2022 年最初の「MUSICOLOGY」、テーマはアイズレー・ブラザーズ!ゲストは引き続き、Kroi のギタリスト 長谷部 悠生さん、 音楽ジャーナリスト 林 剛さんをお迎えしました。
■ブラック・ミュージック大好きバンド Kroi の長谷部悠生セレクト!
これぞファンクネス!新年最初の夜は、熱く燃えて盛り上がろう!
「アイズレー・ブラザーズの極上ファンキー・ナンバー」TOP3!!!
長谷部:ファンクネスといえばライブだなとライブアルバムから選曲させていただきました。
3位:It's a Disco Night (Rock Don't Stop) [Live]
長谷部:カッコいいですねー。もう音源よりも全然速くてそこがまたファンクネス!熱いですね。
グローバー:これ何ていうライブアルバムから?
長谷部:これは『Wild in Woodstock』というアルバムです。
林:ウッドストックのベアズヴィル・サウンドのスタジオですよね。80年の多分スタジオライブですよね。
長谷部:はい、音質がすごく良くてやっぱスタジオライブってのもありつつ。黄金期からちょっと外れるというか中期の後半ぐらいの時に出してた曲なんですけど、ちょっと80sのファンクのノリがアイズレーの中で生まれてきて、このベースの音とかもやっぱその時代に合わせた音になってきた中での“ディスコ”。タイトルにある通りかなりディスコに合う曲ですね。
グローバー:このアゲまくってるギターのカッティングどうですか?ギタリストとして。
長谷部:最高ですよもう。弾いてて楽しい、聴いてて楽しい、食べて楽しい。
2位:That Lady [Live]
グローバー:本当にこのイントロですよ、凄い!音源よりも全然速いですからね。これがまたこのライブバージョンの良いところでございまして。
グローバー:アイズレーはアゲアゲでもまだ残るメロウネスとか凄いグループですね。テンポ上がってもなんか洗練されたものが消えない。
長谷部:そうすね。この時期のアイズレー、マジで生で観たかったっすね。タイムスリップしたいす。
1位:Fight The Power [Live]
長谷部:友達とかに“ファンクな曲を教えて”って言われたらこの曲は絶対挙げますもんね。
グローバー:山ほどあるファンクの大好きな曲からどうしてこの曲なの?
長谷部:なんだろうなあ、もう言葉で説明できるところもあるんでしょうけど言葉で説明できない踊りたくなっちゃうパッション的なところがやっぱりすごい曲だなと思いますね。アイズレーの中でいちばんファンキーなんじゃないかなと思ってますこの曲は。
林:僕も同感ですね。
長谷部:ファンキーな曲はいっぱいあるんですけど、JBの影響を受けてるロナルドとジミヘンの影響を受けてるアーニーらしさがすごい詰まってる曲だなと思いますね。
■音楽史にもっとも影響を与えた「Between the Sheets」
グローバー:お2人が「音楽史にもっとも影響を与えたアイズレー・ナンバー」として共にセレクトしてくれた、「Between the Sheets」ズバリこの曲の魅力というのは林さんどこにありますか?
林:これはもうねメロウグルーヴの最高峰ですよね。これは『シルクの似合う夜』という邦題がついてますけどね、シルクのシーツの感触まで伝わってくるような感じですよね。
長谷部:ジャケもいいですよね。
林:うん、いい。メロウでスウィートで、しかもキャッチー。で、当時の打ち込みなんですけども、そのサウンドでヒューマンなグルーヴを生み出した感じ、それがいいんですよね。マーヴィンゲイの『セクシャル・ヒーリング』って曲がこのちょっと前に出たんですけども、それを踏襲したというかそういう感じのグルーヴで。あとエムトゥーメイの『ジューシー・フルーツ』っていう曲もありましたけども、そういうのをちょっと受け継いだ感じのメロウをなグルーヴですよね。
グローバー:“あ、これってアイズレー・ブラザーズの曲なんだ”って今気づく方がいてもおかしくないぐらいあらゆるジャンルのアーティストがサンプリングソースとして取り上げてますけど。
長谷部:僕も選んだ理由はやっぱりサンプリング。ヒップホップに凄い影響を与えて曲だなと思っていて、ノトーリアス・B.I.G.だとかいろんな方々がサンプリングしてるのでヒップホップ好きな人でも“あ、これ聴いたことあるな”って人が居るだろうし。
林:そうですよね、トライブ・コールド・クエストの『ボニータ・アップルバム』のリミックスとか本当に90年代の中盤あたりこれは現象になりましたもんね。
グローバー:先ほどこのアートワークも最高とおっしゃってましたけど。
長谷部:さっきお話出たようにちょっとエッチな感じのジャケになってて、シルクの質感が伝わるようなジャケになってて。アイズレー結構ジャケがダサいのが有名なんですけど(笑)このジャケはなんかすごいオシャレな。
林:急にああいう風になりましたよね。
長谷部:どうした?どうした?ってなりますね。
グローバー:歌詞の世界も音の世界も含めてですけど、日本にも通じるような“言わぬが花”みたいな、みなまで言わないけどだからこそ結構心の奥までくるエロティックなセクシネスっていうのがありますよね。
長谷部:だからヒップホップにも影響を与えたし、そこで再評価されたことによってその後またさらに30年間アイズレーが活躍できる、そういう風なきっかけになった曲なんでしょうね。
■キャッチコピー
長谷部:「アイズレー・ブラザーズとは…音楽の父」である!
お母さんがビートルズだとするなら、お父さんはアイズレー・ブラザーズかなと。やっぱ長く続けてるという意味で。あと、与えた影響がやっぱもう凄いので。長い期間いろんなアーティストに影響を与え続けてるアーティストだと思うのでみんなのパパですね。
林:「アイズレー・ブラザーズとは…愛を道連れにする兄弟たち」である!
これ日本語として正しいんでしょうかね?(笑)すいません、ダジャレです(笑)そのままなんですけども、本当に広い意味でのラブソングっていうのを歌ってきたバンドでもあるんで、そこでその愛をテーマにファンクを歌いメロウなバラードスローを歌いと言うね。やっぱりもうこの人たちは広い意味で人間愛とかも含めてねあったんじゃないかなと思って。
グローバー:私、次からアイズレーって見たら“愛を道連れ、アイズレー”ってうっかり入っちゃった(笑)
林:これは響く人には響くかもしれないですね。
長谷部:俺も響きましたよ“違うよ、愛を道連れにする兄弟達だよ!”って言いますよアイズレー・ブラザーズ。
2週に渡るアイズレー・ブラザーズ、ラストは2021年の新曲『Friends and Family ft. Ronald Isley & Snoop Dogg』で締められました。
PLAYLIST
Fight The Power [Live] / The Isley Brothers
Who Loves You Better / The Isley Brothers
This Old Heart of Mine (Is Weak for You) / The Isley Brothers
Between the Sheets / The Isley Brothers
Juden / Kroi
Friends and Family(feat. Ronald Isley, Snoop Dogg) / The Isley Brothers
◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■Kroiさんの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■林 剛さんの詳しい情報はオフィシャルTwitterへ