ARCHIVE | SAPPORO BEER OTOAJITO | Every Sat. 18:00-18:54

2022.03.11 ON AIR
先週に引き続き、
MONO NO AWARE / MIZの
玉置周啓さんをお迎えしました。
玉置さんは温泉街で出会った
知らないおじさんと仲良くなって...

現在、MONO NO AWAREとMIZの
2つのユニットで音楽活動している玉置さん。
それぞれのユニットについて、
「MONO NO AWAREを最初にスタートしたので、
　こっちが主軸というイメージ。
　何も意識せず楽しみながら活動出来るんですが、
　制作に行き詰まることもあるので、
　その息抜きとして始めたのがMIZです。」と述べました。
MIZはMONO NO AWAREのギター加藤成順さんとのユニットで、
2本のアコースティックギターと2人の声が、
リラックスした心地のよい音を奏でています。
音源をリリースするなど本格的な活動が始まる際には、
息抜きとしてスタートしたため、抵抗感があったとも話しました。

くるりの岸田繁さんやHIMIさんと共に、
ドラマーの石若駿さんとのセッションイベントに出演したMIZ。
玉置さんは音楽理論を勉強してきていないので、
アカデミックな部分に少しコンプレックスがあるそうですが、
そこでクリス・ペプラーが
「石若君みたいな藝大出身のアカデミックなミュージシャンもいるけど、
　音楽理論の知識がある人と、我流でやっている人、
　その辺の関係ってどう思います？」と質問しました。
玉置さんは
「どちらも関係ないのかもしれないってようやく思えたのは、
　それこそ石若君からMIZもMONO NO AWAREも
　好きだって言ってもらえた時ですね。
　こんなアカデミックな人から言われたら、
　いいかって思えましたね。」と語りました。

この流れからクリス・ペプラーはジョニ・ミッチェルを引き合いに出し、
「彼女のギターは我流なんですよ。チューニングも独特だから、
　一緒に演奏するバンドメンバーはジャコ・パストリアスとか、
　パット・メセニーとか一流のジャズミュージシャンなんですよね。
　それぐらいの人じゃないと一緒に出来ないんですよ。」と話しました。
良いバンドには理論を知らないメンバーがいることが多いとも述べ、玉置さんは
「それがバンドの持っている最後の魅力かもしれない。
　何も知らないけど良い音が出せるんですよね。」と述べました。

玉置さんにはリスナーから寄せられた質問にもお答えいただきました。

『曲はもちろんですが周啓さんの書く言葉、
　話す言葉、物事を見据える視点が素敵です。
　言葉のルーツがあれば教えて欲しいです。』

「僕は漢字が大好きで、
　小学校上がる前から漢字辞典を読んで習得していたんです。
　だから活字に触れるのが早かったんじゃないかな。
　あとは中学生で読む小説を小学生の時には読んでいましたけど、
　まあ、それぐらいですかね。」

歌詞を書く上で心がけていることについて玉置さんは、
「あまり考えずに書くことが多いんですけど、
　面白かった出来事を無表情で書くのが
　唯一心がけていることかもしれないです。」と述べました。

「アイロニーを含んだ文章が好きってことですか？」と
クリス・ペプラーが質問すると、玉置さんは肯定しつつ、
温泉に行った時に起こったエピソードを話し始めました。

「温泉街で出会った知らないおじさんと仲良くなって
　ドライブすることになったんです。僕は電車で行っていたので、
　車でいろんな場所を案内してくれて、とても楽しく過ごしてたんですね。
　ダムかどこかに寄った帰りに一緒にタバコを吸っていて、
　僕が携帯灰皿を吸い殻を入れて、目の前にいるおじさんに差し出したら、
　靴でタバコを地面に踏み消してたんです。えっ？って思ったんで、
　「灰皿は？」みたいなことを言ったら、
　さっきまで優しかったそのおじさんが満面の笑みで
　「僕は今、タバコを捨てたんじゃなくて、地面に置いたんです。」って
　言ってきたんですよ。僕『冷たい熱帯魚』に出てくる、でんでんに見えちゃって。
　この後、連れて行かれて殺されるんじゃないかなって(笑)
　でも最終的にその人の家に誘われて、行ってお茶飲んで帰りました。」

クリス・ペプラーはこの話を聴き、
「怖いな！でもショートムービーみたいで良いエピソードですね。
　今度MV集なんかを作る時に、
　これを取り入れたらいいかもしれないですね。
　バックでMIZの曲をかけて、「地面に置いたんです。」って言われた瞬間に
　音が止まる感じの演出にして(笑)」と感想を述べました。　

そんな玉置さんがメンバーとして活動するアコースティックユニットMIZは
3月9日にセカンドアルバム『Sundance Ranch』をリリースしました。
北海道のスタジオにて制作された本作について玉置さんは、
「7人乗りのキャンピングカーで品川から北海道へ向かいました。
　1曲は行く途中で作ったので、飛行機とかハイエース移動では出来ない、
　キャンピングカーならではって感じでした。」と語りました。

3月24日には東京・渋谷ユーロライブにて
『Road to Sundance Ranch』という、
アルバム制作のロードムービーの公開も決定。
4月3日には東京・北とぴあドームホールにてライブも予定されています。
詳しくはMIZのSNSをチェックしてください。

MIZに関する情報はこちらから

さて、次週：3月18日&3月25日は、
シンガーソングライターのマハラージャンさんをお迎えします。
独特の世界観と洗練されたサウンドで注目を集めるマハラージャンさんは、
どんな音楽ヒストリーをお持ちなんでしょうか？お楽しみに！