毎年11月11日は4つの
「1」を4本の弦に見立てて、
「ベースの日」ということで、
今回はKenさんの音楽ルーツだけでなく、
ベースにまつわるトークもたっぷり展開しています。
兵庫県芦屋市出身のKenさん。
Mackayというファミリーネームは
ニュージーランド人の父親にルーツがあるとのこと。
「お父さんがスコットランド出身で5歳くらいの時に
ニュージーランドに移住して育ったんです。
なので、血はスコティッシュ、
国籍はニュージーランドですね。」
Kenさんは中学生の頃までは、毎年夏休みの間
ニュージーランドへ行き、現地の学校へ通っていたそう。
「ニュージーランドは北海道に似ていると思うんですよ。
広大な土地も人間も。なので、北海道の人には
親近感があります。」と語りました。
Kenさんは5歳の頃からダンスを習っており、
そこで聴く音楽には早いうちから
興味を持っていたとのこと。
「ジャ・ルールとかクリス・ブラウン、
あとはニーヨとかが流行っていましたね。
ダンスの先生が流す曲を覚えて、
それを聴いていました。
親に勧められてダンスを始めたんですけど、
結構しっかりやっていましたね。
あまり上手くはなかったかもしれないですけど。」
と振り返りました。
そんなKenさんが初めて買ったCDは、
Def Techのファーストアルバム『Def Tech』
「ケーブルテレビでミュージックビデオを偶然見て、
衝撃を受けた覚えがあります。
10歳くらいの頃だったと思いますが、
メロディやネイチャー感に惹かれたんですかね。
ニュージーランドにはよく行っていたし、
そういうバイブスが自分に合ったのかもしれません。」
w.o.d.のボーカルギター、サイトウタクヤさんとは
今でもカラオケで「My Way」を
歌うというKenさんですが、
Def Techのお二人には会ったことがなく、
ライブも観たことがないそう。Def Techと親交がある
RIZE/The BONEZのJESSEさんとは、
お酒を飲む間柄だそうで、クリス・ペプラーから
「紹介してもらえばいいじゃん」と言われると、
「ライブも好き過ぎて観るのが怖いんですよ。
なかなかJESSEにも「会いたい」って言えないですね。
そういえば「地に足つけ 頭雲抜け」っていう
「My Way」の歌詞は、
JESSEが考えたって言っていました。」
と述べました。
ダンスを続けていたKenさんが、
バンドへの道に進むことになったのは中学3年生の頃。
通っていたダンススクールが無くなってしまうタイミングで、
サイトウタクヤさんが
「バンドを組みたい」と話していたそうで、
その頃Kenさんは偶然にも、友人の叔父からベースの
初心者セットを譲り受けたんだとか。
「どっぷりハマりました。食事も忘れるくらいで、
1日12時間とか練習していましたね。
最初は練習法も何にも分からないので、
とりあえずYouTubeで“ベーシスト”って検索して、
そこで見つけたのが
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの
フリーでした。ベースってこんなにカッコいいんや!
って思いました。」と語りました。
フリーの影響でスラップでベースを弾いていたという
Kenさんですが、現在w.o.d.ではピック弾きが
メインになっているとのこと。
「1枚目から3枚目のアルバムでプロデュースを務めた
ヨシオカトシカズという人がいて、
彼が自分を育ててくれた人なんですが、1枚目の時に
「ピックで弾いてみろ」と。同じ曲で指弾きとピック弾きで
録音して聴き比べたんです。そしたらw.o.d.はピック弾きが
カッコいいって直感的に思いました。そこからずっと
ピックで演奏しています。」と理由を語りました。
ちなみにKenさんは4弦ベースに太い弦を張って
使用しているそうで、「クリーントーンで弾いても歪む」と
言われるほどの力強いプレイが音源でも確認できます。
TOKAI のベースをメインで使用しているKenさん。
「ノブもボリュームとトーンの2つ。
エフェクターもそうですが、
ややこしいのが好きじゃなくて、
シンプルなのが良いですね。w.o.d.では
ダウンピッキングを極めようと思って、
アップは使わずひたすらダウンです。」
とこだわりも話しました。ベースを始めてから
サイトウさんとフォーピースのバンドを組み、
コンテストに参加したそうですが、
良い結果は得られなかったとのこと。しかし後日、
サイトウさんから「2人でバンドをやろう!」と
Kenさんにのみ連絡があったそうで、そこからw.o.d.が始動。
「それが15歳の時だったので、
人生の半分w.o.d.をやっています。
たぶんw.o.d.しか自分はできないと思います。」
とも話しました。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーの他に
影響を受けたベーシストは、
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの
マイケル・シューマン。
「今はフリーよりも好きかも。安定感ですかね。
主役にもなれるし、ちゃんとサウンドも支えられるし、
弾き姿もカッコいい。バンドも唯一無二だし、
人間としてクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジに
なりたいですね。」と魅力を語りました。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのどちらのライブも
観に行ったことがあるというKenさんが、
強く印象に残っているライブとして挙げたのは、
2017年のサマーソニックでのロイヤル・ブラッドのステージ。
「マリンステージで観たんですが、当時エリアが
LとRで分かれていたんですよ。俺とサイトウは
分かれちゃったんですけど、観終わってからの感想が
2人とも「泣きそうやったな」みたいな感じだったんです。
音楽性は泣かせる感じじゃないのに、
泣きそうになったのが不思議でした。」
そんなKenさんがいつか一緒に
プレイしてみたいと話したのは、アメリカの
インディーロックバンド、クラウド・ナッシングスでした。
「メンバー3人とも好きなバンドで、数年前にみんなで
ライブを観に行ったんですが、演奏もこれ大丈夫なんかな?
っていう感じだったんです。でも、いざ聴いてみると、
ズンズン伝わってくるものがあるし、曲も良い。
クラウド・ナッシングスにはバンドの良さが
詰まっています。」と紹介。この流れから、
w.o.d.のこだわりについての話も。
「レコーディングでちょっとミスってても、
テイクが良ければ、それで良いっていうところが
あるんです。空気感やニュアンスを閉じ込める良さ。
意図していない汚れというか、テンションが
パッケージされたら、それは美しいじゃん!っていう。
それをw.o.d.ではずっとやっています。
まとめ過ぎても、おもんないって思うかな。」
と語りました。
さて、オンエア日の2日後、11月11日は
「ベースの日」ということで、この日はベーシストである
Kenさんに「この曲のベースが好き!」という2曲を
ご紹介いただきました。最初に挙げたのは、
やはりレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、
「Around The World」でした。
「衝撃でしたね。1曲の中でいろんな聴こえ方をする
ベースがあるんですよね。イントロは主役、
サビはメロディアス、アウトロでは支えている。
そういう曲ってあんまりないと思うんです。
これはレッチリの面白さでもありますよね。」
そして、もう1曲挙げたのは
プライマル・スクリームの「Rise」
「本当にシンプル。ベースラインが上がって、下がる。
それを繰り返す曲なんですが、それだけでいいじゃん!
っていう。こんなベースラインに憧れますね。
ヒップホップもそうですけど、繰り返しのカッコ良さを
ベースでやっているのがこの曲。
サビで「Rise」って言いながら、
ベースラインが下がるのもイケてますね。」
番組では「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」で
乾杯していることにちなんで、ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問でKenさんが選んだ1曲は、
ザ・ストロークスの「12:51」でした。
「最近車を手に入れまして、その車はCDしか
聴けないんですよ。それでCDを買って
車で聴いているんですが、ストロークスが
ニューヨーク出身っていうのもあって、
都会感が感じられるというか、
『俺は今、東京にいて、東京の道を走っている。
自立して大人になったのかも』って思ったんですよね。
それと同時に、ストロークスの余裕な雰囲気に、
まだまだ自分は大人じゃないかもって思いました(笑)」
今年8月に30歳になったKenさん。
30歳になって心境の変化はあったのでしょうか。
「自分の気持ちを伝えるのが恥ずかしくなくなりました。
最近やっとですけどね。いろんな人に出会って、
経験を重ねて、変わるタイミングが来たのかな
っていう感じです。」
そう語ったKenさんにクリス・ペプラーは
「俺もそうだけど、ハーフってシャイの人多いよね。
2つの部分が見えるというか、感じすぎるところもあるし。」
と語りました。Kenさんは深く共感しながら、
「どこにいっても居場所がなかった感じもあります。
日本にいても、ニュージーランドにいても、
自分はどっちなんやろう?って悩みながら育ってきたし、
解放する場が音楽しかなかったかも。」と述べました。
そんなKenさんがベーシストを務めるw.o.d.は、
10月23日にメジャー1stアルバム
『あい』をリリースしました。
「自分的にはオモロいアルバム。
メジャー1st と言ってますが、
w.o.d.としては5枚目のアルバムになるんですね。
やっと自分たちを恥ずかしげもなく
解放出来るタイミングが来て、
それらを収録出来たアルバムです。」と紹介しました。
収録曲「My Generation」と「エンドレス・リピート」は、
THE SPELLBOUND、BOOM BOOM SATELLITESの
中野雅之さんによるプロデュース。
「僕らはプライマル・スクリームが大好きで、
当時を体験している人って誰やろうとなった時に、
中野さんの名前が挙がったんです。中野さんは
優しい人なんですけど、隠れたナイフが見えるというか、
当時を生きてきて、今も最先端で活躍されている人なんで、
ホンマにカッコよかったですね。」
ツアーもスタートします。
『w.o.d. presents ” I SEE LOVE Tour “』
バンドの地元・兵庫県を皮切りに、最終の沖縄まで全24公演。
リーガルリリー、ALI、THE BONESなどを迎えた
対バンツアーが8本、ワンマンが16本という
内容になっています。東京公演は
来年3月16日豊洲PITにて開催。
ぜひ、お近くの会場へ足をお運びください。
w.o.d.の情報はこちらから
さて、次回お迎えするのは、
新進気鋭のトランペット奏者、松井秀太郎さん。
ジャズシーンだけでなく、J-POPのフィールドでも、
その存在感を示す松井さんは、
どんな音楽を聴いてきたのでしょうか?
次回もぜひ、お聴きください。
イカ天瀬戸内れもん味
『食感と酸味がビールに合います!』(Kenさん)
程よい酸味と濃厚な黒ラベルが
口の中で合わさると爽やかさが生まれ、
次のひとくちが止まらなくなります。
Because Of You / Ne-Yo
My Way / Def Tech
The Evil Has Landed
/ Queens of the Stone Age
Little Monster / Royal Blood
Wasted Days / Cloud Nothings
Around The World
/ Red Hot Chili Peppers
Rise / Primal Scream
12:51 / The Strokes
STARS
Take It Easy
My Generation
あばく / w.o.d.
Choose Your Fighter
/ Nova Twins
kenさんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら!