藤本さんは1991年生まれ、
神奈川県横須賀市出身。
祖父が造船会社に
勤めていたとのことですが、
奇しくもクリス・ペプラーの父は
横浜の船会社で働いていたそうで、
藤本さんは
「叔父さんとかも造船関係の
仕事をしていたので、
もしかしたら近いところで
働いていたかもしれないですね。」
と意外な共通点に驚いていました。
母がピアノ教室を自宅で
開いていたため、
幼い頃から音楽に触れていたという
藤本さん。実際に母からピアノも
習っていたそうですが、
「家にずっと先生がいて、
いつでも練習をさせられる状況が
嫌だった。」とのことで、
途中から他のピアノ教室に
通うことになったんだとか。
そんな幼いころから
ピアノに親しんでいた藤本さんが、
ドラムを演奏することになったのは
友人のいたずらが
きっかけだったんだとか。
「中学3年生の時に、
友人が僕のMDを
X JAPANの曲が入っているMDに
勝手に変えたことがあって、
それを学校の帰り道に聴いたら、
めっちゃカッコいい!って
思ったんです。それで、
その友人に伝えたら
『お前はピアノが弾けるから、
ドラムをやったらX JAPANの
YOSHIKIみたいになれるぞ』
って言われて(笑)」
と振り返りました。
中学ではテニス部に所属していた
藤本さんですが、骨折をしてしまい、
練習が思い通りに出来ない
タイミングで、X JAPANに
出会ったことから、
「治ったらテニスじゃなくて
バンドをやりたい!」と思い立ち、
そこから現在まで繋がっているため、
ターニングポイントとなった
出来事のようでした。
バンドを始めた頃は、
X JAPANやGLAY、LUNA SEAの
コピーをしており、
高校3年生の頃にはシューゲイザーや
ポストロックに影響を受けた、
オリジナル曲を
演奏するようになったと話した
藤本さん。ちなみに初めて買ったCDは
『だんご三兄弟』で、実際に三兄弟の
末っ子として育った
バックグラウンドもあることから、
「『弟想いの長男、兄さん想いの三男、
自分がいちばん次男』っていう
歌詞は完全に
ウチと一緒なんですよ。
これは刺さりましたね。」
と紹介しました。
クリス・ペプラーから
自身のドラムの演奏スタイルについて
訊かれた藤本さん。楽曲制作時と
ライヴでは異なるとのことですが、
ドラムで盛り上げる曲が
あまり好きではないそう。
「ドラムがストイックで
タイトにやっている中で、
他の音のアンサンブルで
曲が広がっていく方が好きですね。
音源ではそうしたいと思って
挑戦しているんですけど、
ライヴではボーカルの
(小原)凌斗から
『もっとロックしてほしい』っていう
要望もあったりするので、
そっちの方面もだんだん
出来上がってきたかなと思います。」
と語りました。ちなみに藤本さんが
ライヴで一番大事だと思うのは、
“熱”だそうです。
藤本さんには、
これまでによく聴いた
アルバムについてもお聞きしました。
かなりたくさんあるため、
絞っていただいたとのことですが、
挙げたのはムーンシェイクの
『Midnight Snack』、
ジェリー・ペイパーの『Carousel』、
レディオヘッドの
『The King Of Limbs』、そして
ジョイ・ディヴィジョンの
『Closer』でした。リズムマシンに
浮遊感のあるウワモノや
揺れるシンセのサウンドという
組み合わせにハマっていた頃に、
ムーンシェイクと
ジェリー・ペイパーを
よく聴いていたそう。
特にムーンシェイクは
Tempalayのメンバーも好んでおり、
バンドのサウンドにも
影響があるそうです。
尊敬するアーティストも
たくさんおり、なかなか絞るのが
難しい中、挙げたのは
トム・ヨークと久石譲さん。
久石さんは幼い頃から
ジブリ作品などで触れており、
「経験したことないことや
見たことが無い景色を
音楽で想起させてくれる。
最終的に音楽でやりたいことって、
そういうことだなって思います。」
と尊敬の理由を語りました。
クリス・ペプラーは
娘が誕生してから、アニメ作品を
改めて観る機会が増えたようで、
年齢が近い娘がいる藤本さんと
日本のアニメーションの
魅力についても語り合いました。
そして最近注目するアーティストは、
グラス・ビームスとザ・スマイル。
ザ・スマイルは尊敬する
アーティストとしても挙げた、
レディオヘッドのトムヨークの
別プロジェクトですが、
スリーピースならではの、
音数の少なさ、リズムの面白さに
惹かれているそう。
やはり藤本さんの中では、
トム・ヨークという存在が
かなり大きく影響していることを
伺わせました。
国内外含め、
多くのライヴを見ている藤本さんに、
印象に残っている
ライヴアクトについても伺いました。
最初に挙げたのは
フジロックで観た
サヴェージズのステージ。
「ライブが始まった瞬間に
天気がめちゃくちゃ悪くなって、
雷とかも鳴り出したんですけど、
それが演出の一部みたいに
なってたんです。
カッコよかったですね!
まさにフジロックでしか
観られないという感じでした。」
と話しました。
もうひとつ挙げたのは、
ロンドンのフェスで観た
ブラック・ミディ。
「去年ソロでロンドンに
ライブをしに行った時に
ブラック・ミディが
フェスに出ていて、
実は数ヶ月前にフジロックでも
見ていたんですけど、
ちょっとお客さんの空気が
違いましたね。こんな音楽に対して
熱意を持って
盛り上がっている様子に感動して、
涙が出ちゃったんです。
こういった音楽を
愛している人たちが
周りに溢れている瞬間って、
今までに無かったかも
しれないです。」
と当日の会場の雰囲気を伝えました。
ちなみにロンドンでの
自身のソロライブの会場にも
多くの人が集まってくれたそうで、
「日本から来た、
よく分からないミュージシャンの
音楽に反応してくれて、
イギリスでは音楽が好きなのが
普通なんだなって感じましたね。」
と述べました。
番組では
「大人の☆生
サッポロ生ビール黒ラベル」
で乾杯していることにちなんで、
毎回ゲストの皆さんに
「大人になったと感じる曲」を
伺っていますが、藤本さんは
考えた結果、曲という形では
決められず、X JAPANの
ギタリスト・hideさんを挙げました。
藤本さんは来年、hideさんが
亡くなった年齢と同じ33歳になり、
昔から見ていた憧れの人物と
同い年になるのが不思議に
感じるとのこと。
同じ横須賀市出身だというのも
藤本さんの中で、hideさんが
特別なミュージシャンの1人でもある
理由だそうです。
さて、藤本さんが
ドラマーを務めるバンド、
Tempalayは今年結成10周年を迎え、
5月1日には3年ぶりとなる
オリジナルアルバム
『((ika))』(イカ)』をリリースします。
ボーカル・小原さん考案の
アルバムタイトルに、最初は
「なにこれ?」と戸惑ったそうです。
先行配信曲
「ドライブ・マイ・イデア」は
ディズニープラスで配信中の
鳥山明さん原作アニメ
『SAND LAND:THE SERIES』の
エンディングテーマになっています。
5月10日からはアルバムを提げた
全国9カ所をまわるツアーもスタート。
さらに10月3日には『惑星X』、
日本武道館公演も予定されています。
詳しい情報は、Tempalayの
ウェブサイトを
チェックしてください!
Tempalayの情報はこちらから
さて次回4/27は、音楽家、作曲家、
DJ、プロデューサーの
大沢伸一さんをお迎えします。
OTOAJITOには3度目の
ご出演となる大沢さん。
最近はどんな音楽、アーティストに
注目しているのでしょうか?
次回もぜひ、お聴きください!
3種類味わえる柿の種
柿ピー研究家で知人の
中倉隆道さんが最近発売した柿の種
3種類味わえるので
飽きずに一生食べられます!(藤本夏樹)
柿の種の美味しさを
改めて感じられる1品
黒ラベルとの相性も抜群です!
X / X JAPAN
だんご三兄弟
/ 速水けんたろう、茂森あゆみ
Pandora (for Cindy)
/ Cocteau Twins
Isolation / Joy Division
Give It To Me
/ HOMESHAKE
Wastoids / Jerry Paper
海の見える街 / 久石譲
王蟲 / 久石譲
Horizon
Mahal / Glass Beams
The Smoke / The Smile
She Will / Savages
bmbmbm / black midi
ROCKET DIVE
/ hide with Spread Beaver
Booorn!!
ドライブ・マイ・イデア
あびばのんのん / Tempalay
The Cutter
/ Echo And The Bunnymen
藤本さんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが
選んだ1曲はこちら!