今週のテーマは、祝!ジョン・フルシアンテ復帰!レッド・ホット・チリ・ペッパーズ!
ゲストは、Kroi のギター長谷部 悠生さん、Chilli Beans. ベース/ボーカルMaikaさんをお迎えしました。
■レッチリとの出会い
グローバー:まずは長谷部さん、レッチリとの出会い覚えてますか?
長谷部: 聴いたのは僕が小学生の時に『デスノート』っていう映画の主題歌で「ダニー・カリフォルニア」が流れてたのを聴いて小学生ながら“カッコイイ曲だな”って思ったの覚えていて。
グローバー:小学生でもかなり低学年ですね?
長谷部:そうですね。小学生時代はその後フォークにめちゃめちゃハマったんで、その後レッチリとか全然聴かなくて。中学3年生ぐらいの時にウチのボーカルの内?怜央からレッチリのライブビデオ貸してもらって。それまで僕ボーカルだったんですけどギタリストになろうと。ミュージシャンやってる方で音楽を始めたきっかけとか凄い衝撃を受けた瞬間っていうのが僕はまさにその瞬間で。
グローバー:そのやられたシーンはどこだったんですか?
長谷部:もう全部です。「Slane 」っていうレッチリの出してるライブビデオめちゃめちゃクオリティ高くて、メンバーのコンディションとか映像の綺麗さとかそういうのがいちばん高いライブアルバムかなと思ってて。
グローバー:レッチリってメンバーみんな華があるからずっと歌ってたら“よし俺がアンソニー・キーディスだ”と歌う方には行かなくて。
長谷部:ジョン・フルシアンテですね、完全に。
グローバー:じゃあジョン・フルシアンテ復帰なんて聞いた時どうでした?
長谷部:そん時まだ実家のケーキ屋で働いてたんですけど、マドレーヌ包みながら電話きて“ジョンが復帰したらしい”みたいな。まあウソだろうと思ってTwitterで調べたら本当に復帰するらしくて、まじ胃が口から出るかと思いました。それぐらい緊張したんですよ。なんかオレの中でギターヒーローってめちゃめちゃたくさんいるんですけど、ジミヘンにしてもカートにしてもみんな亡くなっちゃってたりとか。その中でジョン・フルシアンテはオレの中で完全神様だったんで。でももう二度と戻ってこないと思ってたんでレッチリのジョンが観れるなんて思ってなかったんです。だからホント生き返ったみたいな凄い体験でした。
グローバー:中でも“この曲カバーやったな”とかありますか?
長谷部:それでギタリストになろうってなったんですけど、それまでコードをジャカジャカぐらいしか弾けなかったんですけどレッチリの曲を色々カバーしまくって、その怜央と一緒に学校でレッチリのコピーバンドを組んで。コスプレとかして地元のライブとかに出てましたね(笑)
グローバー:その学生の頃のそれが詰まった1曲にします?
長谷部:マジでいちばん最初にギターをカバーした曲の「ダニ・カリフォルニア」ですかね。
グローバー: Chilli Beans. Maikaさんはベース/ボーカルですけど、レッチリというとフリーもベースヒーローとしてかなり長いこと君臨してる方です。グループ名Chilli Beans.の“Chilli”っていうのはもらってたりするんですか?
Maika:そうなんですよ。
グローバー:メンバーみんなお好きで?
Maika:そうなんです、でも元から好きだったってわけではないんですけどバンド結成する時に色んなバンドの音楽聴いてて“なんだ?このバンドは!”ってなったのがきっかけでそこから“Chilli”を頂いたって感じ。
グローバー:ちょっとその時の話、まずメンバーが集まって色々好きな音楽を教え合ってたんですか?
Maika:そうですね、全員洋楽が好きっていうのは一緒だったんですけど聴いてるジャンルだとか好きなアーティストっていうのは結構バラバラで。せっかくバンド組むんだからバンドの音楽勉強しようよって言っていろんなバンドのパフォーマンス映像だったりとかを観てる時にレッチリのライブ映像をYouTubeで見つけて“すげーな!”ってなってそれがきっかけでしたね。
グローバー:何に“すげえな”ってその時話題になりました?
Maika:パフォーマンス。全員が目立ってるっていうのもそうだったし、あとは衣装も意味がわからないし(笑)それがすごいツボだったんですよね。それまでバンドってフロントマンがいちばん目立つものって思ってたんですよ、でもそれ観てこういうバンドの在り方もアリなんだっていうのが衝撃でしたね。
グローバー:そこからじゃあ色々また他の曲を掘っていったりカバーとかやりました?
Maika:やりました。自分ひとりでいちばん初めにベースだけのカバーをやったのは「ハイヤー・グラウンド」。元々スティービー・ワンダーの原曲の方をずっと聴いてて“レッチリカバーやってるんだ”って聴いたらなんか全然違う曲みたいに聴こえて。ベースかっこいいなと思ってカバーしたのがきっかけで、この曲で初めてベースで弾き語りをしました。
グローバー:そこでプレイしてみるとこういうところいいなとか好きになっていったポイントってありました?
Maika:それぞれのパートがそのパートだけ聴くと主張して聞こえるのにひとつにまとまるとひとつの世界観を皆んなで奏でてる感じになるのがすごいビックリでしたね。ギターはずっとコード弾いてるとかベースはずっとルート弾いてるって訳じゃないのにっていうところがすごい魅力だなって思ってます。
グローバー:今、いちばん好きなレッチリの曲っていうとなんですか?
Maika:やっぱ新譜が出たということで「ポスター・チャイルド」が個人的にはキテますね。イントロのベースのフレーズがまずとんでもなくいいなっていうのから始まって、もちろんフリーのスラップも凄い好きなんですけどあの指弾きのちょっとメロウな感じもすごく好きで。ちょっと後ろにとる感じっていうか。それがもうイントロに詰まってるなって最初に聴いて思って最近ずっと聴いてますね。
■好きなアルバム
グローバー:長谷部さんは新曲聴いた時はいかがでしたか?
長谷部:そうですね、この「ポスター・チャイルド」の前にもう1曲全然雰囲気が違う「ブラック・サマー」がリリースされてたんですけど、どっちかというと『ワン・ホット・ミニット』とか『ブラッド・シュガー』みたいなちょっと90年代とかの匂いがする曲が出てきたのでちょっとまたここから先アルバムの続きが気になるような内容でしたね。
グローバー:ひょっとするとここから昔のアルバムを掘っていこうかなとかいう若いファンがまた増えるかもしれないなーと思ってます。
長谷部:レッチリってアルバムごとで曲の雰囲気が全然違うじゃないですか、そこがめちゃめちゃ好きなところでもあるんですけど。
グローバー:アルバムでいうとどれが好きとかありますか?
長谷部:僕は本心の本心からいうと『ブラッド・シュガー』なんですけども、ちょっと『ブラッド・シュガー』というのは“当たり前だな”みたいなのが自分の中にあって。いや、めちゃめちゃカッコイイす。しかも2人いると被るだろうなって思ったんで『バイ・ザ・ウェイ』にしました(笑)
グローバー:じゃあ『バイ・ザ・ウェイ』の魅力は?
長谷部:ジョンが一回抜けて帰ってきたのが『カリフォルニケーション』で、その2作目が『バイ・ザ・ウェイ』なんですけど、レッチリが今までのファンクネスパンク色がメロディアスなところに転換する時期だなっていう。
グローバー:ものすごいメロディーを打ち出し始めた頃ですね。
長谷部:アンソニーのメロディもかなり洗練されてきたというか綺麗なメロディーが増えてきて、なおかつサウンドのクオリティが『バイ・ザ・ウェイ』ぐらいから凄い上がったなという印象が個人的にあって。そのサウンドデザインといいますかコーラスワークだったりサウンドメイキングのところですごい綺麗に一個まとまった作品だなという印象はありますね。
グローバー: Maikaさんはどのアルバムですか?
Maika:やっぱり『ブラッド・シュガー』がいちばん好きですね。
グローバー:メロディアスかどうかっていうとこの時期はもうファンクネスだからそんなメロディックな曲はまだないですけども。
Maika:自分がファンクが好きっていうのもあると思います。ファンク色が強めの楽曲がそもそも好きで、音楽塾みたいとこに通ってたんですけどそこで歴史を勉強しようみたいな時にブラックミュージックを聴いてそれですごい好きになったのがきっかけでスティーヴィーとか結構聴いてましたね。
グローバー:自分の中でもうそういう土台があって聴いた『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』のレッチリのファンクっていうのはいかがでしたか?
Maika:このアルバムぐらいからフリーのベースが結構空間を生かすフレーズが増えてきたなっていう風に思ってて、それまでは休符なしにずっとフレーズ続いてたりとかそういうイメージだったんですけど、このアルバムからいかに休符をうまく使うかっていう感じのところが魅力だなと思ってて。
■ジョン・フルシアンテ復活記念!Kroiのギタリストがセレクトする
ジョンのギタープレイを存分に味わえるレッチリ・ソングTOP3!
3位:Funky Monks <1991年>
長谷部:これ『ブラッド・シュガー』に入ってるんですけど、リック・ルーヴィンがいろいろ指示出してたみたいな話あったじゃないですか「ファンキー・モンクス」とかまさにそれで“君らしいプレイ見せてくれよ”をやった曲みたいなウィキペディアに書いてあったんですけど。ジョンにしては珍しいですよねスラップでこのフレーズ弾いてるんですけど、とびきりファンキーでなおかつ簡単なんですよフレーズ自体は。上手に弾く事ってまた難しいんですけど。なんでギター触ったとき思わず弾いちゃうフレーズといいますか、かなり影響受けてるなと思いますね、個人的に。
2位:Charlie <2006年>
長谷部:『ステイディアム・アーケイディアム』ですね。カッコイイすね。これも簡単なんですよ、3弦フレットを4弦から1弦まで押さえればこのフレーズ弾けるんです。でもカッコイイんですよね。で、後半には1オクターブ上がるだけっていう。こんなシンプルなフレージングでこんなカッコよく聞かせられるんだっていう。ソロも3回ぐらいあるんですけどそれがもうカッコイイんですよね。ラスサビとかでちょっと歌えるサブメロディみたいなのをギターで表現したりするんですけど「チャーリー」だけにいえることじゃないんですけど『ステイディアム・アーケイディアム』ぐらいからギターでおもしろい音とかすごい増えてきて、よりエフェクティブな方向にジョンがエレクトリックにちょっと転とうし始めたみたいなのもありつつ“ギターってどんな音出せるんだ?”みたいな挑戦みたいのがすごいたくさん入ってるアルバムだなと思って。
1位: If YouHave To Ask <1999年>
長谷部:元々「スカーティッシュ」を入れてたんですけど、やっぱ正直になってみたらこの曲かなと。
グローバー:だからどうしても『ブラッド・シュガー』はちょっと距離を置かなきゃいけないと思うぐらい影響されてるんだ。
長谷部:されてますね。
グローバー:カッチカチの乾いたカッティング、やっぱこっちなんですね。
長谷部:完全に性癖に刺さってます。自分の趣味、志向とか完全にこのレッチリで構成されたなみたいなのがあって。ジョンはもうほんとチョーキングしてるだけのソロとか弾くんで、そういうところも含めて凄い好きですね。ミスタッチですら作品になっちゃうところとか凄い好きですね。
まだまだ続く『レッド・ホット・チリ・ペッパーズ』来週もお楽しみに!
PLAYLIST
Dani California / Red Hot Chili Peppers
Poster Child / Red Hot Chili Peppers
Tear / Red Hot Chili Peppers
Tremolo / Chilli Beans.
If You Have To Ask / Red Hot Chili Peppers
◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。
■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■Kroiの詳しい情報はオフィシャルサイトへ
■Chilli Beans.の詳しい情報はオフィシャルサイトへ