数多くのサウンドトラック制作の他に、
自身のプロジェクトで様々なシンガーを迎えて
作品を発表している澤野さん。
シンガーの起用方法について澤野さんは
「曲を聴いてカッコいいなって思った人にお願いしたりとか、
知り合いに紹介してもらったりとかでやっています。」と話しました。
2014年の春頃から活動が始まった、ボーカル楽曲に重点を置いた
澤野さんのプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]。
クリス・ペプラーが
「[nZk]ってZだけが大文字なのは何故ですか?」と質問すると、
澤野さんは笑いながら
「そんな深い意味はなくて、見た目ですね。
デザイン的にZが大きいほうがしっくりくるかな、
くらいのことでした。」と答えました。
映画音楽にも携わる澤野さんが、
今まで見た映画で一番好きだと話したのは『ターミネーター』。
「小学校6年くらいの時に、初めて映画館で見た洋画が
『ターミネーター2』だったんですね。
その影響もあって、今も放送されると見ちゃいますね。
あのガイコツのロボットって”エンドスケルトン”って言うんですけど、
あれがすごくカッコいいなって思ってて、
家にレプリカが6〜7体ありますね。」と語りました。
クリス・ペプラーは
「テーマ曲もやっぱりカッコよかったですよね。
確か、シンクラヴィアか何かを使って、
金槌の音をサンプリングしてるんですよ。昔、車に乗ってる時に、
天気が悪いと必ずこのテーマ曲をかけてました。
すごい気分が上がるんですよ。」と話し、澤野さんも
「それこそ『ターミネーター』の最後も
天気が悪くなるような終わりでしたもんね。」と反応し、二人で盛り上がりました。
ターミネーターシリーズは全て観たという澤野さんですが、
最新作はジェームス・キャメロンが
再び監督を務めることになったことに興奮し、
映画館で2度観たと話しました。
澤野さんはその他にも、
クリストファー・ノーラン監督の作品も好きだと話しました。
「『ダークナイト』を観た時に、この人すごい人だなって思いました。
ハリウッド映画って、一時期日本の評論家みたいな人が、
「迫力とかドカーン!ばっかり。」みたいな言い方をする風潮があったんですけど、
でも『ダークナイト』は迫力もありながら、内容も惹き込まれるものを作っていて、
最強だなって思っちゃったんですよね。
そこからクリストファー・ノーランの映画の作り方に魅了されて、
ジェームス・キャメロンと並んで好きな監督ですね。」と魅力を熱く語りました。
「澤野さんが好きな映画のサウンドトラックって何ですか?」とクリスペプラー。
澤野さんはハンス・ジマーに大きな影響を受けていると語り、
『ダークナイト』や『バックドラフト』を挙げ、
中でも一番好きだと話したのが『ブラックレイン』のサウンドトラック。
「日本が舞台になっている映画なので、
先週も話した「ヨナ抜き音階」が使われていてカッコいいですね。」
と惹かれる理由を話しました。クリス・ペプラーが
「サウンドトラックは、例えばジョン・ウィリアムスみたいな
分かりやすいメロディのものと、アンビエントっぽいものがあると思いますけど、
澤野さんはどっちが好きですか?」と質問すると、澤野さんは
「基本的には聴いた時にメロディが耳に残る曲が好きなんですけど、
BGMに特化してサウンドだけで面白く聴かせるみたいなことを
やっているのもカッコいいなって思いますね。最近のハリウッド映画は、
サウンドで面白く聴かせる傾向があるので、
それもチェックしてます。」と話しました。
番組後半も引き続き、サウンドトラックの魅力についての話から始まりました。
クリス・ペプラーがサウンドトラックで惹かれた映画としてあげたのが『ガタカ』。
「『ガタカ』はマイケル・ナイマンが担当してるんだけど、
あれはベストかもしれないな。サントラがこれじゃなかったら、
たぶん俺はここまで『ガタカ』に感情を動かされなかったなって思います。
心臓がギューっと絞られる感じがしましたね。
観終わった後に、余韻が半日くらい続いちゃいました。」と語りました。
映画音楽を作る上で澤野さんがお手本にしたと語るのは、
久石譲さんの『もののけ姫』と
ハンス・ジマーの『バックドラフト』、『ブラックレイン』。
澤野さんは
「久石さんのアジアっぽい音楽を参考にしたオーケストラもやりましたし、
ハンス・ジマーのリズムを立たせた音楽も
かなり参考にしたこともありますね。」と話しました。
番組アンケートで澤野さんが好きなドラマの1つとして挙げたが『ウエストワールド』。
「脚本の1人にクリストファー・ノーランの弟のジョナサン・ノーランがいて、
やっぱり時間の使い方も上手くて引き込まれました。」と澤野さんが話すと、
クリス・ペプラーは
「この辺り僕も好きなんですよ。
レプリカントとか記憶が本物なのか、みたいなテーマですよね。
フィリップ・K・ディックが好きなんですよ。
超量子力学論みたいなテーマが多くて、SFって人間性の追求というか、
人間って何なんだろうみたいな、
そういうのはアリかなって思います。」と話しました。澤野さんも
「そうですよね。『ターミネーター』とかもそういった部分に
惹かれた理由があるかもしれないです。」と反応しました。
サッポロ生ビール黒ラベルのコミュニケーションテーマ
「大人の☆生」に合わせて、澤野さんに「大人をテーマにした1曲」を質問しました。
澤野さんが選んだのはホリー・コールの「コーリング・ユー」。
「僕は20歳の少し前くらいまでジャズが嫌いだったんですよ。
何が面白いのか分かんないというか。
でも、嫌いな音楽こそ聴いた方がいいよって人に言われて、
自分のお金でジャズコンピレーションみたいなのを買ったんです。
そしたら、少しジャズに興味を持てたんですね。
そのコンピの中にこの「コーリング・ユー」も入ってたんです。
そんな20歳頃のことを思い出すので、これを選びました。」
と選曲理由を明かしました。クリス・ペプラーは
「オリジナルのバージョンはジェヴェッタ・スティールで
『バグダット・カフェ』のサントラに入っていて、
それのほうがアンビエント感が強いですかね。
あとはジェフ・バックリィのバージョンもすごい良いんですよね。」と話しました。
番組の最後に、澤野さんが今後取り組みたいことについてお聞きしました。
「ここ数年、中国とかでライブをやらせていただく機会があって、
海外の方と同じ場所で音楽を共有する楽しさを感じたんです。
実は飛行機が苦手で、なるだけ海外に行かないようにしていたんですけど、
自分の音楽を海外の人に聴いてもらえる機会があるなら、
積極的に足を運びたいなと思っています。」と語りました。
この日、クリス・ペプラーが最後に選んだ曲は、
映画『狼の挽歌』のサウンドトラックから
エンニオ・モリコーネ作曲の「Citta' Violenta」。
クリス・ペプラーは
「チャールズ・ブロンソンが殺し屋の役をやっている映画なんですけど、
これが大好きな映画で何回も観に行ったのを覚えていますね。」と話しました。
澤野弘之さんに関する情報はこちらから
さて、次週3月26日&4月2日は
go!go!vanillasのボーカル・ギター牧達弥さんをお迎えします。
オリジナリティ豊かな楽曲で聴く人を魅了するバンドgo!go!vanillasの牧さんは、
これまでどんな音楽に影響を受けてきたのでしょうか?そのルーツに迫ります。
クリス・ペプラー×牧達弥さんがお届けする30分の音楽旅行。
黒ラベルをご用意してお待ちください。
北のおいちーず
クリス・ペプラーが用意したのは、
さきいかのような形状のしょうゆ風味チーズ。
黒ラベルにピッタリのおつまみ。
FAVE
FLAW(LESS)
/ SawanoHiroyuki[nZk]
Theme From "The Terminator"
(August 29th, 1997, JUDGEMENT DAY ReMix)
/ Brad Fiedel
Black Rain / Hans Zimmer
The Departure / Michael Nyman
アシタカせっ記 / 久石譲
Main Title Theme - Westworld
/ Ramin Djawadi
Calling You / Holly Cole
Calling You / Jevetta Steele
Calling You / Jeff Buckley
Citta' Violenta / Ennio Morricone