北海道の知床・羅臼町出身の森さん。
2019年にロンドンで行われた
16歳以下のギタリストによる世界大会、
「Young Guitarist of the Year 2019」
に出場し優勝。2021年に18才で
メジャーデビューされました。
クリス・ペプラーとは以前から番組で
共演する機会はありましたが、
OTOAJITOには今回が初出演となりました。
森さんは現在21歳で今年9月に
デビュー3周年を迎えました。
これまでを振り返り、
「あっという間という感覚もありつつ、
濃いんですよね。東京に来てからは
1人の人間としての決意が固まってきました。
まだスタート地点に立ったばかりですが、
音楽をやる上で、自分の壁を常に
越えないといけないっていう気持ちがあります。」
と語りました。
そんな森さんが初めてギターを手にしたのは
小学校6年生の時。従兄弟のお兄さんから
ギターを譲り受けたことがきっかけで、
のめり込むようになったそうです。
「クライングスターっていう、
ラウドネスの高崎晃さんが弾いている
ギターのモデルを引き継いだ
星の形のギターですね。その流れから
自然とメタルを聴くようになって、
ずっと弾いていました。」
ギターを初めて4年で世界一の座を獲得した
森さんに驚いたクリス・ペプラーに、
森さんは続けて、
「1日8時間くらい練習していました。
でも、時間は気にせず楽しんでましたね。」
と述べました。
ちなみに初めてギターで弾いた曲は、
ジューダス・プリーストの
「Breaking the Law」だったそうです。
メタルにのめり込んだ森さんの
最初のギターヒーローは、
日本のヘヴィ・メタルバンド
GALNERYUS(ガルネリウス)のSYUさん。
「メロディックスピードメタルとも
言われるんですが、クラシックの美しい部分と
ギターのエモーショナルな部分、
スピード感を融合させたジャンルで、
とにかく速いんですよ。
初めて買ったCDもGALNERYUSでした。」
メタルを入り口にギターの腕を
磨いていった森さんですが、
続けていくうちに聴く音楽のジャンルも
広がっていったそう。
「例えばPlini(プリニ)とか、
CHON(チョン)っていう人達の音楽を
聴くようになりました。
Pliniはオーストラリアのギタリストで、
メタルの要素もありながら、
フュージョンやジャズの要素もある感じ。
CHONはギターが2人いる
マスロックのバンドで、西海岸のエモさを
持っているサウンドですね。
ギターを探求していくうちに、
単純にギターソロを弾くだけじゃなくて、
コードワークやリズムにも
注目するようになっていきました。」
この1、2年で影響を受けた
アーティストも多いと話した森さん。
「プリンスは最近になって魅力が分かった
アーティストの1人です。これまで聴いてきた
完成された、超正確な音楽と比べて、
感情を乗せたギターを弾いているというか、
そういうカッコよさに惹かれて
よく聴いています。ジミ・ヘンドリックスも
ジョン・メイヤーに影響を受けたのも
最近ですね。スティーヴィー・レイ・ヴォーンも
そうですけど、ギターのトラディショナルな
部分も自分の音楽に取り入れていきたいという
気持ちがあります。」と語りました。
複雑でテクニカルなギターサウンドを
追求していた森さんが、ブルースを下敷きにした
ミュージシャンにも注目していることについて、
クリス・ペプラーは
「森くんのギタリストとしての進化は
良いんじゃない?
テクニカルなところから始まって、
ブルースにもいって、道具箱の中が
豊富な感じがするよね。」と評しました。
ライブにもよく足を運ぶという森さん。
生まれて初めて観たのは、札幌で行われた
KANA-BOONのライブだったそうです。
「中学1年生の時に親友と夜行バスに乗って、
羅臼町から札幌まで8時間くらいかけて
行きました。実は東京と大阪くらいの
距離があるんですよ。ライブは、音大きい!
カッコいい!っていう印象が残っています。
お客さんの年齢層も若くて、
揉みくちゃになる感じも体験しました。」
最近観て印象に残っているのは
ジェイコブ・コリアーの来日公演なんだそう。
「観るのは2回目だったんですけど、
彼はやっぱり最高でした。
ステージに楽器がたくさんあって、
どの演奏も最高ですし、
彼が音楽そのものになっているような
感覚に衝撃を受けましたね。
テクニカルなのにキャッチーで、
音楽を知らない人にも分かりやすく
表現しているのもスゴかったです。」
と振り返りました。
作詞作曲から編曲まで1人でこなす森さん。
これまでコラボワークを
おこなったことがないとのことですが、
もしこの先誰かとコラボするなら、
という質問で挙げたのは、
ギタリスト・コリー・ウォンでした。
「令和のギターヒーロー。自分の音を持ってますよね。
カッティングっていうシンプルなテクニックで、
コンプレッサーを結構がっちりかけていて、
真似してもなかなか出来ないのがスゴい。
コリー・ウォンと一緒にバンドをやっている
ベーシストのジョー・ダートもスゴいっすね。
最近ジョー・ダートの動画を見ながら、
ベースも練習しているんです。」と語りました。
森さんのギターは
ストラトキャスターがメインで
合計10本ぐらい持っているとのこと。
「ギブソンは1台も持っていないんです。
でも、SGとか良いですよね!
上手い人とかカッコいい人は
SGを弾いている印象があります。」と述べると、
クリス・ペプラーは
「僕はギブソンだとダントツでSGが好きなのね。
フェンダーだとテレキャスターが良いって思うな。」と反応。
これに対し森さんは、
「テレキャスは僕もめっちゃ好きです。
北海道産の木で作った
テレキャスをお借りしていて、
それはよく使っていました。」
と返し、ギタートークに花が咲きました。
ギタリストとして注目を集め、
現在はシンガーソングライターとして
活動しているということで、クリス・ペプラーから
「作詞は難しくない?」との質問が。
「最初はめちゃくちゃ難しかったですね。
だけど、人として他者との関わりや、
高校生の頃の孤独さだったり、
いろいろ感じることがあって、
そこからは目は逸さなかったので、
書きたいことは見つかるようになっています。」
そう答えた森さん。谷川俊太郎さんの詩から
インスピレーションを受けることもあるそうです。
「谷川さんが取り扱うテーマは、
全ての人に当てはまる心のすごく大切なところというか、
ピュアなところに焦点を当ててる感じ。とても惹かれます。」
と話しました。
さて、番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」で
乾杯していることにちなんで、
毎回ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で森さんが挙げたのは、
プリンスの「Purple Rain」でした。
「19歳の時に初めて聴いたんですが、
全然良さが分からなかったんです。
なんだこれ?平坦な曲だなって
通り過ぎていたんですけど、今聞くと、
深みを感じられるようになったというか、
心から良いって思えるようになったんです。
先ほども言った、感情的なギターに
自分が惹かれる点もそうなんだろうなと。
今までテクニカルなものを
ずっと弾いていた自分が、
ひとつ大人になって、
心を動かされるようになったと思うんです。」
と理由を説明しました。
そんな森さんは10月30日に
セカンドアルバム『Let It Grow』をリリースしました。
ファーストアルバムから1年5ヶ月ぶりの作品について、
「この1年5カ月の中で、
ひたすら成長したかった。
変わらなければならないっていう
気持ちがあったんです。
音楽1本でやっていこう、
全てを賭けてやらなければ、っていう中で
挑んだアルバムなので、
それが出ているのではないかと思います。」
と語りました。本作では森さんが作詞作曲、
編曲、演奏も全て行なっていますが、
曲は複数を並行して制作していたとのこと。
「ポップスにポップス以外、
ポップスでは必要とされていない
音楽的な要素を足すこと。今の時代は
ギターソロとかも排除されがちですが、
僕はそこに魅力や大切なものを感じています。
それが僕のアイデンティティなのでこだわりました。」
収録曲「群青日記」はドラマ
『マイダイアリー』の挿入歌となっています。
そして『Let It Grow』を引っ提げた
ツアーがスタートします。
森 大翔 3rd Tour「Let It Grow」。
東名阪3都市で開催され、
東京は11月20日、
SHIBUYA CLUB QUATTROにておこなわれます。
最後に今後の展望についても伺いました。
「音楽を豊かに表現していきたいです。
ステージでも、歌も、もちろんギターも、
アンサンブルも。作曲も歌詞もですね。
自分もまだ聴いたことない音楽じゃないですけど、
ワクワクするような表現が出来る
アーティストになっていきたいですね。」
と語り、この日のトークを締めくくりました。
森 大翔さんの情報はこちらから
さて、次回お迎えするのは、
ネオ・グランジ・バンドw.o.d.のベーシスト、
Ken Mackayさん。これまでどんな音楽に
影響を受けてきたのでしょうか?
11月11日の「ベースの日」も近いということで、
ベース談義もブンブンやっていきます。お楽しみに。
鮭とば
噛めば噛むほど味わいが深まる
最高のお供です!(森 大翔さん)
北海道出身の森さんらしいチョイス
サッポロ生ビール黒ラベルが
間違いなくぴったりです。
Breaking the Law / Judas Priest
HUNTING FOR YOUR DREAM
/ GALNERYUS
Atlas / Plini
Checkpoint / CHON
Computer Blue / Prince
Voodoo Child (Slight Return)
/ The Jimi Hendrix Experience
Pride and Joy
/ Stevie Ray Vaughan & Double Trouble
ランアンドラン / KANA-BOON
WELLLL / Jacob Collier
Lunchtime / Cory Wong
Fearless Direct
/ The Fearless Flyers
Purple Rain
/ Prince and The Revolution
VSプライドモンスター
群青日記
きっと上手くいくよ
/ 森大翔
Sky Church Hymn #9 / D.Sancious & Tone
森さんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら