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SATURADAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!! メッセージを送る ARCHIVE FACEBOOK TWITTER INSTAGRAM

SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2024.06.22 ON AIR
今週は、作曲家・音楽家の
坂東祐大さんをお迎えしました。
「ハーモニー、コードの
 勉強をするんですが、
 六法全書みたいになっていて...

1991年生まれ、
大阪府出身の坂東さん。
東京藝術大学作曲科を主席で卒業し、
クラシックや現代音楽の作曲に加え、
ドラマ、映画などの
サウンドトラックや、J-POPの
アレンジも手がけるなど、
幅広い分野で活動されています。

ピアノを始めたのは2歳の頃。
「母親が町のピアノの先生
 みたいなのをやってたんですよ。
 いつも母の膝の上に座って、
 生徒さんのレッスンを
 見ていたようなんですが、
 その流れから、
 いつのまにか僕もピアノを
 演奏するようになりました。」
物心がついた頃には
ピアノの教本があったとのこと。
「すごくつまらなかったという
 記憶があります。僕は自分から
 何かをやろうっていう意思が
 あまりないんですよ。中学で
 ロックを聴いて目覚めたとか、
 ヒップホップを聴いて
 やられたとか、そういうのが
 1ミリもなくて、気が付いたら
 ここにいるっていう感じ。
 好奇心はある方なので、勉強は
 めちゃくちゃしていましたね。」

坂東さんが初めて手にしたCDは
『だんご三兄弟』。当時大ヒット
していたことから、親にねだって
手にした1枚だったそう。その後、
自分の意思で購入したのは
ビートルズのベストアルバム
『1』だったと紹介しました。
「中学に入る前でしたかね。
 お年玉を貯めて買って、
 よく聴いていました。当時、
『ニュースステーション』という
 番組で、リマスターされた
 ビートルズのMVが紹介されていて、
 興味を持ったのを覚えています。」

東京藝術大学附属高校に
進学するため、中学の頃には
作曲の勉強を始めていた坂東さん。
「ハーモニー、コードの
 勉強をするんですが、
 六法全書みたいになっていて、
 『これはやってはいけない』
 っていう禁則があるんですね。
 その意味ではビートルズは
 禁則だらけなんです。
 『習っていることと違うことが
 おこなわれているけど、
 カッコいい』みたいな感じで
捉えていました。」

東京藝術大学附属高校を経て、
東京藝術大学作曲科に
進んだ坂東さん。現在の音楽性に
影響を与えたのは、
フランスの作曲家で指揮者の
ピエール・ブーレーズでした。
「僕が現代音楽を学ぶ上で取っ掛かり
 となったのがブーレーズ。彼は
 指揮者としても才能があり、
 20世紀以降の名作を網羅する
 レベルで指揮しているので、
 歴史を勉強するために曲を聴き、
 著作を読むなどして、
 作品に触れてきました。」
ブーレーズの魅力について
聞かれると、
「20世紀の歴史を自分の道にしちゃう
 傲慢さがあって、
 すごく面白いんですよ。
 あとはめちゃめちゃ
 インテリなので、勉強になります。
 ただ、専門知識がないと
 太刀打ち出来ないような人なので、
 皆に勧めやすい
 音楽ではないですね。」

さらに尊敬する方を尋ねると
名前が挙がったのは、
音楽学者の小泉文夫さん。
「もともと藝大の先生で、民族音楽を
 専門に研究されていた方です。
 各地でフィールドワークを
 されていた小泉さんの著作を、
 最近何作か手に入れて
 読んでいるんですが、好奇心と
 深い観察眼、教養を持った上で
 音楽に接しているのが
 面白いと思って、
 興味を持っています。」
と語りました。坂東さん自身も
民族音楽に興味を持ち、最近は
日本のルーツ音楽を学びたいという
欲が出ているのだそう。
「作曲家なのに日本のルーツ音楽を
 なぜ全然知らないんだろう、
 ヨーロッパの
 音楽ばかり勉強していて
 いいのだろうかという
 モードになっています。
 あと、現代邦楽という
 ジャンルがあって、現代音楽の
 世界の人も邦楽の
 作曲もするんですが、これまで
 勉強してきたことが
 通用しないんですよ。
 違う文法を考える必要があって、
 キツいんだけど面白い。
 邦楽は「間」も面白いですね。
 僕は脱構築していくことが
 好きなので、今、邦楽が
 刺激になっている気がします。」

番組後半では、坂東さんが
これまでに足を運んだ
ライヴにまつわるお話も。
中学2年生の頃には、
1人でスティーヴィー・ワンダーの
ライヴを観に行ったそう。
「小学校高学年で
 関東圏に引っ越して、
 スティーヴィー・ワンダーの
 ライヴが。さいたま
 スーパーアリーナであるのを知って
 1人で行きました。人が多いなー、
 音がデカいなー!っていう
 印象でしたね。スティーヴィーは
 まずヴォーカリストとして
 カッコいいし、なにより曲が良い。
 そして美しい。全てがある、
 っていう感じです。」
現在もブラックミュージックは
よく聴くという坂東さんですが、
入り口はやはり
スティーヴィー・ワンダーで、
彼の作品のクレジットを見て、
例えばハービー・ハンコックなど
周辺のアーティストの音楽も
聴くようになっていったとのこと。
ちなみにハービー・ハンコックの
フェイバリットアルバムは
『ガーシュウィン・ワールド』
だそうです。

他にもディアンジェロの
ライヴにも言及。
「2015年の来日公演を観たんですが
 最高でしたね。踊りながら泣いた
 経験がこの日以外無いんです。
 グルーヴィーなのに
 泣けるっていう。あれは何故なのか
 ずっと考えていたんですけど、
 去年分かったのは、
 たぶんピノ・パラディーノの
 ベースなんです。」
ピノ・パラディーノと
ブレイク・ミルズの来日公演を
いくつか観た坂東さんは、そこでも
ディアンジェロのライヴと
同じ感覚を味わい、そこで考えが
確信に変わったそうです。

そして、最近観て印象に残っている
公演で挙げたのは、大阪にある
国立文楽劇場で上演された
「菅原伝授手習鑑・寺子屋の段」
でした。
「竹本織太夫さんという
 太夫の方がいらっしゃって、
 すごく好きなんですよ。この演目は
 長くて難しいんですけど、体感は
 一瞬でした。超絶テクニックが
 連発されて、「型」がとにかく
 美しい。絶品。織太夫さんに
 お話を聴くと、太夫は本当に
 難しいんですって。要は
 歌舞伎で言うと、俳優さんと音楽を
 1人でやっているようなもの。
 かつ三味線、人形のことも
 考えているので、プレイヤー兼
 指揮者のような感じで、
 全てのことが頭に入っていないと
 絶対に出来ないんです。観ていて、
 とてもスリリングでした。」
と語りました。

さて、番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール
 黒ラベル」で乾杯していることに
 ちなんで、毎回ゲストの皆さんに
「大人になったと感じる曲」を
 伺っています。この質問で
 坂東さんが挙げたのは、
 菊地雅章さんの
 「Little Abi」でした。
「高校の大先輩なんです。
 菊地さんの晩年、2012年の
 ソロリサイタルに行ったんですが、
 1時間半、ノーアンプリファイ、
 即興演奏1本勝負という公演で、
 途中で何度も
 寝てしまったんですね。
 これ、説明が難しいんですが、
 タルコフスキーの映画を
 見ているような、極上を
 味わっている感じだったんです。
 これはすごい境地だなと。
 バキバキの頃の菊池さんの
 演奏とも違うし、ピアノで
 出来ることを探求して到達した
 音なんだなと思いましたね。」
この坂東さんが行った菊池さんの
公演は『黒いオルフェ』という作品に
収録されています。

そんな坂東さんは6月28日に、
アニメ『怪獣8号』の
オリジナルサウンドトラックを
リリースされます。少年ジャンプ+で
連載されている松本直也さん
原作による大注目アニメで、
クリス・ペプラーも
毎週観ているとのこと。坂東さんが
手がけた音楽は、完成した映像を
見ながら音楽をつけていく、
「フィルムスコアリング」という
方法をとって制作されており、
全てが書き下ろしで大変だったそう。
「演出なので、伴奏しているつもりは
 なくて、いかにキャラクターや
 シーンをカッコよく見せるか、
 あとは音楽だけで
 盛り上げるところはいかに
 「ジャンプっぽくなく」やってみる、
 ということを意識しました。
 作品はヒーロー譚でもあるので、
 例えば『ブラックパンサー』など
 マーベル作品の音楽を
 ベンチマークにもしましたね。」

全64曲にも及ぶ
サウンドトラックには、
“THE KAIJU BAND”として
佐々木“コジロー”貴之さん、
King Gnuの新井和輝さん、ドラマーの
石若駿さんがラインナップされ、
他にもトラックメイカー
のMON/KUさん、岡崎体育さん、
LEO今井さんなど錚々たるメンバーが
参加されています。キャスティングは
坂東さんがおこなったそうですが、
仲の良いミュージシャンに加え、
これを機に共演してみたかった方も
呼んだとのこと。
「君島大空くん。アニメ放送分は
 成り立っていたんですが、
 このサントラのためだけに
 再度呼びました。超贅沢ですが
 もう一回録りたいと思って、
 君島くんにコンタクトを取って
 ギターを弾いてもらったり、
 そんなことばっかりやりましたね。」

アニメ『怪獣8号』はオープニングを
イギリスのアーティスト、
YUNGBLUD、エンディングを
アメリカのロックバンド、
OneRepublicが担当していますが、
「とにかくオープニングと
 エンディングに負けることだけは、
 絶対に嫌だと思って取り組みました。
 アニメが始まったら
 ショボくなるのは嫌じゃないです
か。
 頑張ったので聴いてほしいです。」
と語りました。

今後は自身の制作を続ける過程で、
日本の音楽を深掘りしていきたい
とのこと。さらに今回の
『怪獣8号』で組んだ
“THE KAIJU BANDでライヴも
出来たら面白い、と述べました。
今後の坂東さんの動きにも注目です。

坂東祐大さんの情報はこちらから

さて、次回6/29は8年ぶりのご出演、
MINMIさんをお迎えします。
2018年にLAへ移住され、
この度初期の作品が
リイシューされるとのことで、
海外の生活や作品のこと、
たくさん伺います。
ぜひ、次回もお聴きください。

OMIYA

METZGEREI KUSUDAの
豚頭肉とピスタチオのゼリー寄せ

坂東さんが知人から教えてもらい
麻布台ヒルズから
入手してきてくださった1品。
豚頭肉の上品な味わいに
濃厚な黒ラベルがピッタリです。

MUSIC

  • だんご3兄弟 /
    速水けんたろう, 茂森あゆみ,
    ひまわりキッズ & だんご合唱団

  • Help!
    Eleanor Rigby
    / The Beatles

  • Répons : Section 3

  • Le sacre du printemps Pt. 2
    The Sacrifice", Sacrificial Dance
    / Igor Stravinsky, Pierre Boulez,
    The Cleveland Orchestra

  • DEEP BLUE
    / LEO, マシュー・ロー & 伊藤ハルトシ

  • Superstition
    / Stevie Wonder

  • Concerto For Piano And Orchestra
    In G, 2nd Movement
    / Herbie Hancock

  • Chicken Grease
    / D'angelo

  • All The Same
    / Gretchen Parlato, BIGYUKI
    with 須川崇志, 石若駿, Ensemble FOVE

  • Sunday Kitchen
    / U-zhaan & BIGYUKI

  • Little Abi (Live) / 菊地雅章

  • 怪獣8号のテーマ / 坂東祐大
    相模原討伐作戦 / 坂東祐大, Ensemble FOVE

  • Kaiju Rock / 坂東祐大, THE KAIJU BAND
    Never Break Down feat. LEO今井 / 坂東祐大
    保科のテーマ feat. LEO、中村滉己 MON/KU / 坂東祐大

  • Main Title (from "Planet Of The Apes")
    / Jerry Goldsmith

    坂東さんとのトークを受けて
    クリス・ペプラーが最後に
    選んだ1曲はこちら!

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