OTOAJITOには5年ぶりの出演となった辻村さん。
クリス・ペプラーは2021年に辻村さんがゲスト出演した
The Choppers Revolutionのライブを観に行ったようで、
「ビルボードライブでやったベースのイベントだったけど、
そうそうたるメンバーが集まっていて、
あれスゴかったね!」と振り返りました。
辻村さんは
「ベースアンプの台数もエグかったですよね。
同じフレーズを弾いていても、
それぞれタッチとかが全然違って、
ベーシストって面白いと思いました。」と話しました。
前回出演時はまだコロナ禍前でしたが、
ここ数年のバンド活動についてクリス・ペプラーに訊かれると、
辻村さんは
「配信ライブもやったんですけど、最初は不安でしたね。
お客さんが目の前にいない時にどういうやり方をすればいいのか、
ちゃんと届いているのかも分からないっていう。
でもレスポンスが無い中で、
自分たちが何を放ちたいのかっていうのを4人で話し合って、
音楽やバンドの活動について、改めて見直せる機会でした。」と語りました。
また、レコーディングもリモートでの作業が出来るようになり、
「新しいやり方も見出せた期間だったので、
逆に有り難かったかなと思います。」とポジティブに捉えました。
そんな辻村さんですが、2019年に騒音性難聴と診断されました。
大きい音を日常的に聞くことが原因で発症する難聴だそうですが、
バンドでの演奏をし過ぎたことに加え、
精神的に不安定だった日々も影響したようで、
「すこし病んでいたというか、人の会話が悪口に聞こえてしまう時期があって、
ヘッドホンで大きい音を流して耳を塞いでいたんです。
『聴力はもう治らないよ。』言われて、しばらくヘコみましたし、
めちゃくちゃ泣きましたね。」と明かしました。
しかし難聴と診断された辻村さんを支えたのは、やはり音楽だったそうで、
「辻井伸行さんのピアノの演奏を聴いて、悩んでいる暇無いなって思いました。
辻村さんは僕と同世代で、盲目のピアニストなんですけど、
美しい音楽に支えられて、
もっと音楽人生を楽しみたいって思うようになりました。」と語りました。
昨年、今後の活動拠点をアメリカへ移すことを発表した辻村さん。
音楽の専門学校に通い、改めて音楽を学び直し、
世界のスタンダードと日本のスタンダードの違いを認識したいとのことですが、
BLUE ENCOUNTのメンバーとしての活動も続けていくそうです。
「グラミー賞を獲った先生とマンツーマンで学べたりとか、
マイケル・ジャクソンの作品に携わった人と一緒に演奏出来たりする場所は、
日本で探してもなかなか無いので、そこに毎日自分を注いだら、
何が見えてくるんだろうって思うんです。」と移住の理由を話しました。
番組後半はベース談義へ。クリス・ペプラーは過去にヴォルフペックのベーシスト、
ジョー・ダートにインタビューした時を振り返り、
「彼も多くのベーシスト同様、フリーに憧れてベースをやるようになって、
もともとはスラップで弾いてたんだって。
最初は指弾きなんて存在しないって思ってたらしいんだけど、
タワー・オブ・パワーのロッコのベースを聴いて、
指弾きになったらしいよ。」と話しました。これを聞いた辻村さんは
「スラップから始まったっていうのは意外でした。
でもジョー・ダートはやっぱりスゴいですよね。
ロッコやジャコの影響も感じるし、昔のファンクな感じもある。
そういうのが今ウケているのが、
ベーシストとしてとても嬉しいです。」と語りました。
ジョー・ダートはクリス・ペプラーのインタビューの中で
「ドラムのプレイヤーに恵まれたことが、
ベースの技術の向上に繋がった。」と話していたそうで、
これについて辻村さんは
「僕もアメリカに行ったらそういう事を求めていますし、
日本でも素晴らしい方々とプライベートで演奏させてもらったりもしていて、
ずっと勉強になりますよね。例えばニューヨークに行って、
ゴスペルのドラマーとかと演奏したら、また違った自分が見つかるのかなとか。
それをBLUE ENCOUNTに落とし込めたら、
他のメンバーにもいい刺激になるんじゃないかなって思っています。」と語りました。
辻村さんは過去に、ニューヨークのストリートでベースを演奏したことがあるそうで、
「最初は人が止まってくれなかったんですけど、ラッシュアワーの時に、
人の足音にBPMを合わせてベースを弾いたら、
立ち止まって聴いてくれるようになったんです。
終電の時間だとBPMを遅くしてR&Bとかを演奏したら、やっぱり止まってくれて。
生きるっていうことに音楽がスッと入り込むことが出来たら、
人の耳に刺さるんだなって理解出来たし、
それを追求したいなって思うようになりました。」と話しました。
そんな辻村さんがベースを務めるバンド、BLUE ENCOUNTは
2月8日にミニアルバム『Journey through the new door』をリリースします。
収録曲5曲のうち、「Z.E.R.O.」という曲以外はリモートで制作されたそうです。
辻村さんは今作について
「渡米を発表した上での制作で、ツアーも経て、
やっと4人で1つになれたかなっていうところもありました。
等身大でナチュラルに、音で会話しながら作れたと思います。
毎日葛藤しながら仕事を頑張っていたり、
仕事を辞めたいけど、辞められなかったりとか、
そういう人に刺されば良いなって思っていますね。」と語りました。
BLUE ENCOUNTの情報はこちらから
さて、辻村勇太さんとのトークは次週:2月10日に続きます。
どんどんと濃くなるベース談義をお楽しみに!
よだれ鶏
辻村さんが選んだおみやは
ピリッとした辛さがクセになるよだれ鶏
濃厚な味わいの黒ラベルにピッタリです!
H.H.B / The Choppers Revolution
FREEDOM / BLUE ENCOUNT
ベルガマスク組曲 月の光
/ 辻井伸行
Sittin' in the Middle / Raul Midon
青 / BLUE ENCOUNT
3 on E (feat. Antwaun Stanley)
/ Vulfpeck
What is Hip / Tower of Power
Simple Step (feat. Antwaun Stanley)
/ Vulfpeck
Donna Lee / Jaco Pastorius
Conscious Club / Vulfpeck
Z.E.R.O. / BLUE ENCOUNT