TDK VOICES FROM NIHONMONO

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中田英寿 秋田の旅 雄勝野きむらや

日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。

今回は、秋田県のにほんもの いぶりがっこについて。
秋田県南部の湯沢市にある「雄勝野きむらや」というお店をご紹介しました。
ヒデさんがお話を伺ったのは、代表の木村 吉伸さん。

「雄勝野きむらや」があるのは秋田の最南端。山形の県境で、山あいのすみっこ。
雪が多いこの地域。昔は雪に閉ざされて交通の便が悪く食べるものがなかったそうで、
秋にとれた野菜を漬け込んで冬に食べていたんだとか。いぶりがっこは保存食の意味合いが強かったんですね。

米ぬかと塩で漬け込んで発酵させたのが一般的なたくわん漬け。
たくわんを作りたかったけれど日照時間が短くて家の中に干したら、いろりの煙の匂いがついたのが起源です。

昭和30年代に薪ストーブが普及するまでは この地域では多くの家でいぶりがっこが作られていたそうですが、
薪ストーブでは上手くいぶせず次第にいぶり漬けが作られなくなっていきました。
そんな時に昔ながらの大根漬けを再現して売ってみようと、昔ながらの方法で作って「いぶりがっこ」という
商品として観光土産品として売り出したのが「雄勝野きむらや」でした。

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かつては院内銀山という銀山があって 物資が豊富に入ってきて砂糖も手に入りやすかったという秋田。
燻製した大根に塩とざらめをふり、きむらやさんでは水あめも加えて最低2か月漬け込みます。

桜の木やならの木をいぶして大根の表面を殺菌し水分を抜くことで保存性が高まる。
そこで塩と米ぬかを漬け込むと、いぶしの香りと発酵の旨味があいまって素朴な風味が生まれます。
これがいぶりがっこの1番の特徴とおっしゃっていました。

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たまに食べた時に懐かしい、同じ味と思ってもらえるというのが大事。
本来の素朴な秋田の感じを維持するため伝統の製法を守ろうとすると手間と人手が必要ですが、
過疎地で今の形で作るのが難しくなってきているという現状。
いぶりがっこ屋さんが色々ある中で、本質的なところを守るメーカーがあってもいいんじゃないかという思いのもと、いぶりがっこを製造しています。

みなさんもぜひ「雄勝野きむらや」のオフィシャルサイトにアクセスして、商品ご覧ください。
いぶりがっこのほかにも、なす、みょうが、ふきのとうなど様々なお漬物を販売されています。

▼公式サイト 
https://kimuraya-iburigakko.com

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毎週、アーティストや著名人の皆さんににほんものを伺うコーナー「私のにほんもの」。
今週は、ジャズピアニスト 山中千尋さんにお話を伺いました。
山中さんが紹介してくれた“にほんもの”は、滋賀県で作られている、有限会社 大與の「和ろうそく」でした。

植物性のろうを使い1本1本手作りされる和ろうそくは、すすが少なく芯が太いので火が消えにくいのが特徴です。
大與では山中さんが使っているお米由来の和ろうそくのほか、カラフルな色付き、“ろう”の部分に絵が書かれた
和ろうそくなど様々な種類を取り揃えています。

心が和み、癒されるという和ろうそく
オンラインのほか、都内のアンテナショップ「ここ滋賀」でも購入できるそうです。
ぜひチェックしてみてください。

▼大與
https://warousokudaiyo.com

山中さんは2月から、去年12月15日に『Ballads』というアルバムをリリースしました。
20周年を記念して、色々なアルバムからバラードだけを集めてコンピレーションしたCDです。
合計16曲ものバラードを集めた『Ballads』。ぜひ手にとっていただきたいです。

▼山中千尋 公式サイト
https://www.chihiroyamanaka.net

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中田英寿さんが注目する工芸展、美術展、
さらに、実際に工芸が体験できる場所をご紹介するコーナー、
「行ける ニホンモノ」。

今週は、銀座の和光で開催中の、
「蒔絵 室瀬和美 ―伝統を創る―」をご紹介します。

蒔絵とは 漆を使った装飾表現のひとつで、漆で筆で線をかいたり面をぬって
固まらないうちに金や銀を粉にしたものをまいて模様に巻きつけて固めて絵にしたもの。

今回は小さなものから、直径50センチの盛り器、1点は壁面全部を使ったものなど様々な蒔絵がご覧になれます。

そして今回の展覧会ですが、新型コロナウイルスの影響でギャラリートークが難しいということで、
YouTubeで展覧会の作品紹介を室瀬さんご自身がおこなっている動画が公開されています。
この解説を聞いて、会場で実際の作品を見ると、より魅力が伝わると思います。

「蒔絵 室瀬和美 ―伝統を創る―」
銀座の和光で、1月23日(日)までの開催です。

https://www.wako.co.jp/exhibitions/852