BALMUDA SONGS TO TIME TRAVEL

2021/06/30

『そして僕は、途方に暮れる』大沢誉志幸

1984年。
村上春樹の小説を初めて買って読んだ年だ。
『蛍・納屋を焼く・その他の短編』という単行本。
青と白とで切り取られた 安西水丸の装丁が、実に印象的で、
本屋で見かけて思わず手に取った。
発売されたのは7月。つまり、暑い盛りに読んだのだが、
いま記憶に残っているのは「ダッフルコート」のことだ。
主人公の「僕」が、彼女と一緒に歩いていた、冬の初めの風景。
「僕」はダッフルコートのポケットに両手を突っ込んで、
「彼女」はラバーソウルの靴を履いて。
そして・・・夏休みが終わって、学校が始まり、
秋のはじめ頃、僕は、その歌を聴いた。

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