兵庫県出身のSincereさん。
音楽好きの家族のもとで育ったことで、
自身も子供の頃から音楽が好きだったそう。
「プリンスやアレステッド・ディベロップメントが
よく流れていました。母が洋楽好きだったので、
J-POPに触れる機会はあまりありませんでした。」
小学生の頃はインターナショナルスクールに
通っており、流行りの音楽に触れる機会は
あったそうですが、自宅ではそれらを聴くことが
出来なかったとのこと。
「ヒラリー・ダフとかが流行っていて、
みんな聴いていました。でも家族が厳しくて、
私はあまりテレビも観られなかったし、
みんなが聴いているメインストリームの音楽も
聴けなかったんですよ。なので友達のiPodを借りて
公園で聴いたりしていました。
母のこだわりが強かったんですかね。」
と話しました。
母親から時折厳しい言葉も
かけられたというSincereさんですが、
子供の頃に一緒に聴いていた音楽には
大きな影響を受けており、思い出にも残っているそう。
「母は忙しい人だったので車で移動している時が
コミュニケーションの時間でした。
そこで流れるプリンスや
アレステッド・ディベロップメントの曲に
口パクで合わせて楽しんでいましたね。
母はインターナショナルの幼稚園を
経営していたこともあって、
主に会話は英語だったんです。」
Sincereさんが最初に
読み書き出来るようになったのも英語で、
「ポエムを書くのも好きでしたね。
この間実家で見つかったのは、
英語で『友達がフライパンを持って日本に来た』
みたいな感じの、”パン”と“ジャパン”が
ライムしているようなポエムでした。
恥ずかしいですね。」と紹介しました。
教会でゴスペルのクワイアに参加していたことが、
Sincereさんの歌の基礎になっており、
そこでは複数の人々と歌うことの
楽しさにも気がついたとのこと。
自ら音楽活動をするきっかけとなったのは、
15歳の頃に地元の音楽学校が主催する
ジャズコンテストで優勝したことだったそうです。
「これも母が勝手にサインアップしていて
ビックリしました。全然ジャズじゃないんですが、
オーディションではアリシア・キーズの
「If I Ain't Got You」、コンテストでは
シンディー・ローパーの「Time After Time」を
歌いました。結果優勝したのですが、
もともと人前に出ることが苦手だったので、
母が背中を押してくれなければ、
自分ではオーディションにも
参加しなかったと思います。」
その後、そのジャズコンテストを主催していた
音楽学校へ進み、そこでピアノの演奏や
音楽理論などを身につけたそうです。
そんなSincereさんが初めて買ったCDは、
プリンスが1987年にリリースした2枚組のアルバム
『Sign O' The Times』でした。
「お母さんは持っていなかったの?」という
クリス・ペプラーに対し、Sincereさんは
「母が唯一持っていなかった
プリンスのCDだったんです。私が小学校の
低学年の頃だったような気がしますが、
母が喜んでくれるかなと思って
自分で買いに行きました。」と話し、
クリス・ペプラーは
「お母さんのためだったんですね!
すごいなー!」と反応しました。
ムラ・マサやケイトラナダなど、
エレクトロニックなサウンドのアーティストにも
大きな影響を受けてきたSincereさん。
「高校生の時にYouTubeで
『Majestic Casual』というチャンネルを見つけて、
それがきっかけでエレクトロニックミュージックに
ハマりました。」
番組が事前にお願いしたアンケートでは、
人生を変えた1曲としてムラ・マサの
「Firefly (feat. NAO)」を挙げていました。
様々な音楽を聴き、
それらが表現の源となっているSincereさん。
音楽以外では、子供の時に見た
とあるテレビ番組に大きな影響を受けているとのこと。
「私の音楽は全般的に"空を泳ぐ”、
ということがテーマになっているんです。
音に自然が香るのが好きで、
それはなぜなのかを考えたところ、
小学生の時に、
パラグライダーで山の上を飛んで、
紅葉を見るというテレビ番組を
2回くらい見たことを思い出したんです。
実は忘れていた記憶でしたが、
今回の出演をきっかけに思い出しました。」
実際にパラグライダーにも
挑戦したことがあるそうですが、
途中から雨が降り出し、
Sincereさんが飛んでいる最中に
目の前で雷が落ちたらしく、
「本当に怖かったですよ。木が燃えたんですよ!
憧れのパラグライダーは
燃えている木のイメージになりました(笑)」
と衝撃の経験を語り、
クリス・ペプラーを驚かせました。
今後コラボしてみたいアーティストのお話も。
Sincereさんが紹介したのは、
ドイツの音楽プロデューサー・Moglii。
「自分の音楽を
『オーガニック・エレクトロニック・サウンド』
とおっしゃっているんですが、
パソコンで作る音楽だけど、
自然の風景が浮かぶ音楽が私は好きなので、
1度コラボしてみたいなと思います。」
数多くのトラックメイカーとも
共作しているSincereさんは、
現在、クニモンド瀧口さんのプロジェクト
RYUSENKEIのメンバーとしても活動されています。
ソロとRYUSENKEIでは表現のスタンスが異なるとのこと。
「ジャンルが全然違うので
キャラクターから変わっていると思います。
RYUSENKEIだと英語の歌詞も担当したんですが、
「月のパルス」という曲では、
同名の漫画をもとに書いていて、
少女漫画の主人公の女の子のキャラクターに
なりきっているつもりです。Sincere名義だと
その時の自分のフィロソフィーを
歌詞にすることが多いですね。」
番組では「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
で乾杯していることにちなんで、ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問でSincereさんが選んだ1曲は、
トレイシー・チャップマンの「Fast Car」でした。
「サウンドも渋くて、音だけでも大人な感じがしますが…
歌詞は若いカップルの車の旅みたいな内容なんです。
好きだったのでこの曲を調べていると、
トレイシー・チャップマンは当時、
この歌詞が何について書いているのか
自分でも分からなかったようなんです。
でも後々考えると、
自分の両親について書いていたかも、
みたいなことをおっしゃっていて、
それって大人っぽくないですか?」と話しました。
続けて、先日SincereさんがリリースしたEP
『Better Weahter』に収録されている
「tanpopo」という曲は、Sincereさんが
自身の母親の目線で歌詞を書いたと明かしました。
「両親のことを考えるって、
大人になるためには大事なことなんだなと思います。
『「tanpopo」は実は、
お母さんの目線で書いたんだよ』って母に伝えたら、
「怖っ!もう聴きたくない!」って言われました(笑)
でももう一回聞いてみてって伝えたら、
「泣いた」って連絡が来ました。
何に泣いたのかは分からないんですが(笑)」
そんな「tanpopo」が収録されているEP
『Better Weahter』が先月23日にリリースされました。
1曲目の「rain」から最後の「dawn」と、
1日の流れや自身の心境の変化が表現された
作品となっています。
そして、12月4日には『dawn / water』、
『rain / no pride』という2枚の
アナログ7インチレコードがリリースされました。
こちらはSincereさんにとって初のフィジカルリリースで、
「ジャケット写真が大きくなっているのが嬉しかったです。
レコードのノイズも渋かったですね!」
と喜びを語りました。
「これまでは自分の世界だけで
音楽を作ることが多かったんですが、
これからはもっとオープンなマインドで
いろんな影響を受けながら音楽を作っていきたいです。
最終的には…ムラ・マサとコラボしたいです!」
と述べ、この日を締め括りました。
Sincereさんの情報はこちらから
さて、次回は今年デビュー20周年を迎えた
シンガーのSalyuさんをお迎えします。
OTOAJITOには2015年以来、
9年ぶりのご出演となりますが、
最近はどんな音楽をお聴きなんでしょうか?
改めてデビュー当時のお話も伺います。
ぜひ、お聴きください。
焼き鳥レバー
落ち込んでる時に先輩につれられ
立ち飲みでビールと焼き鳥を食べました。
とてつもなく美味しかったです。
ビールはちょっと
クリーミーなものがほしくなるのですが、
焼き鳥のレバーが最高です。(Sincereさん)
この日は実はレバーだけでなく
他の串も持ってきてくださいました。
(写真はXに掲載しています)
黒ラベル×焼き鳥!間違いなしです!
So Yesterday
/ Hilary Duff
Why You Wanna Treat Me So Bad?
/ Prince
Mr. Wendal
People Everyday
/ Arrested Development
Time After Time / Cyndi Lauper
Sign o' the Times / Prince
Firefly (feat. NAO) / Mura Masa
iinsects / Moglii, Nova
スーパー・ジェネレイション
月のパルス / RYUSENKEI
Fast Car / Tracy Chapman
tanpopo
Good Girl
rain
dawn / Sincere
Help Me Lose My Mind
/ Disclosure Feat. London Grammar
Sincereさんとのトークをうけて
クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら