Night Tempo
Sweetest Music / 竹内まりや
◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■土岐麻子さんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■Night Tempoさんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ