幼少期からエレクトーンを習っていた桑原さんは、
その影響で自身のピアノのタッチが弱い事を
コンプレックスに感じていたと話しました。
「エレクトーンは鍵盤がプラスチックで、
ピアノとは全然違うじゃないですか。
ピアノの弦を鳴らしきって、音を綺麗に出せなければ、
ピアニストって言えないんじゃないかっていう壁に、
18歳くらいの時にぶち当たりました。」と振り返る桑原さん。
エレクトーンからピアノに転向した時からお世話になっている先生とともに、
自分の音を出すための研究をし、
ここ2〜3年でようやく自分の音が出せるようになったと話しました。
エレクトーンについて桑原さんは
「ピアノとは鍵盤楽器だってことだけが同じなんです。
だから、別次元で評価されるべきで、
同じものだという認識は絶対にしてはいけないと思います。」と語りました。
それでも、クリス・ペプラーが今後、
自分の娘にエレクトーンを習わせる可能性があることを話すと、桑原さんは
「絶対オススメです。だって、私も習っていて楽しかったですし、
いろんな音が出せるので、頭の中でオーケストラが鳴るんですよ。
今もオーケストラの曲を書いたりするんですけど、頭の中に浮かぶので、
それはエレクトーンをやっていたからだなって思います。」と魅力を話しました。
「鍵盤楽器だと何か一番好きですか?」というクリス・ペプラーに対し、
桑原さんは即答で「100でピアノですね。」と返しました。
エレクトーンを習っている時から、音色作りが嫌いで、
とにかく弾きたいという気持ちが強かったそう。
桑原さんは
「ローズ・ピアノとかハモンドオルガンとかって
自分で調整するじゃないですか。
自分にはそのセンスが無いって思っているので、ピアノ一本に絞りました。
決まった音の中で、どれだけ遊ぶかという方に興味があるんです。」と話しました。
そんな桑原さんが好きなピアニストは
Michel Petrucciani、Richard Tee、そしてArt Tatum。
クリス・ペプラーが「Richard Teeって、また渋いですね!」と反応すると、
桑原さんは
「Richard Teeの左手はエグいです。
左手で弾く音があんなにベースラインに聴こえる人はいないでしょうね。
私は結局、左手が音楽を作ると思っています。」
と自身の音楽観についても語りました。
先週の放送で、
桑原さんはLee Ritenourの「Captain Fingers」に出会い、
ジャズが好きなったと話しましたが、
その魅力はAnthony Jacksonが弾くベースだったそう。
Anthony Jacksonについて桑原さんは
「あのグルーヴはアンソニーだってすぐ分かるじゃないですか。
私もピアノを弾いた時に、桑原あいじゃない?って思われたいんですよ。
アンソニーはそういったミュージシャンの象徴です。」と話しました。
番組後半は桑原さんが好きなMr,Childrenの話からスタートしました。
「事前のアンケートで唯一の邦楽、J-POPですね。
桑原さんの中でミスチルはどの位置にあるんですか?」
というクリス・ペプラーに、桑原さんは
「ど真ん中ですよ!高校の時とかは通学の行き帰りとか
ずっと聴いていました。大好きです。」と話し、
よく聴いていたアルバムとして『IT'S A WONDERFUL WORLD』を挙げました。
そして、話は桑原さんの曲作りの方法へ。
作曲の時にはピアノを使わず、頭の中で作っていくと明かした桑原さん。
「頭の中で3〜4日保存して、噛み砕いてから楽譜にします。
忘れてしまった場合は、忘れるような音楽だったんだなって思っていて、
逆に何日も忘れないメロディーは
残っていいものなんだなって思って楽譜に書いていきます。」
頭の中で鳴っている曖昧な音をすぐにピアノの音にしてしまうと、
そこに集まっていたアイデアが
ピアノの正確な音で消えてしまうと感じるんだとか。
作曲期間には、ずっと頭の中でメロディーが鳴っているため、
眠れなくなってしまうそうです。
リスナーから寄せられた質問にも答えていただきました。
『桑原さんは映画音楽に携わりたいと話していましたが、
好きな映画のジャンルはなんですか?また好きな監督さんはいらっしゃいますか?』
「ジャンルはヒューマンドラマです。
ラブストーリーより親子とか家族の物語が好きですね。
あとは動物が出てくる映画ですかね。とにかく動物がすごく好きなんですよ。
映画を監督であまり選ぶことはないんですけど、
見た時にこの人すごいって思ったのは、
ウォン・カーウァイさんの『ブエノスアイレス』です。
音楽の出し方が異様で面白かった。音楽のボリュームがとにかくデカい!
ピアソラの音楽がデカい音で2分くらい流れ続けたりするんですよ。」
この流れから、Ennio Morriconeの話になりました。
桑原さんはEnnio Morriconeが大好きだそう。
「彼の曲って聴いたら映像が浮かぶじゃないですか。
最近はそういう映画が少ない気がする。
音楽が見える映画に出会えると嬉しいし、
映像が浮かぶ音楽が作りたいとも思う。
そんな映画を見ると映画音楽への夢が膨らみます。」と話しました。
桑原あいさんに関する情報はこちらから
さて、次週:4月23日&30日は、声優の緒方恵美さんをお迎えします。
『エヴァンゲリオン』シリーズの主人公・碇シンジなど、
数多くの役を演じ、音楽活動もしている緒方さん。
OTOAJITOには4年ぶり、2度目のご出演となります。
クリス・ペプラー×緒方恵美さんの大人の音楽談義。
黒ラベルをご用意してお待ちください。
かきたねキッチンの柿の種
「あと辛」「チーズ」「山椒」の
柿の種オリジナル3種ミックス。
どの味が出てくるか楽しみながら
パーティー感覚で味わえるグレイトなおみや。
Somehow It's Been a Rough Day
/ Ai Kuwabara with Steve Gadd & Will Lee
That's The Way Of The World
/ Richard Tee
My Sweetness / Stuff
Captain Fiingers / Lee Ritenour
君が好き / Mr.Children
ワルツ・フォー・デビイ
レオノーラの愛のテーマ
ニュー・シネマ・パラダイス
/ 桑原あい
Prologue (Tango Apasionado)
/ Astor Piazzolla
For the Love of Money
/ The O'Jays
この日のトークを受けて
クリス・ペプラーが選んだ1曲!