福島県出身の今泉さん。
小学生の頃から高校生の頃まで卓球をやっていたそうで、
「卓球って独特で、他のスポーツは全然出来ないのに、
卓球だけは出来るっていう人が結構いるんですよ。
僕は完全にそのタイプでした。人に合わせるというより、
相手と1対1のスポーツなので、
それが自分に向いていたのかもしれません。」と話しました。
子供の頃は、卓球とテレビを楽しむインドアな子だったそうで、
外へ遊びにいくことが少なかったんだとか。
そんなインドアな子供時代を過ごした今泉さんは、
映画には早い段階から触れていたそうです。
「じいちゃんがよく映画館に連れて行ってくれたんですよ。
あと、僕は自分で脚本を書くから、よく文系だと思われるんですけど、
思いっきり理系なんですね。国語が苦手だったので、
小説とかの代わりに物語の流れを知る意味で、
父親も僕を映画に触れさせてくれたんです。
それが僕の原点ですね。」と語りました。
今泉さんは大学時代に、今泉さんも含め、
誰も楽器が出来ないメンバーとバンドを組んでいたそう。
楽器が出来ないメンバー4人、音楽が出来る人が裏方が4人の奇妙なバンドで、
文化祭などで曲を披露したり、CDを売っていたんだそう。
クリス・ペプラーが
「ゴールデンボンバーを想像したんですが、
彼らとはちょっと違う感じですかね?」と質問すると、今泉さんは
「言うのも恐れ多いですが、ゴールデンボンバーが出てきた時に、
僕らのグループをめちゃくちゃ上手くやったらこうなるよね、
って話したりしてました。」と答えました。
姉の影響でスピッツやMr.Childrenが好きになった今泉さんは、
高校生の頃に、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTにハマったそうで、
CDも全て揃えて買っていたと話しました。
「激しいロックが好きだったの?」とクリス・ペプラーが訊くと、今泉さんは
「従兄弟経由で知ったバンドだったと思うんですけど、
それまでテレビで流れてくる音楽しか知らなかったので、
一番衝撃だったのは、知らない音楽の存在に気がついて、
しかもそれがカッコいいっていうことでした。」と
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとの出会いについて語りました。
ここでクリス・ペプラーが
「監督って音楽を聴いている時に、歌詞ってすぐ頭に入ってきますか?」と質問。
今泉さんは
「そうですね。歌詞を聴く意識は自然と出来ちゃってるかもしれないです。
ただ、歌詞を調べたりしないから、
自分なりの解釈で歌詞を覚えてる時があるんです。
例えば、くるりの「ハイウェイ」っていう曲で
「何かでっかい事してやろう」っていう歌詞があるんですけど、
「何かでっかい事してやろう”ぜ”」だと勝手に思ってたみたいな。
確か、サニーデイ・サービスにもあった気がするけど、
何の曲だったか思い出せないです。」と話しました。
するとクリス・ペプラーは
「勘違いしていた曲は、来週の放送のネタにしましょう!
仕込んでおいてください!」と頼んでいました。
番組後半は、今泉さんが映画監督になった
きっかけの話からスタートしました。
「単純に映画が好きで、大学で映画の学校に行ったんですけど、
卒業制作とかも挫折して、映画監督にはなれないと思って、
一度大阪で吉本のNSCっていう芸人の学校に通ったんです。
でも、ネタ見せをするたびに先生から
「お笑いじゃなくて、お話がやりたいんでしょ?」って言われて、
それで映画学校に戻ったっていう経緯があります。」と話しました。
クリス・ペプラーが「芸人の学校に行ってたんだ!」と驚くと、今泉さんは
「そうなんです。かまいたち、和牛、天竺鼠、
藤崎マーケットとかみんな同期でしたね。」と答え、
さらにクリス・ペプラーを驚かせていました。
NSCには、自分が書いたものを見てもらえる機会が多いことや、
それに対する反応もすぐ得られるということに魅力を感じていたんだそうです。
映画学校に戻った後、自主映画を作りながら
映画館でバイトをして生活をしていた今泉さん。
現在は撮影機材の進化もあり、自主映画出身の映画監督も多いそうで、
このことについて今泉さんは
「今は自主でもプロと同じ画質で撮影出来るようになっているんですけど、
僕らが自主映画を撮っている時はminiDVっていう
プロの映像と比べると少し雑なものを使っていたんです。
これって今の子達の方が大変だと思っていて、
荒い映像で撮影していると、役者の芝居や照明、音とかの粗雑さが
映像と合っていたからまだ良かったんですね。
今はプロと同じような技術で撮影出来ちゃうから、
技術先行になっていて、映画っぽいものは作れるけれど、
芝居や演出がしっかり出来る人が少ない気がしています。」と語りました。
今泉さんが自主映画を制作していた頃は、
とにかく登場人物が魅力的に見えるように演出をしていたと話し、
「今の人ももっと人物に
興味を持って欲しいなって思っちゃったりします。」とも述べました。
今泉さんは、近年のYouTubeやTikTokなど、
短いテンポで密度や濃度が高く表現されていたり、
音楽やテロップが過剰に足されている作品が多くなっている傾向があるとし、
自らは引き算の感覚で映画を作っていると話しました。
クリス・ペプラーは
「先ほどからお話を聴いていると、
しっかりと周りの状況を俯瞰的に捉えている感じがして、
カッコいいですよね。僕はもうラジオを30年以上くらいやっているんだけど、
世の中やテクノロジーはどんどん変わってるんですよ。
自分自身は根本的に変わらないけど、周りが変わっていくんだったら、
それに対応した動きをしていかないといけないなって思うので、
監督が考えていることはすごく分かるな。」と共感していました。
そんな今泉さんの新作映画『かそけきサンカヨウ』が10/15に公開されます。
こちらの作品は窪美澄の短編小説を、監督自ら映画化を希望して制作されました。
これについて今泉さんは
「窪さんの小説はこの作品以外も何作か読んでいるんですが、
ダメだったり、弱かったり、だらしなかったりする人をずっと書いているんです。
この作品は父親と娘の父子家庭があって、
父親が再婚することで新しい家族が出来ていく話なんですけど、
登場人物の感情が多面的で、とても豊かに表現されているんですね。
それが自分が映画でやっていることと共鳴する感じがして、
映画化してみたいなって思いました。」と語りました。
シンガーソングライターの崎山蒼志さんが書き下ろした曲
「幽けき」がこの映画の主題歌になっています。
今泉力哉さんに関する情報はこちらから
さて、今泉力哉さんとのトークは次週:10月15日に続きます。
今泉さんが歌詞を勘違いして覚えていた曲の話や、
MVを撮影してみたいアーティストの話、
そしてリスナーからの質問にも答えていただきます!
黒ラベルに合う、大人の音楽トーク。来週もお楽しみに!
ポテトチップス のり塩
"料理はほとんどしない"と話した今泉さんが
黒ラベルのおつまみに選んだのは、
定番・湖池屋のポテトチップス のり塩
これは、黒ラベルが止まりませんね。
YUMEGIWA LAST BOY
/ SUPERCAR
スモーキン・ビリー
/ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
ハイウェイ / くるり
幽けき / 崎山蒼志