2022.04.16 ON AIR
【藤井風】俳優の別所哲也さん、 音楽評論家 宗像明将さん登場!

今週はNewアルバムも話題の藤井風がテーマ!
ゲストに、俳優の別所哲也さん、音楽評論家 宗像明将さんをお迎えしました。

■藤井風との出会い

グローバー:別所さん、振り返れば『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』でかなり
前から藤井風をプッシュしてるのはリスナーの方はご存知、風さんご本人も何度も登場してということなんですけれども、初めてリスナーとして音楽ファンとして藤井風と出会った時いつでしたか?
別所:コロナ前にYouTubeの動画で初めて。僕も小さい頃ピアノをやってましてやっぱピアノを弾かれる方にとても惹かれて、例えばビリー・ジョエルとかエルトン・ジョンとか。で、藤井風さんはいろんなカバーをやってるんですけどスティングのカバーで「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」これを YouTube で観た時にもう完全に心を奪われまして。ひとつのエンターテイメントとしても完成してるし、ご覧になった方はわかると思うんですけど帽子をバッと取る、そして最後にまた違う帽子で出てくる。もうエンターテイメントとしてもそうですしピアノの技法としても魅了されもちろん歌声も。またJ-WAVEの番組では「何なんw」で“何じゃったん!”って言われた時にも心奪われまして。そこからです。
グローバー:自分がいち早くハマってバンバン朝のラジオでかけた時ってリスナーからの反応はどうでした?
別所:まず僕自身がかなりハイテンションだったと思うので、リスナーの皆さんに紹介する立場でありながら勝手にもうもはや身内のようなそういう思いになっていたなと思いますし、その音楽の盛り上がりが朝のリズムの中で自分の中でもいつしか自分を鼓舞する楽曲になっていて、とても久しぶりにアーティストにこんなにどっぷりハマるきっかけになった楽曲でしたね。
グローバー:今、身内みたいな気持ちになっちゃってっておっしゃいましたけど、これって私も藤井風さんの本当に凄い魅力だなと思ってて、果てしないスキルと圧倒的な才能があるんだけどなんかこうちょっと親戚の子を見るような気持ちとか。
別所:そうなんですよ。少年性みたいなものとかチャーミングさみたいなものにも惹かれてるし、もっと言うと一緒に居て守ってあげてないとなんか危うい感じと言うんですかね。いい意味でですよ。
グローバー:もう自由奔放で無邪気だからどこ飛んでっちゃうのかわかんないような。
別所:そうそう、そうなんですよ。そのフラジャイルな感じもたまりませんしね。

グローバー:宗像さんもお仕事で色んな音楽聴いて分析しながらもお聴きになってると思うんですが藤井風、初めての出会い覚えてますか
宗像:メジャーデビューの頃に藤井風ってワードが凄い出るようになったじゃないですか。“なんでこんなに話題になってるんだろう?”って「何なんw」を聴いてみたんですよ、ぶっ飛びましたね。まずイントロがクラシックみたいな演奏から始まるじゃないですか。と思うとご自身による多重コーラスで始まって。今度は60年代70年代のソウルミュージックを連想させるようなリズムセクションが始まると。で歌がまた個人的には田島貴男さんを思い出したんですよね。でもこの時藤井さんってまだ20代になったばかりぐらいじゃないですか、そうすると田島貴男さんですら20代の頃ってこんな歌声ではなかったんですよ。だから“この人ってなんなんだろう?”っていう。
グローバー:そうか、先ほど少年性とか危うさとかフラジャイルな空気って別所さんおっしゃったけど、と同時にこんな成熟したそのギャップというのもありますね。
宗像:そうなんですよ、やっぱりそういう歌声の魅力とサウンド的な情報量がとにかく多いんですよ。で、後から聞いてみるといちばん最初にレコーディングしたのは「優しさ」っていう3枚目のシングル曲でこっちの方が先だったらしいんですけど意図的に「何なんw」を1
曲目に持ってきたんだと思うんですよ。まんまとそれに引っかかったっていう。“やられた”と思いましたね。
グローバー:このタイトルとかキーワードとかパッと見た時のもう字面も含めてですけどちょっと見たことのない聴いたことのない曲が出てきたなっていう大きなインパクトがありました。評論家界隈、ライター界隈、分析してる皆さんの間では噂になりましたか?
宗像:聴いてない人が居ないんじゃないかっていう勢いでしたね。やっぱりこの「何なんw」このメロディーのサビで突破していく勢いとかも強烈なインパクトがあってそこで頭をドンと殴られたような気持ちになりましたね。

■Newアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』

グローバー:宗像さん、この新作の魅力いかがですか。
宗像:日本のソウルミュージックを平然とアップデートしてきたなっていう。なんか身構えるていでもないんですよね。ナチュラルにいい曲いい歌声で。でも確実に1st よりもアップデートしてくるこの感覚っていうのはなんかちょっと軽い恐れを感じるものがありますね。藤井さんって最初期の頃って割とオーセンティックなソウルミュージックR & Bとか志向してたのがこのセカンドになってくると今度は結構ヒップホップ以降のビートを取り入れてきて、かつトラップだったりちゃんとトレンドを踏まえてくるんですよね。“今度はそうきたか”っていう。
グローバー:やはり成熟してるんだけど感性はものすごいし、もちろん若いし新しいものどんどんやりたいし、どんどんできるし、ものすごい可能性がぎっしりなんですよね。
別所:そうですね、根っこにあるところはピアノという楽器で小さい時から例えばYouTubeなんかにも10歳ちょっとでまだスポーツ刈りの彼がショパンの幻想即興曲とかを演奏されてますけど、指先を見たらなんかもうキラッキラ。そこからいろんな光が出てるんじゃないかぐらいな。ですから何て言うんだろうクラシック音楽もきちっとまず自分の音楽体験として持っているし、でも心惹かれてるのがすごくソウルフルな世界でアメリカの様々な楽曲をカバーしていく中でなにか培ったというか。もうなんか時間じゃないんだなと思いましたよ。飛び級しちゃったみたいな(笑)
グローバー:そのピアノとかコードワークとグルーヴでコードが動いていくだけでもう永遠に聴いていたいというその感じって、天性のものと、とんでもない努力と、凄いものがあるんですか?
別所:だと思いますよ、今回の「GARDEN」も最後に本当にゴスペルの溢れてく感じとか歌い方語り口、もうなんかね僕ミュージカルやってるミュージカルアクターでもあるんですけどなんかそこでも心持ってかれちゃう感じなんですよね。
グローバー:あのミュージカルっていうのもそれこそ大変なリハーサルを重ねて観客にも1時間2時間重ねて大きなうねりで最後連れてくわけですけど、もう長い短いの差は同じようなことですか。
別所:もう藤井風さんはもう一人ミュージカルアクターとして音楽の中で一曲の中で物語をワーっと持っていく。
グローバー:別所さんは今回のアルバムの中で特に好きな曲というので「へでもねーよ」を挙げてます。これタイトル見たときに“なに?なに?”とね。
別所:そうなんです、タイトルからしてかなり挑発的な感じはあるんですけど藤井風さんのピュアな純粋性の奥に何か戦っている世界があるなっていうのがこの楽曲には表れているし、また今回のアルバムに入ってるバージョンも素敵なんですよね。そこに僕は今惹かれていて、メロディーラインとしても惹かれてますし、歌詞も惹かれてます。

■J-WAVEイチの藤井風応援団長!別所哲也さんが選ぶ、
 「これぞ真骨頂!魅力を堪能!歌声が際立つ藤井風曲」TOP3!


3位:キリがないから 

別所:これはもう冒頭始まるところから奪われまして、楽曲そのものが持ってるメロディーラインとかそれから歌い口、もう何度も何度も頭の中で楽曲が終わった後もずっとリフレイン繰り返す。なんでしょうかこのアディクトというか、持ってかれる。僕も俳優やったりミュージカルをやったりするので歌詞一つ一つの粒の立った言葉の言霊とメロディーが本当にはっきりと粒立って届いてきた楽曲だったんですよ。

2位:優しさ

別所:すごく透き通るような歌声なんだけど、歌い方としていうと、なんかこう最初に絡める押し出す切ない心情を表現するテクニカルに狙っているとは思えないんですけど、藤井風さんがすごく透明感がある方なのに歌い口がとてもセクシーでセンシュアルで大人の艶っぽい男っぽい感じっていうか。まずそこが素敵だなと思ったのと、僕がいちばん持ってかれたのは後半の“アーアアー”と歌うところなんですけど、あそこがもう一緒に絶頂期を迎えます。多分リスナーの風の民の皆さんも同じ思いではないかと思うんです。すべての思いは最後のあそこに託されてますね。

1位:何なんw

別所:これは迷いませんでした。もう僕自身がJ-WAVEの朝の番組でかけさせていただきながら毎朝この楽曲の中で自分も朝を迎えて1日が始まり、だけどもこの藤井風さんという存在に“一体何なんだろう?なぜこんなに自分はハマっていくんだろう?何が起きてるんだろう?”と。彼が歌い上げる“何なんw”と言っている自分が持っているその表現したいことと逡巡したりいろんな気持ちがここにハマっていって最後に?ダバラバダバダ〜ってやられたらそうだよね、人生?ダバラバダっていう。すべてが解放していく感じっていうんですか。もちろん冒頭から言ってますけどあの自由だ“何じゃったん”を重ねる私でございます(笑)

PLAYLIST

damn / 藤井風

ガーデン / 藤井風

へでもねーよ / 藤井風

もうええわ / 藤井風

何なんw / 藤井風


◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。

■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■別所哲也さんの詳しい情報はオフィシャルTwitter
■宗像明将さんの詳しい情報はオフィシャルTwitter

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来週は藤井風Part2!ゲストは引き続き、俳優の別所哲也さん、音楽評論家 宗像明将さんをお迎えします。お聴き逃しなく!