コロナ禍に入り、ここ数年は基本的に
リモート収録だったOTOAJITOですが、
最近ではリアルで対面して収録することも
増えてきました。この日は甫木元さんには
スタジオにお越しいただきましたが、
Bialystocksは2019年結成のバンドで、
活動がコロナ禍とかぶっているため、
慣れないことも多いそう。
「ライブでの歓声とかが無かったので、
今でもいちいち反応しちゃいますね。
ライブ中に『甫木元!』って言われると、
知り合いが来てるのなっていう感じで
思ってしまいます。」と話しました。
毎回ゲストが影響を受けた
ミュージシャンや、
印象に残っている作品などを訊きながら、
その人の音楽ヒストリーを紐解いていく
OTOAJITOですが、甫木元さんが
最初に手に入れたCDは、
2003年にリリースされたビートルズの
『Let It Be... Naked』だったそうです。
甫木元さんが小学生の時に
父親に買ってもらい、
自宅でよく聴いていたそうで、
音楽やミュージシャンを意識するように
なった原点と言える作品とのことです。
『Let It Be... Naked』は1970年に
リリースされた『Let It Be』の
再編集版ですが、甫木元さんは
『Let It Be... Naked』を先に聴いたため、
オリジナルを聴いた時に逆に
違和感があったそうです。さらに
「父親がビートルズのことを
好きだったので、とにかく家でずっと
流れていましたね。聴くと幼少期の頃を、
風景と一緒に思い出します。」
とも話しました。
ミュージシャン、そして映画監督としても
活躍している甫木元さん。
父親が舞台の演出家、
母親がピアノ講師という環境で育ち、
両親の大変さを実感していたため、
幼少期はどちらも自分ごととして
捉えていなかったそう。
「母が先生なので、ピアノも小さい頃から
やらされていたんですけど、
すぐに挫折してしまいました。
音楽は挫折の連続で今まで
やってきています。」と語りました。
クリス・ペプラーに高校時代に
ハマったものについて訊かれると、
甫木元さんが挙げたのは
坂本龍一さん監修の本『非戦』でした。
甫木元さんはこの本がきっかけで、
社会問題に対するミュージシャンの
向き合い方について意識がいくようになり、
音楽を聴く幅も広がっていったそうです。
甫木元さんは坂本さんについて、
「世界的な音楽家でありながら、
『非戦』もそうですが、
音楽だけではなく、
皆で考える場所を作ることが
出来る人だったのが興味深くて、
ジョン・レノンがいくら叫んでも
ベトナム戦争は終わらなかったですが、
その後ミュージシャンが
どうするのかっていう指針を、
ひとつ出していた人だと思っています。
引き継ぐのは誰も出来ないと思いますが、
これからどうやって社会に
向き合っていくか考えさせられます。
最新のテクノロジーにも率先して
挑んでいましたし、
最後のアルバムも含めて、
常に実験を繰り返していた人
だったんだなと想像しますね。」
と印象を話しました。
J-WAVEと六本木ヒルズが
毎年ゴールデンウィークに開催する
フリーライブイベント
「TOKYO M.A.P.S」ですが、
今年のオーガナイザーは
クリス・ペプラーが務め、
Bialystocksの出演も決定しています。
クリス・ペプラーは今回のテーマを
『新しさと心地よさ』としていますが、
これにはテクノロジーと人間が
どのように歩んでいくかという意味も
込められているとのこと。
「先進性って鋭利で、冷たくて
人間性を欠くみたいなイメージって
あるじゃないですか?
でもそうじゃなくて、”新しさ”って
僕はすごく好きで、ドキドキするし、
ワクワクする。テクノロジーでも
人間の温もりや心地よさの
スイッチを入れてくれるような先進性、
それが真の先進性だとなんじゃないかな。
それが実は今回の「TOKYO M.A.P.S」の
テーマなんです。教授はそういうところを
突き詰めていたんじゃないかなって
思います。YMOもそうですよね。
テクノって言うけど、根底にある
あの3人のメロディがあるからこそ
大ヒットしている訳で、
その源が坂本龍一なんじゃないかなって
気がしています。」と語りました。
そんな「TOKYO M.A.P.S」は
5月5(金・祝)、5月6日(土)の
2日間開催されます。
甫木元さんがボーカルを務める
Bialystocksは5月6日にライブを行います。
他にも上原ひろみさんや、Cornelius、
BREIMENなど多くのアーティストが
出演しますので、ぜひ「TOKYO M.A.P.S」
のウェブサイトをチェックしてください。
TOKYO M.A.P.Sの情報はこちらから
そしてBialystocksは、
4月7日にデジタルシングル
「頬杖」をリリースしました。
こちらも詳しい情報はBialystocksの
ウェブサイト、
SNSをチェックしてください。
Bialystocksの情報はこちらから
さて、甫木元空さんとのトークは
次週4月28日に続きます。
金曜の夜10時から、
ぜひ黒ラベルを飲みながら
お楽しみください。
ミレービスケット
甫木元さんが現在暮らしている
高知県のお菓子、ミレービスケット。
ブラックペッパー、トリュフ、
クワトロチーズの3種をお持ちいただきました。
差し色 / Bialystocks
The Long And Winding Road
/ The Beatles
(from 『Let It Be... Naked』)
The Long And Winding Road
/ The Beatles
(from 『Let It Be』)
Get Back
/ The Beatles
(from 『Let It Be... Naked』)
WORLD CITIZEN -i won't be disappointed- (long version)
/ Ryuichi Sakamoto, David Sylvian
Forbidden Colours
/ Ryuichi Sakamoto & David Sylvian
はだかのゆめ / Bialystocks
20220207 / 坂本龍一
東風
/ YELLOW MAGIC ORCHESTRA
頬杖 / Bialystocks