
今週は、作家としてもご活躍の料理家、樋口直哉さんのキッチンにリモート接続しました。
もともとフランス料理の出張料理人としてご活躍されていた樋口さんは、その頃から並行して書かれていた小説で「群像新人文学賞」を受賞し、小説家としてデビュー。その作品が芥川賞候補にもなりました。
小説だけでなく料理本も多数出版されている樋口さんが今回教えてくださったのは、最近出された著書『ぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引き(辰巳出版)』にも掲載されているレシピで、この春、料理のスタートラインに立つ料理初心者にぜひ覚えておいてもらいたい「鶏そぼろ」!

■鶏そぼろ
<材料(つくりやすい分量)>
鶏ひき肉…300g
醤油…大さじ4
砂糖…大さじ4
酒…大さじ4
1) 鍋にすべての材料を入れて、菜箸で肉をほぐす。菜箸でかき混ぜながら中火にかける。
2) 煮汁が沸騰してきたら弱火に落とし、さらに水分を飛ばしていく。
*10分を目安に、丁寧に炒りつけると細かいそぼろができます。
3) かき混ぜたとき、鍋底が一瞬見えるくらいまで汁が煮詰まったら出来上がり。
*冷ましてから保存容器に入れましょう。
美味しく仕上げるポイントは2つ。
ひとつは砂糖を少し多めにすること。
そうすることで鶏肉の水分を逃さず、しっとり仕上がります。
もうひとつは、煮詰める時に水分を飛ばしすぎないこと。
少し水分が残っても、冷めると鶏肉が吸うので、
完全に水分がなくなる少し手前で火を止めた方がふっくら仕上がります◎
そして、このそぼろを使った親子丼も教えて頂きました!
■鶏そぼろの親子丼
<材料(2人分)>
鶏そぼろ…100g
水…100ml
卵…4個
ご飯…茶碗2杯分
1)鶏そぼろと水を中火にかける。ボウルに卵を割り入れ、箸で軽く溶く。
*白身と黄身が完全に混ざる前に手を止めるのがコツ。
2)沸騰したところに、卵を静かに流し込んでいく。
このとき、卵を少しだけ残しておく。
3)一度だけざっくりと箸で混ぜたら、蓋はせず弱火に落とし、ゆっくりと火を通す。
4)中心部分がややゆるくても白身が固まっていればOK。
残りの卵を加えて半熟状態にし、丼に盛ったご飯の上にそっと盛り付ける。

樋口さんいわく、「親子丼に鶏そぼろを使うのはお米の粒子に寄り添いたいから」。
そぼろに味がついているので調味料なしで
ぱぱっと美味しい親子丼ができます。
皆さんもぜひお試しを!