横浜出身、2015年にSuchmosの
ギタリストとしてデビューし、
2021年にソロプロジェクトを
スタートしたTAIKINGさん。
小さい頃は友達と外で遊んだり、
家でゲームをしたりと、
まんべんなくいろいろと楽しめる
子供だったそう。しかしあまり
スポーツは得意ではなかったそうで、
クリス・ペプラーに
「ギターも手を使うけど、
その運動神経とスポーツは
別物?」と問われると、
「バンドでは決まったことを
演奏することが多いですが、
ジャムセッションだと反応の
速さは関係あるかもしれないですね。
だからセッションは苦手です(笑)」
と答えました。
ギターを始めたのは中学生の頃。
「文化祭でバンドをやる先輩に
「お前も始めてみろ」と
勧められたのがきっかけで、
なんとなくギターを手に
取ったんだそうです。
しかしその前に
演奏していたのはドラム。
「小学生の時に先生から
教えてもらっていて、
最初は音楽が好きというか、
ドラムを叩くのが好きっていう
入り口でした。」と話しました。
ドラムを演奏するだけでなく、
小さい頃から音楽を聴くことも
好きだったそう。
「両親が音楽好きで、車でもよく
音楽が流れていました。母親は
SMAPが大好きだったんですが、
車の中で聴いていた90年代の
SMAPのバックトラックは、
世界的なミュージシャンが
演奏しているんです。
高校生くらいの時にその事実に
気がついて、そこから
セッションミュージシャンの
演奏にも注目して、
聴くようになっていきました。」
冒頭でスポーツは得意では
なかったと振り返りましたが、
TAIKINGさんの父はサッカー
元日本代表の戸塚哲也さん。
「僕は父親が日本代表で
活躍していた当時の記憶が
年齢的になくて、でも一応
サッカーを習わされていた時期も
あるみたいなんですよ。父親が
サッカースクールに練習を
見に来た時に、僕がゴールに
ぶら下がっているのを見て、
『こいつはサッカーに
向いていないのかもしれない』
って思ったみたいです(笑)」
結果サッカー選手への道に
進まなかったTAIKINGさんですが、
父からは
「自分の好きなものを見つけて、
それに夢中になっていくのは
俺と似ている」と言われたそうで、
現在では会うと仕事の相談もするなど、
同志のような
関係になっていると話しました。
中学生でギターを始め、
組んだバンドでは
L'Arc〜en〜Cielや
BUMP OF CHICKENのコピー
をしていたというTAIKINGさん。
「僕は邦楽から音楽を聴き始めて、
洋楽も聴くようになって、
どんどん洋楽寄りになってきては
いますけど、自分が育ってきた
音楽は聴き返すと今でも
良いなって思います。
L'Arc〜en〜Cielも
BUMP OF CHICKENもそうですけど、
キャリアが長いじゃないですか。
僕らは今、バンドとして活動を
休止してしまっているので、
バンドマンとして、長いこと
同じメンバーで音楽をやり続ける
ことはすごいなって思います。
どうやっていろんなことを
潜り抜けてきたのかなとか、
長く続けるためには何を大事に
してきたのかなっていうのは、
やっぱり考えますよね。」
これに対し、クリス・ペプラーは
現在と昔のミュージシャンの
活動の傾向について触れました。
「今っていろんなバンドを
掛け持ちしている人が多いよね。
昔は掛け持ちって
あり得なかったと思う。
今は掛け持ちをして、
一つのバンドの幹が強くなったら、
そこに集中していくけど、
なかなか一本に絞るのは
厳しいよね。」
そう語ったクリス・ペプラーに
TAIKINGさんは、
「この話は本当に共感出来ます。
昔と何が違うのかって考えたら、
僕は情報だと思っていて、
SNSが発達したことで、
一つのことだと飽きちゃうんだと
思うんです。先輩方は情報を
一つ得るだけでも大変だったと
思うし、そのギャップは
あるんじゃないかなって
思っています。」
と分析しました。
クリス・ペプラーは続けて、
「昔はレコードの価値が高くて、
ジャケットやライナーノーツも
そうだけど、いろんな才能が
集まって出来上がっていた
気がする。デジタルでどんどん
曲が生産出来るようになると、
その価値は下がっていっちゃう。
そうなると今度はライブの価値が
上がってきていて、なんと言うか、
そういった部分も昔とは
違うよね。」と語りました。
音源のリリース形態には
TAIKINGさんも思うところが
あったようで、
「周りのミュージシャンとは、
アルバムの価値って
どうなんだろうっていう
会話によくなるんです。
アルバムを作ってもなかなか
聴かれないし、シングルだけを
出しているほうがいいのかも、
みたいなこととか、
アーティストとしてアルバムで
作品を残したいっていう
気持ちもあるとか、そんな話を
することが本当に多いです。
みんな悶々としながらも、
揺るぎない信念を持って
音楽を続けていて、
でも気持ちと時代が…うーん。」
と苦悩する様子を窺わせました。
番組後半ではTAIKINGさんが
影響を受けたアーティストの
お話も伺いました。
「音楽を始めて、もっと専門的に
やってみたいなと思った時に
出会った冨田ラボさんの音楽。
MISIAさんの「Everything」は
冨田さんのプロデュースですが、
スゴいなと思ったポイントは、
ドラムが打ち込みなんです。
このドラムめちゃくちゃ
上手いな!って思っていたら、
冨田さんがサンプルを
録って打ち込んだ、
人じゃない音だった!
それが衝撃的でしたね。
頑張れば打ち込みって
ここまで出来るんだ…
って思いました。」
冨田さんが影響を受けたと言われる
スティーリー・ダンなども遡って
聴いていたというTAIKINGさん。
「ライブ映像とかも
たくさん見たし、
あとそこで隼太、あのー、
HSUとすごく話が合って、
『これヤバくね?』とか
言ってましたね。懐かしいな。
HSUは1個上の
お兄ちゃんみたいな感じで、
幼馴染みですね。もともと
ジャズ、ファンクが好きで、
学びたいって言ってたかな。
OKの家が溜まり場に
なってたんですけど、
そこでHSUが洗足の受験勉強を
していた姿も見てました。
懐かしいですね。」
TAIKINGさんも音楽の専門学校へ
通っていたこともあり、音楽理論の
基礎は頭に入っているそうですが、
今でもSuchmosのメンバーであり、
鍵盤奏者のTAIHEIさんに
教えてもらったりしているとのこと。
そんなTAIKINGさんが思うギターの
魅力とはベンド(チョーキング)が
出来ることだそう。
「引っ張ることによって
音程を変えることが出来るのが
ギターの美味しいところ。
ピッチが安定しない危うさが、
ギターの色気だと思います。
そういう意味で僕が好きな
フィリップ・セイスという
ギタリストは本当に
素晴らしいです。人それぞれ
指の力にも違いがあるし、
好きな弦も違う、正解が無い
十人十色なところが
ギターのいいところですよね。」
と語りました。
RADWIMPSやVaundyさん、
藤井風さん、iriさんなど様々な
ミュージシャンのサポートとしても
活躍しているTAIKINGさん。
今年の夏だけでも60曲くらいを
頭に叩き込んで演奏をしたんだとか。
「僕は譜面を読まずに
身体に入れ込みたいタイプ。
人の弾いたフレーズを自分の方が
上手く表現できるっていうレベルまで
持っていきたいんです。
譜面を見ていたら、
そうはならないんですよね。
世界一自分がこの曲を
弾いている!って思える
状態じゃないと、
そのアーティストにも
失礼に感じてしまいますね。」
番組では「大人の☆生
サッポロ生ビール黒ラベル」で
乾杯していることにちなんで、
毎回ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を
伺っています。この質問で
TAIKINGさんが挙げたのは、
Creepy Nutsの
「Bling-Bang-Bang-Born」
でした。
「僕、子どもが1人いて、
今5歳なんですが、
幼稚園でこの曲がめちゃくちゃ
流行ってるんですよ。
それで子どもが僕の
機材部屋に入って、
勝手にパソコン開いて、
この曲を爆音で流してて(笑)
でも子供の時にやたらと
流れていた音楽って、
自分もそうでしたけど、
いつまでも覚えている
じゃないですか。
それは自分のどこかに
染み付いているものだと思うし、
それが僕の子どもにとっては
「Bling-Bang-Bang-Born」
なんだろうなって思います。
そういう意味合いで自分も
大人になったなと感じて、
選ばせていただきました。」
さて、そんなTAIKINGさんは、
先月新曲
「Footprint (feat. YONCE)」を
リリースしました。
Suchmosのメンバーである
YONCEさんとは4年ぶりに
一緒に制作を行ったとのことで、
大きな話題を呼びました。
「『やってみない?』って
言ってみたら、『やる』って
言ってくれて実現しました。
バンド活動の反動からか、
ソロでは自分自身1人で
作り上げないといけないって
考えていたんですけど、
アルバムを1枚出して
落ち着いたので、
今はフィーチャリング企画を
やっているんです。それで、
逆にこのタイミングで
YONCEを選びました。
でもトラックを作って、
YONCEの歌詞とメロディを
つけたら、Suchmosダッシュ
みたいな曲になっちゃったので、
トラックメイカーのMETくんに
リミックスみたいな感じで、
曲をめちゃくちゃに
してもらったら、自分の
アイデアに無かったものが
入ってきて、結果、
面白くなりました。」
TAIKINGさんのフィーチャリング
シリーズ、YONCEさんに続いて
迎えるのはiriさん。
10月9日にリリースされる
『Day Life (feat. iri)』は、
「niko and ...」2024秋冬
ブランドムービーに書き下ろされた
1曲で、リラックスなムードが
心地いいサウンドになっています。
その他、今後の情報は
TAIKINGさんのHP、
SNSをチェックしてください。
TAIKINGさんのHPはこちらから
さて、次回のゲストはなんと
15年ぶりのご出演となります。
クリス・ペプラーとは旧知の仲、
シンガーソングライターの
杏里さんをお迎えします。
これまでを振り返る話から
シティポップ観についてなど、
深く語り合います。
次回もお楽しみに。
ビーフジャーキー
どこでも買えて、
味が安定していることから
これは外せません。(TAIKINGさん)
ライブ後ホテルに戻ってから
黒ラベルと一緒に味わうことも多いそう。
定番の組み合わせはいつだって最高。
Peace! / SMAP
VOLT-AGE / Suchmos
READY STEADY GO
/ L’Arc〜en〜Ciel
ロストマン / BUMP OF CHICKEN
Rules (feat. 土屋太鳳) / TAIKING
Everything / MISIA
Miree / Suchmos
Burning Out / Philip Sayce
Bling-Bang-Bang-Born
/ Creepy Nuts
Day Life (feat.iri) / TAIKING
Step By Step (feat. 荒谷翔大) / TAIKING
Culture Clash / The Aristocrats
TAIKINGさんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら!