SAPPORO BEER OTOAJITO

SATURADAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!! メッセージを送る ARCHIVE FACEBOOK TWITTER INSTAGRAM

SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2024.10.26 ON AIR
今週は、音楽家の
蓮沼執太さんをお迎えしました。
現在コラボレーションしてみたい
アーティストとして挙げたのは...

2017年以来、7年ぶりのご出演となった蓮沼さん。
前回から今回までの間に、
ニューヨークでの制作期間を挟んでいたということで、
冒頭では現地での生活について伺いました。

2017年からニューヨークのブルックリンで
制作をしていた蓮沼さんですが、
コロナ禍や現地の友人たちがニューヨークから離れていき、
自身も環境を変えたいと思い、
日本へ戻ってきたとのこと。ニューヨークでの生活は
音楽家の蓮沼さんに様々な影響を与えたそうですが、
中でも大きかったのは、いわゆるレジェンド達のライブを
多く見ることが出来たことなんだとか。
「僕が学生の時とか、若い頃に聴いていたミュージシャンを
 目の前で観られたのは思い出になっています。
 パット・メセニーやカエターノ・ヴェローゾ、
 トン・ゼー、あとはスティーヴ・ライヒとか
 フィリップ・グラスも観ました。音楽だけでなく
 パフォーミングアーツや映画もいろいろ観ましたね。
 20世紀のアートの感じが
 ギュッと詰まった場所っていうのは、
 今も変わらないんじゃないかと思います。」
ちなみに蓮沼さんのニューヨーク生活を
象徴するアルバムは、2019年にリリースされた
ジェイムス・ブレイクの『Assume Form』だそうです。

ブルックリンにある「BAM」というホールで
たくさんのライブを観たとのことですが、
他にも「キッチン」という会場も印象に残っているそう。
「現代音楽とか前衛的な
 パフォーマンスをやっている場所で、
 老若男女が集まるんですよ。例えばこうやって
 タンブラーをカーンって叩くみたいに、
 物音を立てているだけのライブを50人くらいが
 真剣に観ているような空間。ニューヨークでは
 新しいお店が出来て、
 ニューヨークタイムスに載ると、
 次の日にはお年寄りから若い人達までが
 集まっていたりするんです。
 そういうのも良いなと思います。」

この流れから蓮沼さんが生まれて初めて観た
ライブについても伺いました。
「中3か高1の時にエリカ・バドゥを観ました。
 僕はスケボーをやっていて、その時に
 仲良くしてくれていたお兄ちゃんが、なぜか
 エリカ・バドゥのライブに誘ってくれたんです。
 怪しい感じのステージでしたね。そういうのは
 日常ではなかなか体験出来ないので驚いたのを
 覚えています。この間もインスタか何かで、
 アウトキャストのアンドレ3000と一緒に
 演奏しているのを観たんですがドープ過ぎましたね。」
当時は洋楽ばかり聴いていた蓮沼さんは
日本の音楽に全然触れておらず、
その時期を悔やんでいるとも述べていました。

最近観て印象的だったのは、蓮沼さんが
サポートアクトで出演した北ロンドン出身のアーティスト、
ロレイン・ジェイムスの来日公演なんだそう。
「並木橋の近くにあるCircus Tokyoが会場だったんですが、
 人がパンパンに集まっていました。
 ロレイン・ジェイムスは
 エレクトロニック・ミュージックのプロデューサーで、
 とにかく音が良いんですよね。有機的な音の
 響きをしていて、そこがとても個性的な人です。
 彼女はもともと日本の電子音楽が好きで、僕の音楽も
 知ってくれていたんです。それでオファーをいただいて、
 僕も以前からファンだったので
 出演させてもらいました。」

さて、そんな蓮沼さんが現在コラボレーションしてみたい
アーティストとして挙げたのは、細野晴臣さん。
「最近、細野さんのアンビエントミュージックを
 よく聴いていまして、80年代とか90年代に
 制作されていたと思うんですが、
 その時の思想に興味があるので、
 お話をお聞きしたいなって思っているんです。
 今は時間を感じさせない音楽に惹かれているのかな。
 それこそ先ほど話したアンドレ3000も
 フルートで作ったインストのアルバムを
 リリースしたんですよ。それもアンビエントとか
 スピリチュアルジャズっぽい作品なんです。」
アンビエントミュージックに惹かれる理由について、
「冷静になりたいというか、情報が多くて
 物事が移り変わるスピードも速いので、
 音楽くらいは落ち着いて聴きたいっていうのが
 あるのかもしれないですね。」と分析しました。

現在アンビエントミュージックにハマっている蓮沼さんは、
若手でもその界隈のアーティストに注目しているそうです。
「いろんなアンビエントがあるんです。
 ジャズとアンビエントが融合するような
 音楽を最近聴いていて、
 例えばナラ・シネフロっていう人ですね。
 イギリスの老舗レーベル、ワープから
 リリースされていて、夜によく聴いているんですけど
 良いなって思います。」

蓮沼さんは自身の作品を制作する時以外は、
レコード、カセットテープ、サブスクなど
メディアを問わず、頻繁に音楽を聴いているそう。

「あとはSMLっていうクインテットもカッコいいですね。 
 どこか新しくて、懐かしいグルーヴで、
 クラウトロック、カンとかノイ!みたいな硬いビートに
 サックスが乗っているサウンドですね。シカゴの
 インターナショナルアンセムっていうレーベルから
 出ていて、そこのカタログは良いです。
 日本だとringsっていうレーベルが
 ディストリビューションしています。」

日本のミュージシャンで最近注目しているのは、
打楽器奏者/シンガー・ソングライター角銅真実さん。
「一緒に音楽をやったこともあるんですが、
 彼女の動き方、音楽性はすごく素敵だなって思います。
 ソングライティングの視点で見ても、歌詞の佇まいや
 音の質感も現代的で、先ほど話したナラ・シネフロや
 SMLに近いものを感じます。カッコいいと思います。」
と語りました。 

さて、番組では「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
で乾杯していることにちなんで、毎回ゲストの皆さんに
「大人になったと感じる曲」を伺っています。
この質問で蓮沼さんが挙げたのは、
マイルス・デイヴィスのアルバム『Agharta』に
収録されている「Maiysha」でした。
「マイルス・デイヴィスは定番過ぎて、これまであまり
 聴いてこなかったんですよ。カタログが多すぎて、
 どれを聴いていいのかも分からなかったし、
 この曲も大阪のライブ音源なので、
 そういうのを含めると、本当に無限にあるじゃん!
 みたいな感じだったんです。
 ただ、先ほど紹介したようなアンビエントや
 新しいジャズを聴いていると、
 マイルスのフュージョン期とか
 エレクトリックマイルス期が新鮮に聴こえてきたんです。
 そうやって聴こえるようになって、
 「あ、大人になった」って思いました。
 実験精神もスゴいし、
 常に挑戦している姿勢も素晴らしいと思います。」 

蓮沼さんはソロワークの他に指揮などもされる、
蓮沼執太フィルでの活動も注目されていますが、
これまでは演奏者が均一な立場で
構成されることを進めていたそう。
「でも最近興味があるのは、(マイルスのように)
 強い存在が1人いて、展開を回していくのが
 面白いなって思っているところです。」と語りました。

そんな蓮沼さんはJ-WAVEと情報発信拠点
「TOKYO NODE」がタッグを組んだ
没入型音楽体験ミュージアム
『MUSIC MUSEUM 〜音に触れる、光を聞く。
 身体が反射する。』に参加されます。
GALLERY A『自然の記憶』という空間で流れる音楽を
制作する蓮沼さん。
「来てくれたオーディエンスが
 音に触れるような体験が出来るようになっていて、
 僕はその中で新しい音楽を作っています。
 スピーカーが2台あって立体音響になっていて、
 真ん中に球体のオブジェを触ると
 音が変化するような空間になっています。
 体験型といえるようなものになっていると思います。」
会場は虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F。
期間は11月1日(金)から12月27日までとなっています。

そして11月30日には、
蓮沼さんのソロライヴも控えています。
蓮沼執太ソロライブ「S C P」
タイトルの「S C P」 について蓮沼さんは、
「僕はいろんなジャンルをやっていて、
「S」はシングのS、
「C」はクラブのC、クラブセットですね。
 そして「P」はピアノソロで僕が
 演奏したいと思っています。
 僕がやっている音楽のジャンルを1日で全てやります。
 DJも僕がやって、歌も僕が歌います。」と紹介しました。
会場は渋谷WWWです。
詳しい情報は蓮沼さんのオフィシャルサイト、
SNSなどをチェックしてください。

蓮沼執太さんの情報はこちらから

さて、次回ゲストにお迎えするのは、
卓越したギター演奏と無垢な歌声で注目を集める
ギタリスト/シンガーソングライターの森大翔さん。
2009年にロンドンで行われた
16歳以下のギタリストによる世界大会、
「Young Guitarist of the Year」で優勝し、
18才でメジャーデビューという経歴を持っている森さん。
いったいどんな音楽ルーツをお持ちなんでしょうか?
次回もぜひ、お聴きください。

OMIYA

木能実のナッツ
蓮沼さんと親交がある
野村友里さんが祐天寺にオープンした
「babajiji house」で購入したおつまみ。
秋田県能代市のナッツと
ドライフルーツのお店「木能実」のナッツです。

MUSIC

  • I'll Come Too / James Blake

  • James / Pat Metheny Group

  • On & On / Erykah Badu

  • Let's Go / Loraine James

  • MERCURIC DANCE / 水銀〜躍動の踊り
    / 細野晴臣

  • Ambient Meditation #3 / 細野晴臣

  • Ants To You, Gods To Who ? / ANDRÉ 3000

  • Continuum 1 / Nala Sinephro

  • Industry / SML

  • Carta de Obon / 角銅真実

  • Maiysha(from『Agharta』) / Miles Davis

  • Emergence / 蓮沼執太

  • RAW TOWN / 蓮沼執太

  • パスピエ / 冨田勲

    蓮沼執太さんとのトークを受けて
    クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら

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