ROTH BART BARONは今年の5月、
クリス・ペプラーがオーガナイザーを務めた、
J-WAVEと六本木ヒルズの共催イベント
「TOKYO M.A.P.S」に出演しました。
「風が吹いて、木が揺れるのを感じながら、
大都会なのに伸び伸び演奏出来て
感動しました。他の出演者の方々も
素晴らしかったです。」と三船さんは
当日を振り返りました。クリス・ペプラーも
満足のいくイベントに出来たことを喜んでおり、
三船さんをはじめ出演者の方々に
感謝を述べました。ちなみにイベントの
オーガナイザーの話が来た際に、
真っ先に頭に浮かんだのは、
ROTH BART BARONの名前だったそうです。
現在、東京とドイツ・ベルリンの
二拠点生活をしている三船さん。
坂本龍一さんや村上春樹さん、
ピカソなどの名前を挙げ、
「制作場所を変えながらアーティスト活動を
することが生涯の目標としてあった。」
と話しました。昨年末からベルリンでの生活も
送っているそうですが、実際にはコロナ禍前に
実現したかったとのこと。しかし、その期間で
日本という場所に向き合い、『極彩色の祝祭』、
『無限のHAKU』、『HOWL』という
3枚のアルバムを制作し、多くの人に
聴いてもらえたため、有意義な時間を
過ごすことが出来たと語りました。
そんな三船さんは東京都・目黒区生まれ。
子供の頃は特撮が好きだったんだそう。
「母がVHSに録画した『ウルトラQ』とかを
繰り返し見て育ちました。
本編も好きだったんですけど、裏側というか、
怪獣のスーツを着た皆さんが
ミニチュアを壊していくプロセスを
見るのがすごく好きで、
この現場に携わりたいと思っていました。」
これに対しクリス・ペプラーは、
OTOAJITOの初期にゲストとして出演した、
坂本龍一さんに触れ、
「教授もゴジラとか特撮が好きで、
(テーマを作曲した)伊福部昭さんに
多大な影響を受けたって話していましたね。
気さくな方でお話していて楽しかったですよ。」
と振り返りました。
母が荒井由美さんやはっぴいえんど、
山下達郎さんなどの
音楽が好きだった影響で、
三船さんも子供の頃からそういった音楽に
触れて育ったそう。
「この辺が僕の音楽の原体験な気がします。
ユーミンは母がよく歌っていて、
台所から聞こえる歌声で
自分も曲を覚えていくみたいな感じでした。」
と話しました。同時にビーチ・ボーイズや
モンキーズなどの音楽も母親を通して知り、
60〜70年代の音楽も
子供の頃から聴いていたと明かしました。
高校に入学した三船さんですが、
周りの環境に馴染めなかったことや
家庭の事情もあり、
すぐに中退してしまったそう。
あまり人とも会わない生活を送っている中で、
子供の頃に聴いた音楽に改めて向かい合い、
さらに以前から興味のあったギターを
小遣いで購入し、ひたすら練習をして
曲を作るようになったそうです。
「ギターと僕だけみたいな生活を
1〜2年できたのは、
今考えると大切な時間だったと思います。
すがるようにやっていたんですけど、
作った曲を録音していくうちに、
これもゴジラの撮影みたいに
ミニチュアを配置して、ストーリーを作るのと
同じだなって思ったんですよね。」
と当時を振り返りました。
そこから自身で様々な音楽を聴いていくうちに、
アメリカのルーツを感じるサウンドが好みだと
気がついたという三船さん。
「ボブ・ディランとかストーンズとかから入って、
ボブ・ディランの元ネタとなった人は
ウディ・ガスリーっていう人なんだとか、
ボブ・ディランのバックバンドを務めていた
ザ・ホークスは、のちにザ・バンドに
なるんだとかっていうのを知っていきました。
ザ・バンドはカナダのバンドだけど、
アメリカのカントリー感がありますよね。
そういった音に感動してしまいました。」
と語りました。さらに高い声が
コンプレックスだった三船さんは、
ニール・ヤングの声や楽曲に
共感したそうです。のちにボン・イヴェールの
音楽に出会った際は、
「これは今のニール・ヤングじゃん!みたいな。
70年代をモダンにしたような音楽が、
アメリカで新しいムーブメントを起こすんだ!
って衝撃を受けましたね。」と述べました。
三船さんは日本だけでなく、海外でも
たくさんのライブを観に行っているそうですが、
最初に観たのは、16歳の頃。
BUMP OF CHICKENのライブだったんだとか。
「高校を辞めて、塾に通っていたんですけど、
そこにいた先輩のお姉さんが
『チケットが当たったから一緒に行かない?』
って誘ってくれたんです。」と明かしました。
観客の熱気や音の大きさに驚き、それ以降、
自分でもチケットを買って
ライブに行くようになったそうです。
ちなみに2006年にサマーソニックで観た
デヴェンドラ・バンハートや、
ニューヨークで観
たニュートラル・ミルク・ホテルなどを、
これまでで印象に残っているライブとして
挙げていました。
現在、東京とベルリンで
二拠点生活をしている三船さん。
ベルリンを選んだ理由について、
「いろんなスタートアップや
アプリの開発をしている人材が
たくさん集まっていて、
これから新しい何かが起きるっていう予感が
僕の中にあって決めました。
あと『ベルリン三部作』を作った
デヴィッド・ボウイの存在も
理由として大きかったですね。」と語りました。
現在、ドイツ語は
本を買って勉強中なんだそうです。
番組では、大人の☆生
サッポロ生ビール黒ラベルで
乾杯していることにちなんで、
今回は三船さんに
「大人になったと感じる曲」を伺いました。
三船さんが選曲したのは、
サックス奏者・ファラオ・サンダースの
「Love Will Find a Way」でした。
「僕はジャズを少し
遠ざけていたところがあって、
プレイヤー気質な音楽は好きだったけれど、
自分向きじゃないかもなって
思っていたんです。だけど最近、
その豊かさに感動出来るようになって、
なんというか自分のセンサーが開いたのが
嬉しいんです。歳を取るにつれて、
分かることが増えるし、
ミュージシャンの耳で言っても、
聞こえる音が増えてきたんですね。
大人になるって
すごく楽しいなって感じています。」
と語りました。
さて、ROTH BART BARONは
8枚目となるアルバム『8』をリリースしました。
ベルリンでの生活も始まり、
友人もゼロから作り始めるなど、
環境の変化が作品にも反映されており、
外へ向かう気持ちが表れている楽曲も
多いそうです。
作品のテーマは『ジュブナイル』。
「子供の時代の“新しい友達が出来た”、
“新学期が始まった”とか
“難しい言葉が言えるようになった”とか
あるじゃないですか。そういう発見が
人間を豊かにしていると思うんです。
子供的なキラキラした発見に一度戻って、
社会で起きていることはあえて置いておく。
そういった作品に出来たら
面白いかなって考えて制作しました。」
仙台公演を皮切りに全国ツアーもスタート。
今回はライブハウスを中心に会場を選び、
大きなサウンドで身体を動かして
踊れるようなステージにしたいとのことでした。
ライブの詳しい情報は、
ROTH BART BARONの
ホームページをチェックしてください。
ROTH BART BARONの情報はこちらから
来週11月11日はベースの日!ということで、
エクスペリメンタル・ソウル・バンドWONKから
ベーシストの井上幹さんをお迎えします。
ベースを始めたきっかけや、
ベーシストとしてのこだわり、
ベースがカッコいいと思う曲など、
ベーストーク中心にお届けします!
次回もぜひ、お聴きください!
キスと舞茸の天ぷら
&うなぎの肝の串焼き
ドイツから帰ってきたばかりの三船さんが
「向こうでどうしても食べられないもの」
として選んだのがこちらの三品。
大人な“おみや”と
大人の☆生は相性抜群です。
The Land Song - music for Artelligent City
/ 坂本龍一
ウルトラQ メインタイトル
テーマ1 (「ウルトラQ」メインテーマ)
/ 宮内國郎
メインタイトル(M2+M1)
/ 伊福部昭
生まれた街で / 荒井由美
The Weight / The Band
Only Love Can Break Your Heart
/ Neil Young
Last Nite
/ The Strokes
The Wolves (Act I and II)
/ Bon Iver
天体観測
/ BUMP OF CHICKEN
Fall / Devendra Banhart
Heroes
/ David Bowie
Love Will Find A Way
/ Pharoah Sanders
Closer
BLOW feat. Safeplanet
/ ROTH BART BARON
My Tender, My Sweet,
My Loving Home
/Kyoko Takenaka &Tomoki Sanders
三船さんとのトークを受けて、
クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら!